見出し画像

しんぶんしを下から読んだ話

電車内で新聞を読む技

電車に乗ってるとまあ当然のように
ほとんどの人がスマホ見てますね。
その良し悪しはどうでもいいです。
人に迷惑かけるものじゃなければね。

昔は本を読んでる人が多かった。
本はそんなに場所取らないからいいけれど、
これが新聞だと大変でしたね。

車内が混んでると大きな新聞は迷惑です。
お父さんは周りを気遣って
思いっきり小さく畳んで読んでいました。
で、これをいかに小さな動きで
次のページに移行するか。
たぶん折り方を研究したんでしょう。
上手な人がいましたね。
ほとんど広げずにめくるだけで次のページへ。
すごいテクニック。

昔、こんなことがありました。

舞い降りた幸運

ある男性が、立ってスポーツ新聞を読んでいた。
すると、スルッとその新聞の中の一枚が
抜けて落ちたのです。

その一枚はヒラッと舞って、
座っている別の男性の足下に落ちました。
そのページは、そう。
エッチなページだったのです。

落とした方の男性は全く気づかず、
そのまんま立っていました。
そこから座っている方の男性の
ココロの葛藤が始まったのです。

「オレは・・・み・・たいわけじゃ
 ・・ないんだけど・・まあ、せっかく・・
 こっちに来てくれたわけだし・・これも・・
 なにかの・・縁ってやつで・・・」

というような(想像ですが)ココロの動きが
激しいほどにこちらに伝わってきました。
(ボクは向かい側の席に座っていました)

顔は、動かしません。
コレ、基本です。
目玉で獲物を追います。じわー・・・

しかし、
ヒトに気づかれては恥ずかしいですから
(実はとっくに気づかれているのですが)
きゅっ!っとすぐに視線はもどします。

しかし、これでは、いかんせん
「すこーしづつ」しか読めません。

しょうがないので彼は、
その動きを何度も何度も繰り返します。
努力です。
しかし、足下の新聞の文字がはたして
読めていたのでしょうか。
それとも写真を見ていただけなのか?
そもそも上下逆さまだったし。

そんな苦労をするなら、
拾って読めばいいじゃないか。と、
イライラしてしまいました。
あとで考えたら、
へんな男をずっと見ているわたしの方が
もっとバカですよねえ。

しかし、その新聞が、もし、
わたしの方に舞い降りていたら・・・
と、思うと・・・
うーん。おんなじ事をしていたかも・・・

次回の言葉は「本格」です。

いいなと思ったら応援しよう!