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11月突然タンポポのごとく

二日間、長かったかもしれないし、短かったかもしれない。いや、やっぱり長かったかな。

どんな話をしたのか、もう、忘れてしまったこともあるかもしれない。

ずっと忘れられないこともあったかもしれない。

突然、思い立って長崎に来た。

普段の撮影では、2~3時間で何百枚も撮る。

この二日間の撮影枚数は驚くほど少ない。

あっちにも、こっちにも、どうしても捉えきれない人が目の前にいた。

けれど、この二日間で感じたことは、いつもポケットに入れて持ち歩いて、いつでも取り出して思い出すだろうと思う。

無くさぬように、離さぬように、いつでも、いつまでも。

「さとるさんの繊細さは、ガラスのようなものではなくて、タンポポの綿のようで…冬の風ではなくて、春の風が吹くといいなぁと思います」と言ってくれた。

おうちの中にいたら、風は吹かないな。外に出ないと飛ばないな。もしかしたら、風は吹いていないかもしれないし、冷たい雨が降っているかもしれないけれど、外に出ないと暖かい風は感じられないな。

今、玄関先で、もう一歩を踏み出せないでいるところかな。

ちょうど、学校に行けなくなったときと同じように。

玄関から先に出られなくなって、いつからか玄関にさえ向かわなくなって、ようやっと玄関に戻ってきた。

そろそろ、外に出る頃合いだな、きっと。

素敵な言葉をありがとう。

いつか、僕が風になって、タンポポの綿のような奴を、暖かい風でいいところに連れて行けるように、頑張るね。





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