AI技術を使って会社を辞めた話(短編小説)
大手IT企業で働いて15年。ここまで耐えてきたが、年齢とともに勉強嫌いなデジタルの進化に着いていけなくなくなり、そして金銭的な待遇も長きに改善する傾向なく、私はコロナ禍が明けた頃から辞めることばかり考え続けてきた。そしてついこの前体調のとても良い晴れの日に決行したのである。事は都心にある高い高いビルの一室、埃ひとつない会議室で起こった。無機質なデジタルのお話をする会議、プロジェクターには神様の棲家であるクラウドシステムが投影され、PMやらアーキテクトやらコンサルやら何やらが、