かたひらさとり

公立学校教員 特別支援学校勤務

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最近の記事

先生記録 No.9 常勤講師一年目(7)遭遇

私が勤務することになった中学校は、まず地域としてヤンチャな層が多いところであったらしい。 そして、勤務し始めて勤務校がいわゆる指導困難校であることを知った。 今回はヤンチャ層との遭遇を振り返る。 入学式に続き始業式が過ぎ、まだヤンチャ層に直接出会っていなかった私はまだあまり「指導困難」と言われている状況について、認識できていなかった。 ただ、挨拶運動とやらで始業前に挨拶に立っていた際に、違和感を持っていた。 「おはよう」と挨拶をしても、返事を返す生徒はほとんどいない。

    • 先生記録 No.8 常勤講師一年目(6)働き方

      入学式から二週間が過ぎた。 まだまだ不慣れなところも多いが、少しずつ仕事の流れがわかりはじめ、勤務のパターン化が出来始めた。 講師一年目の基本的な生活サイクルとして出来上がったのは 5:30 起床 身支度 朝食 6:00 出発 8:00 勤務校着 8:10 マンツーマンでつく生徒が保護者と登校    一緒に教室へ行き、荷物の準備や    カードを使った時間割確認 8:30 勤務時間開始 8:50 一時間目 9:50 二時間目 10:50 三時間目 11:50 四時間目 1

      • 先生記録 No.7 常勤講師一年目(5)

        入学式向けの打ち合わせこと軍議から数日たった週末。 不安だらけではじまった入学式当日は予想に反してあっさりと終わった。 あとで聞いたところによると、式やホームルームの間には上級生と警備の先生との小競り合いがあったらしい。 しかしその日は新入生に大きな影響は出ずに済み、式はつつがなく終了した。 入学式後に各クラスで実施されたホームルーム。私はマンツーマンの生徒付きで学年主任が担任をするクラスに入り、初めてサポーター教員としての役割についた。 ケラケラ笑ってみたり、明確な意

        • 先生記録 No.6 常勤講師一年目(4)

          「当日の動線が、こうなります」 校内地図に、赤ペンで線が引かれる。 体育館から渡り廊下を通り、一番近い階段を4階まで登り、1〜5組の各教室へ。 そしてそのまま手書きで校門や裏門、グラウンドが地図に書き足される。 「当日は正門と裏門、よく侵入されるフェンスに固定で警備の先生がついていて、巡回も組んでいます。あと、当日は恐らく警察にも協力を依頼してると思います」 ……?ん? 「恐らく突破経路はこのあたりなんで、一年としてはこの渡り廊下をどれだけ早く移動できるかが勝負だと

          先生記録 No.5 常勤講師一年目(3)

          初の家庭訪問。 初めて受け持つ生徒。 なにより、サポーター教員の仕事も支援学級担任としてやるべきことも、教員がどのような働き方をするのかもわかっていない中で、教員らしい初の業務。 「保護者や生徒に不安を与えないように」 それだけは意識して、自転車のペダルを踏む。 先導するH先生が道に迷い、地図アプリを使う私が先導役を変わりつつ、生徒宅へ。 生活感のある一軒家が目的の家庭だった。 H先生がインターホンを押し、保護者や生徒と初めての対面。 「マンツーマン対応が必要な男の

          先生記録 No.5 常勤講師一年目(3)

          先生記録 No.4 常勤講師一年目(2)

          4月4日。 常勤講師として、正式に初出勤。 休みの間に「サポーター教員」について調べてみたがインターネットからでは情報が得られず、よくわからないまま勤務校へ。 その日は朝から教科会議。国語科教員の私は当然国語の会議へ。 校内の国語科の教員が集まり、さぁなにを話すのかと待っていると、昨年から勤務している先生が進行を開始。 要約すると話の内容は、 ・教科代表を誰にするか ・誰がどの学年を担当するか ・学年をまたいだ授業を、誰が行うか というものだった。 進行役の先生が立

          先生記録 No.4 常勤講師一年目(2)

          先生記録 No.3 常勤講師一年目(1)

          あっけなく「教員」への道が開けた3月末。 あっという間に4月が訪れて、社会人として初の仕事場へ。 採用自体は4月4日からとのことだったが、4月1日から新学期開始ということで「顔合わせに行っておこう」と教育委員会で言われ、1日に初出勤(?)。 いま思えば完全な無賃労働だが、その当時はそれにまったく気づかなかった。 こういうところから実は教員の労働問題の一端が見えていたと考えると、感慨深い。 緊張の初出勤。まずは校長室に常勤講師が集められ、無言の約30分。 事務員さんに呼ば

          先生記録 No.3 常勤講師一年目(1)

          先生記録 No.2 大学生→教員

          中高と国語の授業はあまり好きではなく、しかし読書は好きで、受験勉強から逃避していた高3の一年間は一日3冊、休日5冊とノルマを決めて読書に没頭していた。 本、物語は好きだけど、その読み方を強制される国語とはいったい何なのか。 そこに意識が向いた結果、理系大学受験クラスにいたにも関わらず国文学科を志望し、一浪の末に進学した。 結果として、嫌いだった「国語」の先にあった「作品読解、解釈」は私にとってとても有意義なものであり、大学院進学も視野に入れながら大学生活を満喫することにな

          先生記録 No.2 大学生→教員

          先生記録 No.1 はじめに

          とある自治体にて公立学校教員となり、8年。非正規時代も含めて10年が経ち、令和四年度に都道府県教育委員会の指導主事試験に合格。指導主事候補として名前が登載されることになりました。 なかなか見通しの持てない自分の今後への不安。 教員としての自分の原点の確認。 また他の教員のキャリアについて興味をお持ちの方になにか伝えたいという思い。 そして大学生の頃に捨てた「物書きになりたい」という夢への未練から、誰が見るともしれない、ともすれば誰の目にもとまることのない文章を残そうと思い

          先生記録 No.1 はじめに