![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/8598514/rectangle_large_type_2_7050ec38ca71d2af53d081c3ea19d8d5.jpg?width=1200)
11月突然タンポポのごとく
二日間、長かったかもしれないし、短かったかもしれない。いや、やっぱり長かったかな。
どんな話をしたのか、もう、忘れてしまったこともあるかもしれない。
ずっと忘れられないこともあったかもしれない。
突然、思い立って長崎に来た。
普段の撮影では、2~3時間で何百枚も撮る。
この二日間の撮影枚数は驚くほど少ない。
あっちにも、こっちにも、どうしても捉えきれない人が目の前にいた。
けれど、この二日間で感じたことは、いつもポケットに入れて持ち歩いて、いつでも取り出して思い出すだろうと思う。
無くさぬように、離さぬように、いつでも、いつまでも。
「さとるさんの繊細さは、ガラスのようなものではなくて、タンポポの綿のようで…冬の風ではなくて、春の風が吹くといいなぁと思います」と言ってくれた。
おうちの中にいたら、風は吹かないな。外に出ないと飛ばないな。もしかしたら、風は吹いていないかもしれないし、冷たい雨が降っているかもしれないけれど、外に出ないと暖かい風は感じられないな。
今、玄関先で、もう一歩を踏み出せないでいるところかな。
ちょうど、学校に行けなくなったときと同じように。
玄関から先に出られなくなって、いつからか玄関にさえ向かわなくなって、ようやっと玄関に戻ってきた。
そろそろ、外に出る頃合いだな、きっと。
素敵な言葉をありがとう。
いつか、僕が風になって、タンポポの綿のような奴を、暖かい風でいいところに連れて行けるように、頑張るね。
・
・
・
・
Twitter
いいなと思ったら応援しよう!
![Satoru.K](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79763535/profile_da2fda7e244272b03fa9ffff1dc9d480.png?width=600&crop=1:1,smart)