天然は天然のままでいられるか
ボケじゃない天然
「天然」ってコトバ、
おもしろいと思ってネットで調べてみたら
候補に「天然ボケ」しか出てこない。
いや、わかるけどその「モト」があるでしょ。
今や天然ってボケでしか使わないのか。
もちろんコトバはそのときの時代によって
変わったりするものだとは思うけど。
「天然」の意味が消えたわけじゃない。
あるがまま、とか、もともとあるもの
だってのはわかってるから
天然ボケという言葉の意味もわかるわけだ。
「天然由来成分」なんてのは普通に使うし。
総天然色
これが「天然」だけ切り離してみると
急に尖ったコトバに見えてくるから不思議だ。
「然」は「しかり」。
然はそのままでそのまんまという意味だから
天が与えたそのまんまということになる。
昔「総天然色」ってコトバがあった。
オールカラーってことですね。
カラーの作品にわざわざこの注釈がついてた。
映画やテレビでモノクロが当たり前の時代。
モノクロームなんて言葉知らないから
白黒って言ってたころね。
(ちなみに最初モノクロは物黒だと思ってた…)
つまり「カラー」という概念もよくわからない。
そんな時代に
全部に色が付いてることをどう伝えるか。
で、出てきたコトバが総天然色。
多分、みんなにわかるように
一生懸命考えたんだろうな「総天然色」。
そう考えるとなんかかわいい。
「なんたってさあ、色が着いてるんだぜ。
それも一色や二色じゃねえんだ。全部だ全部。
そりゃもう、見た目そのまんまの色だ。
こりゃすごい」
って具合に決まったのではないかと思う。
そのまんまが廃れている
じゃあなんで
天然ボケ以外の「天然」が廃れちゃったのか。
それは今の世の中に
そのまんまのもの、がほとんどないからだろう。
昔は「天然パーマ」なんてコトバもあったけど、
これも人工的なパーマがある前提だし
髪にウェーブかけることが特殊だったからこそ
成り立ってたんだな。
ちなみに「パーマネント」は永久不滅だから
髪型がずっと変わらん、ってことだな。
パーマって言葉は滅亡したっぽいが…。
で、結果残っているのは
「ボケ」だけだったりするわけで、
「あいつは天然だな」なんて
天然単独でボケを意味する言葉になってる。
なぜかこっちは不滅です。
しかし考えてみると
天然ボケという言葉があるってことは
「ボケはそもそも天然じゃなく演技だろ」
というのが前提になってるってことだ。
あるがままで手を加えていない方が
イレギュラーだと思われてるということだから
それはそれで何だかなあ…ではある。
歳取ってきていろいろボケたことやるけど
これこそ真の天然ボケだよな。
次回の言葉は「貧乏ゆすり」です。
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