酒豪って昔は褒め言葉だった
なんか弱くなった
お酒は割と強い方だったのだが、
年取ってそうでもなくなってきた。
いや、飲む量は変わんないんだが、
酔っ払う速度が早くなってる。
恐ろしいことに自覚はあまりなくて
最近まわりに指摘されたりしだした。
あ、いまゾーンに入った(酔った)ってのが
ハタから見ててわかるらしい。
確かに翌日思い出せる記憶の量が
確実に減ってる。恐ろしいことだ。
記憶の減少は単に歳のせいかもしれんが…。
酒の強さはほぼほぼ遺伝的なものだが、
体の違いによっても差異がある。
昔ダイエットで急激に痩せたとき、
突然酒に弱くなって驚いたことがあった。
(また太ったら元に戻った…)
そこで思い出すのが
「相撲取りは酒に強い」という理論だ。
やっぱりカラダがでかければ、
対比として飲んだ酒の量は
少なくカウントされるということか。
あとヒトに聞いた話だが、脂肪が増えると
そこに血液を行き渡らせるために、
ものすごい長さの毛細血管がのびるそうである。
血管が多いとそれだけ酒も回んない
…という気もする。
ホントかどうかわかんないけど。
酒ヤクザ、酒ザコ、酒カス
昔は今と違って「お酒が強いと偉い」
みたいな風潮があった。
「酒豪」なんてお酒強い豪傑、みたいだ。
まあ若干馬鹿にしてる気もするが。
今は逆に「お酒が強い人は迷惑しかかけない」
みたいな雰囲気の方が強いよね。
最近は「酒ヤクザ」とか言われたりする。
…ひどい言われようだが。
酒がらみでは昔から変な表現は多い。
あんまり直で言いたくないジャンルなのかも。
上戸、下戸、なんてのは一般的だが、
酒呑みを「左利き」なんて言ったりする。
これは左手が「鑿(ノミ)を持つ手」だから
「飲み手」ってことですね。
ちょっと洒落た言い回しではある。
最近の言い方は洒落てんのか微妙だが、
飲めない人は「酒雑魚」って言うのね。
もちろん飲めないヤツはザコ、ってのもあるが
すぐ酔って小魚みたいに跳ね回る。
ってのもあるらしい。これはなかなか上手い。
下戸はぜんぜん飲めない人だが、
酒雑魚は中途半端に飲めてすぐ酔う人。
ちょっと違うんだよね。
個人的に好きなのは「酒カス」。
おじさんは酒粕のことかと思っちゃうが、
酒で身を滅ぼすカスのことですね。
これが一般化してるってことは、
今いかに酒カスが多いか、ってことだな。
飲酒に対する印象(洒落じゃないです)は
かなり変わってきてる感じがする。
酒に強いのは偉くなくなったけど、
酒はそれでも強制力があって怖い存在で、
だから陰で揶揄する言葉が増えたり、
酒に弱いことを人に伝える必要が増えてる。
酒ザコなんてのはちょっと自分を下げながら
自分が酒に弱いことを伝えるための言葉だね。
「昨日飲みすぎて酒雑魚を発動してしまった
だから今日は遠慮しときます。」みたいに。
こういう話でもしながら飲みたいな〜
とか思ってしまう自分は、
酒カスにまた一歩近づいてるのかもしれん。