短尺ドライバーを極める② 短尺ドライバーの理想スペック

短尺ドライバーの理想スペックとは

短尺ドライバーの理想スペックとは、自身のクラブセッティングのフローにドンピシャにハマるスペックである。

そのために、クラブの重さ、ヘッドの大きさ、シャフトの硬さなど、様々な観点でフローに当てはめてスペックを詰めていく必要がある。

例えば私の場合、ドライバーのヘッドスピードは42m/sで最大飛距離235ヤード(ミート率1.4)、アイアンには90g台の軽量スチールシャフトのNS Pro950のRを、ロフト10.5°のエースドライバーには45インチで50g台のカーボンシャフトのS(総重量304g)を使用している。

このエースドライバーと振り感の揃った短尺ドライバーを3W代わりに投入する場合、おおよそ下記のようなスペックが理想値となる。

  • 想定飛距離:220~225y

  • クラブ長さ:43.5インチ

  • ロフト角:12°(10.5°から1.5°ロフトアップ)

  • クラブ総重量:320g(ヘッド208g、シャフト62g、グリップ50g)

  • クラブバランス:C8~D2

  • 振動数:260cpm

  • トルク:3.5~5.5

  • キックポイント:先~中調子

  • ヘッド体積:445cc

①目標飛距離からスペックを逆算する

まず、短尺ドライバーで目標とする飛距離を決める。今回はドライバーの235ヤードと5Wの205ヤードの間の距離を埋めるため、220y前後を安定して狙えるクラブを目指す。

HS42m/sの場合の飛距離影響は下記の通り。
・クラブが1インチ短くなるとHSは0.93m/s落ち、飛距離は5.2ヤード落ちる
・ロフトを1°寝かせると飛距離は2.1ヤード落ちる。

今回、シャフトを1.5インチ短縮し、ロフトを1.5°寝かせると、飛距離は-11ヤードで224ヤード。短尺化によりミート率UPすることも考えると、飛距離は思ったほど減らなかった。更に短尺化したい場合は、3W用や5W用のシャフトを差し替えれば良いので、今回は43.5インチ12°でいく。

②重さとクラブバランス

長さが決まれば、重さは決まる。重量フロー表に当てはめた結果、1.5インチ短縮した場合は16g増の320gとなる。あとはその20gの内訳を、クラブバランスを元に決める。

標準ドライバーのクラブバランスは、D1~D3程度のものが多い。重量とクラブバランスを合わせることで振り感が一緒になるが、短尺化するとこのバランスは大きく下がる。そこで、ヘッド側を重くすることでバランスをD0付近まで戻す必要がある。

バランスの変化量は、だいたい下記の通りらしい。
・グリップ重量:+4gで-1ポイント
・ヘッド重量:+2gで+1ポイント
・シャフト重量:+10gで+1ポイント
・シャフト長さ:+0.25インチで+1ポイント

今回は、シャフト1.5インチ短縮で-6ポイント。
シャフトを50g台→60g台に上げることで+1ポイント。
残り6gはヘッドを重くすることで+3ポイント。

結果、理論値では差し引き2ポイントダウンとなる。
ただ、プロでも1ポイントの差は気づかないとのことなので、あとは組みあがって違和感があれば鉛調整する程度で良いだろう。

個人的に鉛をあんまり貼るのは気持ち悪いので、なるべくウェイト調整できるヘッドが望ましいが。

③トルクと振動数

トルクはボールの捕まりに、振動数とキックポイントは打ち出し角度とバックスピン量に影響する。これらも基本はドライバーと5Wの間の数値となるように選択する。

まずトルクについては、ドライバーの場合3.5~5.5の間が標準なようだが、それ以上の細かい基準は見当たらなかった。ドライバーのトルクが5.6、5Wのトルクが3.5のため、この間に収まれば良しとする。

適正振動数は、下記のサイトを参考にすると、455インチで250cpmの場合、43.5インチでは260cpmとなる。

下記サイトによると、シャフトカットによる振動数の変化量は、だいたい下記の通り。
・バットカット:0.25インチで+2cpm
・チップカット:最初の0.25インチは+6cpm、それ以降0.25インチで+3cpm
・ヘッド重量化:バランス+1ポイントで-1cpm

今回は、
・1.5インチバットカット(+12cpm)
・ヘッドバランス-2ポイント(+2cpm)
のため、+14cpm。

ということで、ドライバーより10cpm上げるには、ドライバーと同じか若干柔らかめのシャフトを選択すると良い、ということになる。
※また、上記計算から、ヘッドバランスを変えない場合には、ドライバーと同じ硬さのシャフトを選べばほぼ問題ないと推察できる。

なお、振動数が分からない場合でも、トルクは振動数とある程度比例するため、トルクのフローを合わせておけば概ね問題はない。

④キックポイント

これは基本ドライバーと合わせておけばよいだろう。
切り返しが早ければ先調子、遅ければ元調子が合うようだが、みんな自分の切り返しが早いかどうかどう判断しているのだろう。。

短尺ドライバーは球が上がりづらくなるようなので、ドライバーの弾道が低い人は球の上がりやすい先~先中調子あたりを選んでおくのが無難。

⑤ヘッド体積

最後にヘッド体積だが、これが意外に重要。

大抵のイマドキドライバーは460ccだが、このサイズのまま短尺化すると、ヘッドがかなり大きく見えて違和感を感じるはず。

また、ヘッド体積を小さくすると空気抵抗が減るため、ヘッドスピードのアップが期待できるのだとか。目に見えるほどの効果があるか怪しいが、、

シャフトを45→43.5インチにしているため、ヘッド体積も460cc→445ccくらいにしておくと、通常のドライバーヘッドと同程度に見えるはずである。

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