螺旋の魔力にぐるぐるする
なぜぐるぐるするのか。
らせん階段が苦手である。
くるくるまわって方向がわかんなくなる。
三半規管が弱いのかもしれん。
目が回らないための方法は
自分が向いている方向を変えずに登ること。
するとどうなるか。
歩いてるうちに、カラダが勝手に回ってしまう。
(らせんと反対の方向に)
「どうしてくるくる回ってるんですか?」
と聞かれるので、
「あ、また昔の宝塚のクセがでてしまった」
と、答えることにしている。
らせん階段はかっこいい。
普通の階段と比べてみるとよくわかる。
らせんに比べて普通の階段の何と堅苦しいこと。
まっすぐ進もうとしても必ず壁に当たる。
そして直角に曲がるしかない。
不自由この上無い。
らせん階段は自由だ。
風も吹き抜ける。光も差し込む。
まっすぐ進もうとしてるだけで目的地に着く。
しかし目が回る。
憧れと現実は遠いものだ。
あと、大きい荷物を運ぶのは難しい。
ぐるぐるに意味はあるのか
回転とびらというのもある。
何の意味があるのか未だにわからない。
自動ドアの電気代節約か?
冷気が外に逃げるのをおさえる?
電気代節約か?
あれは外国の古いビルにしか似合わない。
新しめのカッコつけたビルによくある
自動回転ドアはさらに意味不明。
ドアの回る速度に
足並みをそろえなくてはならない。
これが超むずかしい。
どうしてこんなに苦労して
ビルに入らなければならないのか?
足下を気にしていたら、
1回転してまた外に出た。
出入りのむずかしさは、
なわとびの「おじょうさん。おはいんなさい」
をホーフツとさせる。
(どんくさいだけかもしれん)
エスカレーターの前で
なかなか1歩が踏み出せずに
何度も足踏みをしているおばあちゃんを
見たことがあるけど、
回転とびらの難しさはそれの比ではない。
おばあちゃんもハラ立ててるんだろうな。
ぐるぐるの魔法にたぶらかされる
もちろんスマートに入ってスマートに出れば
これは素晴らしくスマートである。
ただ人間というのはそんなスマートではない。
自動だと逆にサッと入ってサッと出る
みたいなことができない。
回転速度は安全のため遅めに設定されている。
せっかちなお父さんはそれに耐えられない。
シニアの集まりがあった。
お年寄りたちが同じ時刻に入り口にやってくる。
入り口のとびらはゆっくり回っている。
先頭がスッと入る。
次のお父さんは次のボックスが回ってくるのを
待つ必要がある。いっぱいは入れない。
だけどお父さんは我慢できない。
いや、我慢しようと思ったのだが、
もっと我慢できない
後ろのお父さんが押してくる。
しょうがないから無理やり入る。
そこに後ろのお父さんがまた無理やり入る。
もう無茶苦茶である。
回転とびらは自動で止まる。危険だから。
お父さんは出られなくなる。
そして叫ぶ。どうなっとんじゃー
ぐるぐるするのにはそれなりの技術と
気持ちの余裕が必要なんである。