本格的って本格じゃないのか
そば屋の国際化
前に行った日本そば屋さんの話。
昼時。2階の座敷に通される。
こっちの人数は5人。お店の中はざわざわ…
こう暑くては、さすがに
あっさりしたものしか食べる気がしない。
かといって盛りそば一枚では足りない感じ。
いっしょにいったヒトが
「盛り」の「うどんとそば」と言う。
あ、それ乗った。こっちもね。と言う。
お店のヒト。「はい?」と、聞き返してくる。
あれ、わかりにくかったか。
「盛りのうどんとそば」×2ね。と言い直す。
「ハイ。カケソバフタツネ」
ちがう。ちがう。ちがう。か・け・る・2!
かけそばじゃなくってー
結局、わかってもらうまでに
かなり体力を消耗してしまった。
多分アジアのヒトであろう。
日本そば屋さんだから日本人しかいない。
と安易に思ってしまっていた。
中華だったら
最初から疑っていたかもしれない。
飲食店の国際化は止まる所を知らない。
いやいや、中華料理屋でも安心は出来ない。
「タンメンひとつで、ONEタンメン」
と冗談で言ったら、
案の定「ワンタンメン」が出てきた。
というのも実話である。
エスニック料理店の庶民化
昨日の夜行った中華料理店。
お店の人はみんな中国人。
昔は中国の人がやってる中華とか、
インドの人がやってるカレー屋さんとか、
お、この店は本格的だね、って感じあったけど
最近は逆に、
この店は家族経営だね、って感じになった。
チェーン店というわけでもないのに
なんか似た感じの店構えで、
なんか似た感じの品揃え。逆に一般的。
たぶん横のつながりで広がっていくんだろう。
味もだいたいみんな同じ感じ。
そもそも日本って、その国の料理を
日本的にアレンジして定着させるので、
元の尖った味を残してく方が難しいのかも。
本格中華、とか逆にウケない気がする。
そもそも本格って
「本格」って本来の格式ってことだから、
いかにオリジナルを守ってるかだよね。
しかしこうなると本格だから偉いってのも
成り立ってないのかもしれん。
あと「格」ってのが「格が違う」みたいに
レベルを表してるので、
「本格」って言葉は「本物レベル」って
意味にもなる。
あれ、ということは「本物じゃない」
ってことにならないか。
本物じゃないけど本物と同じ「格」ってこと。
そもそも本物ならわざわざ格なんて
言わなくてもいいんじゃないのか。
そうなると「本格的」ってさらに遠い。
本…本物
格…レベル
的…のような
「本物と同じレベルみたいな感じ」
ってことじゃないか。
家族経営の中華やカレー屋って
まさにこんな感じ。
ちなみに日本語の「〇〇的」と
英語の「〇〇ティック」が似てるのは
偶然なんでしょうか。知らんけど
次回の言葉は「間違い」です。
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