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『アナイアレイションー全滅領域ー』 映画 2018 

 SFにカテゴライズされる映画や作品を評価するスケールとして、二つあると感じている。
 一つは、現実の延長線上として、コトバによりプロットやドラマツルギーを解説できるボトムアップ的SF。そしてもう一つは、解釈・解説不可能な状況を映像表現で提出し、映像体験を通して想像的・想像的現実がリアルを超越しえるか、判断を仰ぐスタイルだ。
 そして残念ながら前者が、圧倒的に多い。
 そういうカテゴライズに従えば、本作品は前者と言える。従って予測・解釈可能な作品の様相を呈しており、映像美と音楽、プロットがどれほど想像力として斬新かが、問われる方式だ。
 そして本作品は、映像美とプロットとして、なかなか見ごたえがある作品に仕上がった。
 ナタリーポートマンのドキュメンタリーチックな演技が弁証法的な相乗効果を産んだことは、言うまでもあるまい。
 人の性でもある、「理解出来ない現実に遭遇した場合、まず事象の断片を掴まえて意味化を試み、それらを紡いでストーリー化することで理解できる形にして安心したい」プロセスを上手く利用したことが、本作を秀作に押し上げた。美しいラストのカタストロフを是と感じるか、非と感じるか、そこにも分岐はあるのだが。
 この、古典的な手法で斬新な映像美をプロットを紡ぎ出した本作品は、2018年Netflixにより配信された。


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