SATO SABA
いよいよ梅雨に入ったなという感じで、しっかりとした雨音を立てながら、雨が降り続いている。 そんな日の空は、幾層にも重なる雲で覆われている。 そんな空の日に、飛行機に乗った事はあるだろうか。 わたしは何度かあるのだが、あの厚い雲の層の中で揺れる感じ、 生きた心地がしない。 リアルジェットコースターだ。 いつまで続くのかと、 本当はきっと、数分なんだろうけど、 何十倍にも感じられる。 そんな時間を、 何だったのか? と一気に抜ける瞬間。 その青空から見下ろす、雲の世界。 不思議な程に白く、フワフワと極楽にさえ見える。 ふと、 人生に重ね合わせてみた。 渦中にいる時は、 長くて先が見えない。 踠いてガタガタと足下を何度も揺るがされ、仕舞いには吐き気まで催す様な悪天候。 自分でも分からない、抜けたなって振り返る時。 そんな感じだなと、今日の厚い雲を見て思った。
満たされない何かを他人で埋めようとする時点で、その相手は友達ではない。 それは、自分にとって都合の良い人でしかないと思うからだ。 友達の定義なんて分からないけれど、 なんとなく、一緒にいたりする時間が互いにとって心地よいだけで十分なのだと思う。
1日を、殆どひとりで過ごすので、 今日は夜に息子といくつかの言葉を交わした以外、話してない。 ひとりには慣れている。 遅かれ早かれ、 孤独という名の壁にぶつかりもがくなら、 わたしは早くに孤独を体験したせいか、 今では余り孤独を怖いとは思わなくなった。 人というものを余り信じていないので、 出会いと別れが表裏一体である事が世の常、 物事は諸行無常、 来るもの拒まず、去るもの追わず、 いつから、こんな風になってしまったのだろう。。。