見出し画像

バツは悪いに決まっている

「ばつが悪い」というコトがある。
今、コレを書き始めてハタと手が止まった。
「バツ」って何だ?

Xが悪いのは当たり前だ。
罰が悪いのも当たり前。
だけどどっちも違う。
そのバツじゃ意味がわからない。

感覚としては
タイミングが悪くていたたまれない思いをする
みたいなことだと思っている。
「場違い」の『場』ね。

「つ」は何だ・・

エレベーターの「ばつ」

サラリーマン時代、エレベーターが嫌いだった。
会社のエレベーターはやたらと混む。
おまけにやたらと知り合いに会うので、
「あ、ど~も」とか言わなくてはならず、
とにかくめんどくさい。

その日もそういうかんじで
混んだエレベーター、
ちょっと離れたところに
「かすかな知り合い」レベルの男。
なぜか妙にニコニコしてこちらに微笑んでいる。

ここで気がつけばよかったのだが、
なにせ閉鎖的な空間。
無視するわけにもいかないと、
「あ、ど~も」と言う。
すると後ろの方から
「いやあ、昨日はお疲れさまでした」の声。

ボクに向けられたと思ったほほえみは、
実はボクの後ろの男へのものだったのである。
ぐはー・・・しかし、逃げ道はない。
これをバツが悪いと言わずして
なんと言えばいいのだろう。

「ばつ」のない人々

劇場。
すでに席に着いていると、
おばさんの3人組が入ってくる。
案の定、自分の席がわからない。
シートのナンバーを一個一個見て、
わかりづらいと文句を言っている。

ぎゃあぎゃあと騒ぐ。
係りのヒトに文句を言う。
入り口に座席表があるのだから、
それを見てくればいいのにそれをしない。
とにかく入ってしまうのである。

「手を抜いている」のだと思う。
歳をとって人間の機能が低下している
わけでは決してない。
「ラク」と「恥」を秤に掛けて
「ラク」をとっているのだ。
そしてそれは
「ラクじゃない」事態を引き起こす。

一番すごいと思ったのは、
映画館の中でフラッシュをたいて
写真を撮っていたおじさん。

こうなると、問題は
「知らない」ということにある。
映画は暗いから映っている。
ということを考えないのだろうか。

それ以前に
「暗い映画館でフラッシュは迷惑」と
考えないのがすごい。

「ばつ」は悪い方がいい

ばつが悪いと思うのは、
自分に恥ずかしいという気があるからで、
恥ずかしくなければそう思うこともない。

ばつが悪いことばかりの自分に
誇りを持とうと思う。

調べてみたら、ばつが悪いのバツの
「つ」は「都合」みたいだった。
「場」の都合が悪い。
なるほど、これなら意味がわかる。

ところが確定した由来ではなくて諸説ある。
「跋が悪い」
「跋(ばつ)」は書物などの末尾の文章のこと。
結末が良くないってことだと思うが、
あんまりしっくりこないな。

とにかくはっきりしてないんだな。
確定してないから漢字にしてないってことか。
なんかしっくりこないな。

しっくりって何だ?

次回の言葉は「本屋」です。

いいなと思ったら応援しよう!