国の財政政策について思うこと。
スタンスは2項のクロスで説明できると思っていて。
1つは国債金利と経済性成長率のスプレッド維持したままどっちを変数に取るかってこと。
もうひとつはレバレッジどこまで効かせるのってこと。
国債は結局借金なんで、借金である以上金利がつくわけなんだけど、実は借金すること自体が必ずしも悪いことではない。
実際大多数の企業が借り入れして設備投資なりしてるわけで。
たとえばある会社が(成長率が不変だとして)銀行から2%で金借りて、1年通して5%で運用できるなら手元の資金が多いほど実際に得られる利益の額は大きくなる。毎年3%利ざやが稼げるとして、元手1億と10億では年間の利益が300万か3000万って話になるので。
この種のファイナンスって実は土地神話があった時代は家計でも平気でやっていて、500万の頭金で5500万の家買えばレバ11倍の投機として成立してたわけだ。それを今国の方でやってるよって話。
5500万の家買うために金利3%で5000万の借金してたら毎年150万は金利で取られる(単利としておきます)。
しかし毎年300万返してれば借金は減っていく。借り入れ5000万で金利3%の150万金利ついて、返済300万の6%を返済するとしたら頭金500万で5500万の家を買うという価値は得られてるわけだ。
この話ってそのまま国債金利と経済成長率の話に置き換えることが出来て、国債金利が仮に3%だとして、経済成長率が6%あれば少なくともファイナンス上は健全と言える。
ただ、実際には円の価値と国債の価値は等価ではないし、経済成長率が金利より高ければって話をしたけれど、本当のところ税収の伸び率で判断すべき指標ではある。そもそも中央銀行の日銀そのものが明治からあるもので今の日本国政府の下部組織では本来ないので。この辺意識的になのか無意識的になのか或いは単に無知なのか、政治経済界隈ではごっちゃにしたがるんだけど。
その意味で黒田日銀総裁が言うところの国債の半分を日銀が持ってることについて「負の遺産だとは微塵も思ってない」っていう面食らうような発言は「そりゃあ国の財政と日本円の信用をごっちゃにした上で盲目的に物価の伸び率がイコール経済成長率と短絡すりゃそういう解釈になるよな」っていう話。
付随して面白い話を思い出したのでひとつ。
確かピーター・ドラッカーとかあの辺の界隈の話だったと思うんですけど、10年ぐらい前かな。当時のアメリカの年金ファンドなりが米国株買い漁ってるってところで出てた話で。
日銀がETF買ってるってことは上場企業にとっては安定株主の確保ってことである種外資のバーゲンハンターの締め出しにも一役買ってると思うし、東芝絡みで何がしかのロビイ活動的なものが動いてたのも表に出てた事実だと思うんですけど。
これの行き着く先って、要は中央銀行による民間企業への出資ってことで、その原資ってのが国債で賄われてる以上は(年金資金の運用とのインサイダー絡みの話も脇に置くとして)、国家による民間企業への出資って事になるわけで、それの程度問題でもあると思うけど、一定以上、具体的には50%を仮に日銀が買ったとしたら、それって上場企業の実質的な国有化を意味するわけで、それって生産手段の共有化を目指した共産主義と何が違うの?っていう。