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白は色なのか色じゃないのか

この冬は大雪みたいですね。
まだまだ東京にそんな気配はないけど。

雪のいいところは
全てを覆い尽くすところ。
景色という色が全て白で覆われる。

日常にそういうことってなかなかない。
あるとすると闇夜の黒くらいか。

白の特別感

白という色はちょっと別格。
他の色とはなんか役が違う感じがする。

子供のころクレヨンに
何で白があるのか、と思っていた。
紙が白いんだから使うところがない。
他の色の上から塗っても白くはならないし。

学生時代はよくデッサンした。
あれは逆に白で描くものだった。
明るい部分を食パンとか練り消しで描く感じ。
白で描くというのが新鮮だった。

白に対する感覚は他の色とは少し違う。

言葉の中にも白はよく使われるが、
たとえば「面白い」。
これ何で「白」なんだろう。
バカ殿の顔が白いのは確かに面白いが
そういうことじゃないよな。

明るいという意味の白

これは表情の話らしい。
顔が白くなる、表情が明るくなることみたい。
まあ表情が輝く、みたいなこと。
(あくまでも説ね)

これってそもそも色なのか。

光の三原色ってのがあって、
いろんな色の光を混ぜると最後は白になる。
PCでデザインやってる人はわかるけど
透過光だと色を混ぜると白になるんだよね。

いろんな色のスポットライト当てると
重なったとこはどんどん明るくなって
最後は透明になる。

・・透明って白じゃないじゃん。
ゼロ、何もなくなる感じだ。

何もないという意味の白

人はもともと白が
「何もない」だと思ってたフシもある。

「因幡の白兎」という話。
あれ、みんな白いうさぎだと思ってるけど、
話の場所だと冬でも毛は茶色いとか、
そもそも白いうさぎ(日本白色種)って
江戸時代以降のものだという話もあって、
白くなかったんじゃないかという説がある。
(あくまでも説ね)

じゃあ何でかと言うと、
毛をムシられて素っ裸ってことらしい。
「素兎」。素人の「素」。

白って「素」の色、つまり色がない色。
すっぴんですね。何も足されていない状態。

色の三原色というのがあって、
絵の具は色々混ぜると最終的には黒になる。
つまり白ってのは、何もしない状態。

全てがあって何もない

いろいろ考えると
そもそも「白」という色はないってことになる。
一つの色というよりは「状態」みたいなもの。
それは全てがある状態でもあり、
全てがない状態でもある。なんか哲学。

「白い色は恋人の色」なんて歌がある。
「白い恋人たち」ってのもある。
これらもまあ、白の持つ無垢な感じなんだろう。

雪を見て神聖な気分になるのは、
何もない気分になるからかもしれんな。

次回の言葉は「年忘れ」です。

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