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【論文備忘録】学級経営はこうすべし!なんて言えない…。
こんばんは、"もっちゃん"です。
記事を開いてくださり、ありがとうございます。
新年度がスタートして、およそ一週間経とうとしています。
担任の先生方は学級開き、お疲れさまです。ひょっとすると中学校では各教科の授業開きもそろそろでしょうか。
初めて担任を持つ先生方にいたっては、相当お疲れの一週間かと思います。週末はゆっくり休んでいただきたいものです。
(中学校以上は部活動等に追われてしまうかもしれませんが)
さて、年度初めということで、少し趣向の異なる研究を取り上げてみようと思います。
⓪今回取り上げる研究:赤坂真二(2019). 学級経営の意味と課題. 日本学級経営学会誌 第1巻. pp.1-4
聞くところによると、日本学級経営学会なるものがあり、その学会誌の第1号の巻頭論文です。
学級経営をテーマにしようと思い、最初に取り上げるのに良いかと思いました。
①要旨
上記論文から、要旨をそのまま引用させていただきます。
新学習指導要領において意味の再確認がなされた学級経営は,学習の成立,教科指導,特別支援教育などの視点からもその重要性が指摘される。しかし,その成り立ちの経緯から教育現場では多様な捉えが存在し,明確な定義が見 当たらない状況である。今後は学級経営に関する科学的根拠をもった実践研究の積み重ねと共に学級経営を学ぶ体制の整備が求められる。
簡単に言えば、学級経営はとても重要だが、あまり研究されてきていない!
また、学級経営について学ぶ場もあまりない!
ということを指摘しています。
②学級経営の現状を考えてみる
学級経営についての現状を考えてみます。
現在4月の中旬に差しかかろうというところですが、すでに学級経営はスタートしています。
ベテランの先生も、中堅の先生も、若手の先生も、もしかしたら大学を卒業したばかりの初任の先生も、同じタイミングで学級経営が始まります。
これは教員の間では当たり前ですが、よく考えてみると、とんでもないことです。
振り返ってみると、大学で学級経営について何を学んだでしょうか。
私は教員養成系の大学の出ではない、ということもあってか、ほとんど記憶にありません。
それなのに、特に序盤は「黄金の3日間」とか言われて、何をして良いかよくわからなかった…。
そう考えると、学級経営はスタートからもう模索状態にある、といったところでしょうか。
③なぜこうなっているのか
論文中でも触れられていますが、一番の要因は、
学級経営に理論的なバックグラウンドがあまりない
ということかとも思います。
つまり、万人に伝えられるようなこと、大学の講義とかで一般化して教えることができないことが少ないわけです。
学級経営の研究がなかなか進まない理由も論文中で書かれていますが、私としては大きく2点かと思います。
(1)子どもや教師の"人による"という範疇がデカすぎる
学級は多数の人で構成されます。子どもにも教師にも個性があります。
そこに依存する部分が学級経営には多いと思われます。
(2)長期にわたっての研究が難しい
学級経営は1年間通してみて、結果的にどうだったのかがわかるものと思います。1年間まるまるその学級にくっついて研究するというのも、現実的ではありません。
④ビジネスチャンス!?
この現状を見たときに、真っ先に考えてしまったのは、
「ビジネスチャンスなのでは!?」
ということ。
おそらく学級経営に思い悩んでいる方は、それなりにたくさんいます。
理論的な背景がそんなにないとなれば、見方を変えれば、けっこう色んな人が好き放題言える余地が大きいわけです。
現に、学級経営のハウツー本(?)のようなものはたくさん出版され、需要も大きいように思います。
⑤気をつけたいこと
ただ気をつけたいことがあります。
上でも書きましたが、学級経営はそれを構成する"人による"部分がデカすぎます。
他の人がやってうまくいったことが、自分もうまくいくとは限らない。
自分がやってうまくいったことが、次の年にもうまくいくとは限らない。
ハウツー本の内容をそのままやってみても、上手くいかないなんてことが往々にして生じるわけです。
そこが学級経営の難しいところだと思います。
「学級経営ではこうすべき!」というのは私は一概には言えません…。
⑥ではどうするか!?
個人的に思うことです。
学級経営については、ひたすら事例がいっぱい欲しいと思います。
研究についても、実際の学級経営においても。
自分としては「学級経営はこうだ!」みたいに一概に語るのは無理だと思います。
一番良いのは、
「こうしたら上手くいった!」
「こうしたらダメだった!」
といった事例それ自体が参考になる部分は大きいと思います。
そういった学級経営に関わるスキルに関する情報を仕入れ、それを多分にストックしておくことが学級経営が上手くいくための近道かと思います。
研究に関しても、まずはケーススタディから始めるしかないのではないでしょうか。
⑦終わりに
今回、長くなってしまいました。
最近書店に並ぶ学級経営に関する書籍とかを眺めながら、思うところを書いてしまいました。
お目汚しで申し訳ありません。
今年1年、みなさまの学級がステキに過ごせることを祈っております。
自己紹介はこちらから。