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学校における同僚性の大切さ【論文備忘録】
こんばんは、"もっちゃん"です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。
今回も【論文備忘録】です。
こちらは教職大学院の先輩にご紹介いただいたものになります。
⓪今回取り上げる研究:後藤壮史(2016).学校現場における同僚性の構成概念についての検討-教員間の関係性に着目して-.奈良教育大学教職大学院研究紀要「学校教育実践研究」 8 19-28
こちらもオープンにみなさんがアクセスできます。
①要旨
本論文の説明をそのまま引用いたします。
近年学校現場では、教員同士が同僚性を構築し、学校の組織力を高めることの重要性が叫ばれている。しかし同僚性は、概念として不明確であり、目指すべき同僚性とは組織の実態によって異なると考えられるため、学校現場における教員間の同僚性の実態を捉えるため、調査用紙を作成・実施し、分析を進めた。その結果、探索的因子分析により4項目×3因子= 12 項目が抽出され、「教師の職能を高め合う関係性」「教師集団として協働する関係性」「教師間の友好な関係性」という3因子を解釈することができた。また、同僚性アンケート全体について分析を進め、学校現場全体としての同僚性の傾向を確認した。さらに、A 小学校、B 中学校の同僚性を客観的に分析し、それらの情報をどのように活用し、学校改善へと活かすのかについて考察した。これらのことから、アンケートによる同僚性の客観的な分析は、組織の実態にあった学校改善方策を考えるための、1つの有力なアセスメント情報になり得ることが確認できた。
最近叫ばれる同僚性の重要性を受けて、その実態を捉えるための尺度作成というか、
アンケートを実施した中から因子分析を行い、解釈を加えています。
②学校における同僚性について
個人的には非常に重要だと感じます。
もはや働くにあたって、最重要ではないでしょうか。
あくまで「私にとって」だけかもしれませんが。
でも、いろいろな教職大学院の紀要とかを見ていると、同僚性を扱ったものがたくさんあります。
教職大学院に行く現職の先生方は、若手よりも中堅・ベテランの層が多いように感じていますが、
そう考えると、現場で働いているからこそ、大事だと感じる要素なのかもしれません。
その重要な要素について、各学校での現状を調査したり、改善に向けて動き出すにあたって、そんな尺度があることはとてもありがたいことだと思います。
③他の職業の同僚性と異なる?
本研究では、ほとんど学校に依拠した項目に限られています。
世間一般の同僚性というよりも、まさに学校をピックアップして調べている感じです。
自分は、教員となってからは学校でしか働いたことがありません。
他は学生時代のアルバイト程度です。
学校という職場は、他の企業等の組織とけっこう異なる、という解釈ですかね?
個人的には共通するところも多いのではないかと思っています。
そうすると、企業等で用いられているものと組み合わせて、より深い分析ができそうな尺度としていけるのではないかと感じました。
④現状と重要度
この研究では、それぞれの尺度に対して、
現状と重要度
のどちらも聞いています。
この聞き方って、すごくわかりやすいなと思いました。
重要だけど実現できていない、とか
やってるけど重要じゃないかも、とか
その後の改善の道筋が立つ聞き方だなぁと思います。
教育実践研究が多くなるであろう教職大学院の学生にとって、とても扱いやすいアンケートだと思います。
こうした調査方法がとても参考になりました。
⑤実施したいけど不安
こういうのを見ると、すぐにやってみたくなってしまうのですが、
自分の学校とかで同僚性を調べたりするのって、倫理的にどうなんだろう?
ものすごくいろいろなことに配慮する必要があるように思います。
正直、実施する勇気があんまり出てこない…。
結果が出たとして、誰かが切ない気持ちになるような気もして。
実施するにはそれなりに覚悟が必要な気もします。
自分がこの学校を本気で良くしたいと思っている、という姿勢も。
でも、教職大学院に現職派遣で来ているからには、そのくらいの覚悟を持ってやらないといけないんですよね。
と、気合いを入れ直す機会になりました。
そんなことを考えた研究でした!
いろいろな質問紙調査があって、いろいろやってみたくなってしまいます。
先生方の負担にはなりたくないので、じっくり考えていきたいと思いました。
自己紹介はこちらから。