盛岡市役所の新庁舎エリアは、(現状では)盛岡駅西がベスト
盛岡市役所の整備エリアの議論が進んでいます。進んでいます、というより、盛岡市新市庁舎整備審議会から、そろそろ結論が示されているはずだったのですが、市民の意見を改めて聴取することとなり、結論が持ち越しとなりました。市民の意見を改めて聴取することになった根本的な原因は、このような一大事業であるのに、整備エリアをめぐるコンセンサスが市民の間に浸透していないからです。コンセンサスが浸透していないのは、それぞれの整備エリアが一長一短で、決め手を欠いているからです。そしてこの「決め手」の考え方は、その考える人の住んでいる地域や価値観、背景などによっても様々なので、もやもやしているのが現状です。
市民アンケートは内丸
そのような現状もあったため、私は、令和5年7月、街頭アンケートで多くの市民のお話を伺った結果、「内丸」が最も適しているという結果となりました。
家から近いので行きやすい(内丸)
バスの便が良い(盛岡駅西)
自宅があるから(盛南)
今ある場所だから(内丸)
交通の便が良い。内丸も良いができるのか?(盛岡駅西)
内丸でないと街が寂しくなる(内丸)
内丸は狭くて車の運転が緊張する(盛岡駅西)
できるなら内丸、できないなら盛岡駅西。盛南は絶対反対(内丸)
車で行きやすいので(盛南)
(盛南に住んでいるが)もう混んでいるので来ないでほしい
という声があったかと思います。
市議会のアンケートも内丸
一方の市議会では、議員の7割が内丸を最適地と考えていることがわかっています。ちなみに、私はこの時、盛岡駅西を最適地としています。
それぞれの主張は記事のとおりですが、
中心市街地の機能として必要(内丸)
内丸の実現可能性に疑問(盛岡駅西)←私です。
都南との合併の約束を守るべき(盛南)
といった感じでしょうか。審議会で示された資料では、3つのエリアの長短について↓のとおりまとめられています。
新市庁舎整備エリア比較表https://www.city.morioka.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/041/793/area-hikaku.pdf
内丸は用地確保が難しい
私としては、街頭アンケートでも内丸が最多であること、中心市街地の機能としての必要性を考えると内丸もいいと思うのですが、用地確保の見通しが立っていないこと、その状況で現庁舎の有効な使用期限が10年後に迫っている(10年前に耐震改修をしてその有効期間が20年らしいです)ことを考えると、街頭アンケートで内丸の次に人気となり、また市有地がある盛岡駅西が現実的と考えます。
新市庁舎で必要とされる敷地面積は12,000m2とされていて、それを内丸の地図に重ね合わせると↓のようになります。
この12,000m2という面積は、現在の県庁舎の敷地面積11,993m2とほぼ同じです。
この12,000m2が入る大きさの街区は、内丸だと県庁か、岩手医大しかありません。そして、県庁舎は改修の上移転しない方向。岩手医大も同様と思われます。
庁舎のエリア決定から基本設計→実施設計→建築工事などで、5〜10年かかります。現庁舎の使用期限が10年後、そう考えると、今すぐにでも用地を確保する必要があり、それが不透明な内丸は選択肢としてかなり厳しいですね。。。
盛岡駅西の洪水対策
盛岡駅西は、浸水想定エリアであるので、庁舎の設計においては、釜石のイオンや江戸川区の新庁舎のように、1・2階を駐車場にする等の設計が必要と思われます。
また、内丸エリアについては、市役所が盛岡駅西に移転した際は、跡地の活用可能性が生まれます。例えば、現在、盛岡駅西にあるマリオスは、10年後は築36年を迎えるので、その移転候補地としてまとまった空地のできる(かもしれない)内丸を活用することもあり得ます。現状、内丸は小規模なビルが林立している状況であり、そのことが市役所建て替えの支障となっているわけですから、まずは街区に大きな空地を作ることが、街の再開発、ひいては中心市街地の活性化に有効なのではないでしょうか。
盛岡駅西と内丸を比較したときに、盛岡駅西は交通の便が良いことからマンション等の立地も進んでおり、市庁舎を建設する際のPFIにも有利であると考えられ、建築コストの削減も期待できます。盛岡駅西の用地は、現在平場の駐車場となっており、一等地であるにもかかわらず低利用状態となっているため、この解消にも役立ちます。
とはいえ、来年のうちに、内丸で具体的な用地確保の見通しが立つのであれば、内丸の選択肢はあり得ます。以上が、私の考えです。
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