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闘アレ生活(19) 〜家に閉じこもっていると「典型的な日本食」が食べたくって仕方がなくなる(泣)

57歳のある日、いままでアレルギーなどひとつもなかったボクが、突然アニサキス・アレルギーになった。そして、ほとんどすべての魚介類が食べられなくなった。いまは魚系のダシやエキスまで避けている。
そういう生活とはいったいどういう感じなのか、ちょっとだけリアルに知ってもらうために、ちょぼちょぼ書いてくシリーズです。
暗くなる話も多いけど、リアルに知ってもらうのが目的なので、申し訳ありませんがご理解ください。
「闘アレ生活」の過去ログや他記事はこちら


東京でもそろそろ新型コロナウィルスによる「緊急事態宣言」が解除されそうなので、この閉じ籠もりの3ヶ月における「アニサキス・アレルギー(魚介アレルギー)の人の感じ方」を短く書き残しておこうかと思う。


3月は逆に楽だった。
4月も全然大丈夫だった。

実際、4月中旬の時点で、noteにこんなことも書いている。

少し引用すると、こんなこと。

それなりにストレス溜まるけど、でも、食事的には、外食がない分、精神的に落ち込むことは少ない

家にいると、美味しそすぎる魚料理とかに思いかけず出会ってしまう可能性がゼロだからだ。

たまに台所から焼き鮭を焼いている匂いとかが漂ってくるけど、そのくらい息を止めておけばやり過ごせるし、鮭とか食べるのは家族にとって必要だ。

そのくらいは我慢ができる。
というか、最初からわかっていることなので、心の準備ができる。

だから、普通にやりすごせる


でも、5月頭くらいから急にダメになった。

あ〜またウツ来たか・・・という絶望感に襲われた。
(もう精神的にウツ抜けしてたので、この「またか」感にはかなり絶望的になった)


なんだろう、急に魚にフォーカス来た感じ。

外出できない三ヶ月で、どんどん「三度の食事」の楽しみがクローズアップされていったのだろう。

なんかどんどん逃げ場がなくなり、どんどん追い詰められていった。


家族は、魚なしのメニューを工夫してくれる(魚なし食事につきあってくれて本当に申し訳ない)。

ボクもスパイスカレーを作り続けてなんとかいろいろ回避しようと努力している。

でも、ずっと家メシだと、頭がどんどん固定化されてくる。

いわゆる「昭和の日本人の普段食」が恋しくて仕方がなくなってくる。

57歳でアレルギーになるまで57年間食べて続けてきた「昭和生まれの日本人の典型的な普段食」が食べたくって仕方がない!

それはもう、狂おしいくらいに。


「目刺しの焼き物」
「アジやイワシやサバやサケの焼き魚」
「サバの味噌煮」
「カレイの煮付け」
「金目鯛の煮付け」
「ブリの照り焼き」
「アジフライ」
「アジの干物」
「ホッケの干物」
「アジの南蛮漬け」
「いわしの炊いたん」
「マグロの刺身」
「ハマチの刺身」
「しらす」
「きゅうりとしらすの酢の物」
「たたみいわし」
「たらこ」
「明太子」
  ・
  ・
  ・

贅沢は言わない。
タイとかノドグロとかシンコとか穴子とか鰻とかが食べられなくていい。
鮨は死ぬほど食べたいけど(ホント悶絶)、でもそれもいい。贅沢は言わない。

普段食が食べたい。
本当に食べたい。
白飯にちょっと焼きすぎたくらいの目刺し。きゅうりとしらすの酢の物。漬物。そして・・・そしてだしの利いた味噌汁・・・。

それだけでいい。

あぁ・・・だし!

「だしの利いた味噌汁」
「だしの利いた鍋物」
「だしの利いたそば」
「だしの利いたそばつゆ」
「だしの利いたうどん」


全部NG。

・・・いや、ほんと、想像を超えまっせ奥さん。
   きつすぎまっせ旦那さん。



昭和生まれには無理。
昭和な日本人の典型な食事が食べたすぎる。
ホント無理。
我慢強いほうだけど、さすがに気が狂いそうだ。

外食で焼き鳥やイタリアンやフレンチ食べて気分転換できてたころのほうがずっとマシだったなぁ・・・。


そんな感じの苦しみがまた始まってしまったころ、ボクが1996年に『うまひゃひゃさぬきうどん』という本を書いたころからなんとなくメールとかをやりとりしている蓮見壽さんが、フェイスブックにこんな記事を上げてくれていた(友人限定投稿みたいだけど許してね)。

彼はうどんを好きになりすぎて、さいたまの土呂駅近くに「手打饂飩 寿庵」というお店を開いてる。

手打饂飩 寿庵
埼玉県さいたま市北区本郷町167-1

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あんな本でも、少しでも役に立ったならうれしいな。

もう「食べ旅」とかも行けないけど(日本の地方は魚が美味しそすぎる)、でも、あのころの活動も無駄ではなかったんだな。。。

そして、ふと思いついて、彼がこのコロナ禍の元で始めたというネットショップで、うどんを買ってみた。

せめておいしい「麺」が食べたい。
だし醤油は無理だけど、愛用のミツル醤油をかけて、ズズズと喉ごしを楽しみたい、と思ったからだ。


頼んだ時は、つゆとのセット(4000円)のものしか売ってなかったので(いまはもっといろいろ売っている)、それを頼んだ。

だしを使ったつゆとか、だし醤油とかはまぁ家族にあげて、ボクはミツル醤油だけかけて食べよう、と。


でも、たぶん蓮見さん、ボクが頼んだと気がついてくれたみたいで、なんと昆布だしのをわざわざ作って送ってくださった。

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あぁ・・・ありがたい。
精神的にやられているので涙でた。

そしてうどんも実に美味だった。感無量。

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なんか助かった。
ホントありがたい。
ありがとうございました。


そして他にも、T'sのヴィーガンカップ麺を送ってくださる方がいたり、新鮮な山菜を送ってくださる方がいたり。

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ありがとうございます(泣)。

とりあえず、外食できるようになるまであと少し。
がんばります。

いまは「家メシがつらい」くせに「外食とかも含めて美味しいもののことを考えるのもつらい」という面倒臭い精神状態。

でも、緊急事態宣言が終わったら、とりあえず外食して気分転換してみたいと思う。


なんか、まとまりのないnoteですいません。

外出自粛が三ヶ月続くと、昭和世代で魚介類アレルギーの人は死ぬほど辛い。


そのことを備忘録的に書いておくためだけのnoteでした。

コロナ禍でもっと辛い人がたくさんいるのにすいません。




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さとなお(佐藤尚之)
古めの喫茶店(ただし禁煙)で文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、ゆっくりと文章を練りたいと思います。ありがとうございます。