まわり道だらけだったわたしが、それも悪くないよね、と思えるようになった話

これまで、1000名以上の方々にインタビューしました。

アーティストや小説家、大学教授、スポーツ選手、企業の採用担当者や新入社員、はたまたお祭りの実行委員長など、お相手は実にさまざま。
人の数だけ違ったお話が聞けて、自分が持ち得ない目線から物事を眺められる時間。インタビューの仕事がある日は、いつもわくわくしながら現場に向かっています。

とはいえ、最初から楽しめていたわけではありませんし、正解がないこの仕事。今も「自信満々!」とは言いきれません。

ラジオパーソナリティ/MC/ライターとして、それぞれ違った立場でのインタビューを経験し今に至ったわたし。「将来はテレビ局のアナウンサーになるんだ」と信じて疑わなかった頃には、こんなにも遠回りをして、しかもたくさんの肩書を持つとは思ってもいませんでした。自分なりにキャリアを重ねても、どこか「ひとつの職業になりきれなかった」という思いを抱えていたんです。

だけど、「インタビューが好き」と思えるようになるにつれ、少しずつ積んできた経験が無駄になっていないこと、それぞれの仕事が互いに良い作用をもたらしていることを実感できるようになりました。

きっかけは、一緒に仕事をしたWEBディレクターさんのひとこと。
それは、ある企業の採用サイトに掲載する社員インタビューを終えた帰り道でした。

「佐藤さんのインタビュー、聞いていてすごく楽しかったです。あんなに楽しいインタビューは初めてでした」

本当に何気なく発せられたひとことでしたが、これがたまらなくうれしかった!
その日はライターとしてのインタビュー。聞いたお話を文章にするという大仕事が残っているわけで、通常、評価されるのは納品した文章のみです。

だけどその日は、現場の盛り上がり、私と取材相手との間に流れた空気をいいと思ってもらえた。しかも、それを直接伝えていただけたのがたまらなく嬉しかったのです。

これはきっと、ラジオの生放送でゲストを迎えて話を聞く経験や、婚礼MCとしてお客様に話を聞き場を盛り上げる経験があったからこそ。
最終的にアウトプットする文章の前にまず取材から聞いていておもしろいものに、なによりお話しする方が楽しめるような時間にしたい、そういう意識がどこかにずっとあった…というか、体に染みついていたのでしょう。

ともあれ、何気なく発せられたたった一言で、それまで点と点でしかなかった自分の経験が線で結ばれ、以来、「遠回りも悪くないじゃん」と素直に思えるようになったのでした。

我ながら単純。だけど、ずっと抱えていたもやもやから解放された、大きな出来事だったんです。

実は、遠回りキャリアによる良い作用はもうちょっとあります。
それは、わたしがラジオでインタビューするときの考え方にも通じる話。次の記事でご紹介しようと思います。

よかったらまたおつきあいくださいね。



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