頓珍肉を再現する その1特許調査
頓珍肉(とんちんろう)とは
私の地元(長野県佐久市)の中込駅前に
「頓珍館」というラーメン(とトンカツ)の店があります(ありました)
「とんちんめん」(チャーシュー麺)が看板メニューで長く繁盛していました(トンカツもおいしいらしいんですが、行くととんちんめんが食べたくなってついぞ注文できたことはなかった)
が、今年の6月におかみさん(2代目の奥さん)が亡くなり、臨時閉店
そのまま現在まで営業再開しておらず、このまま閉店か?
と噂されています。
私は2001年に地元を出てから1回か2回行っただけでして(帰省のタイミング≒店が混むタイミングだし実家への来客対応や親戚の集まりなどで、そもそも外食の機会が少ない)、今年の夏こそ食いに行こうと決意していたんですが…
いつまでもあるとおもうな個人商店
で、その「とんちんめん」ですが、ぶっちゃけラーメン本体はクラシックな普通のヤツで
昭和22年開店の初代開発(後述の記事参照 : 砂糖の統制解除の頃なので、恐らく昭和25年前後)当初からスープを変えていないっぽい)でして、きょうび逆に珍しい気もしますが、どうしても食いたいとは思わないんですが
頓珍肉=チャーシューはどうしても食いたい。どうしてもだ…
どんな感じだったかと言うと、豚バラで赤身はシットリとほぐれ、脂身からは程よく脂が抜け、トロっとして、濃すぎない味がラーメンと調和して…
特許取得
というわけで頓珍肉をどうしても食いたいんですが、このチャーシュー、2代目が開発して製法の特許を取っていたようで、店内にその旨貼りだしてあったんですよ。
つまり、特許が補足できれば再現できる、できるぞ!!
ということで2代目のお名前を調べると割とすぐ見つかりまして
井出国建さんだそうで、特許は1982年に取得されたっぽい
ニッポン全国 注目スポット
初代のスープに2代目の「特製豚肉」…70年の歴史詰まったラーメン 3代目が親子で守る味【長野発】
長野放送 2021年11月28日 日曜 午後0:00
3年前のテレビの特集をベースにした記事のようです。
ということで特許庁のHPで検索をかけると即ヒット
特開昭57-159466
コイツです
凄くシンプル(2頁、というか1頁ちょっとしかない)なんですが、これで特許取れるのか…
(私が仕事で出した時はリエゾンに「弁理士さんが困るから!」と言われ数学的原理(公理レベル)から詳細な解説を数ページに渡って書かされたことがあるんだが…)
一回拒絶理由通知が来てるようですが、意見書(反論)で登録されたっぽいですね。(あんまりこの辺のメカニズムをわかっていない)
15年で年金未納で切れているので、私が再現して販売しても特許法的な問題はないようです(どのみち出願から20年=2001年で切れているんですが)
商標の方は確認していないので、そちらはどうなのか不明ですし、登録されていなかったor切れていたとしても同名で売るなら仁義は切った方がいいとは思いますが。
そもそも、保健所に認可される製造環境持っていないし、販売する気はないんだけど…(当方ただのサラリーマンです
実施の様態
さて、では製法の中身を見てみましょう
要約
まずはセオリー通りサマリー(要約)と請求範囲から…
要約はないけど、実質コレが要約ですね。
まとめると
ということになりますね、特許として成立させているのはそれぞれの工程の時間っぽいですね。
気になるところは
・計1時間圧力加熱というのは結構強力で肉の正体なくなりそう
・醤油ダイレクト圧力加熱は風味悪くならない?
あたり、あとは調味液の配合をできれば知りたい
詳細
要点はほぼ書いてある気はしますが、再現するにあたってはもう少しこう、情報が欲しいので詳細も見ましょう
請求範囲と大差ないことが書いてある気がしますが…
ということのようです、ネギもショウガもそんなにガツンと効いてはいなかったはず、というか塩味も甘味も極端に濃い味付けではなかったように思う。
件の記事によるとあと
速やかに冷凍するのが必須っぽいですがこれは店での運用と一体化した話のような気がしますね。(特許には「冷凍しても味の劣化はない」とあり食味の改善のために冷凍が必須とは考えにくい)
さて
ということで、実践までやりたかったんですが、豚バラが高かったのでまた来月…