水槽の金魚の見えない壁
ぼくが喘息で通っている内科の病院には、水槽があって、魚が泳いでいる。
きれいだなぁ、といつも思う。ぼくにもまだ、きれいなものを素直にきれいだと思う心がある。
・以前、“水槽に入っている金魚”についての話を聞いた。
金魚たちが自由に泳いでいる水槽の真ん中に、透明の仕切りをつけて、向こう側に行けないようにしてしまう。
金魚たちは、透明の壁に気付かずに、何度も何度も壁にぶつかるそうだ。
その環境でしばらく飼育をして、ある日、その透明の壁を外す。
するとどうなるか。
金魚たちは、もう行けるはずになった向こう側に行かず、水槽の半分で生活をするそうだ。もうこれ以上先へは進めないと金魚なりに考えるらしい。
・その、ほんとうは行けるはずの場所に行かなくなった金魚を、水槽のもう半分に行かせるにはどうしたらいいと思う?と聞かれた。
答えは、
「新しい金魚を、同じ水槽の、金魚たちがいる方に入れること」だそうだ。
新しく入った金魚は、壁があったことを知らないから、自由に泳いで半分よりも先に行ける。
その姿を見て、他の金魚たちも、「あ、そっちに行けるのね」となるらしい。
自分で壁を作ってしまっていることが、たくさんあるなぁと思う。
まぁ、でも、相変わらず無理はしたくない。
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