聖書や神話を知らんと理解できんアートが多いのでエピソード別にまとめてみる(旧約聖書篇27) 〜「アブラハム・イサク・ヤコブの復習、ヨセフの予習」
「1000日チャレンジ」でアートを学んでいるのだけど、西洋美術って、旧約聖書や新約聖書、ギリシャ神話などをちゃんと知らないと、よく理解できないアート、多すぎません? オマージュなんかも含めて。
それじゃつまらないので、アートをもっと楽しむためにも聖書や神話を最低限かつ表層的でいいから知っときたい、という思いが強くなり、代表的なエピソードとそれについてのアートを整理していこうかと。
聖書や神話を網羅したり解釈したりするつもりは毛頭なく、西洋人には常識っぽいあたりを押さえるだけの連載です。あぁこの際私も知っときたいな、という方はおつきあいください。
まずは旧約聖書から始めます。旧約・新約聖書のあと、ギリシャ神話。もしかしたら仏教も。
なお、このシリーズのログはこちらにまとめていきます。
さて、アブラハム、ヤコブの物語が終わって、ヨセフの物語に入るが、例によってここで復習と予習をしたい。
どうせ旧約聖書を知るなら、ちゃんと整理して脳に格納したいからね(その価値があるくらいは全世界的No.1ベストセラーだし)。
いままでやってきたことを図にするとこういう流れだ。
この図の下の方の「ヨセフの物語」を次回からやる。
こうやって俯瞰して見返すと、「人間」のしょーもなさが際立つなぁ。
神に禁じられたことを平気で破るし、その後も不法と不敬がまかり通る。
で、激怒されて大洪水で滅ぼされるのにまたソドムとゴモラみたいなひどいことになったりして神に滅ぼされる。
信仰の父であるアブラハムも若いとき(といっても70歳くらいとか)はかなりしょーもない。いろんな騙しをするし酷いいじめも黙認する。ヤコブに至っては狡猾なエピソードだらけだ。
創世記は文字通り「人類の始まりの話」なんだけど(まぁイスラエル民族なんだけど)、その始まりの時点でこういう「しょーもなくもちっぽけな人間たち」のお話が満載、というのは、ある種のメッセージなのだろうと思う。
ただ、ひとつひとつのエピソードを注意深く(でもないけどw)読んでいくと、「しょーもないところからの成長物語」と読むことはできる。
人間はしょーもないから、神から何度も痛い目に遭う。
でも、それぞれはそれなりに成長している。
それを神は祝福する。
※ ただ、ここは重要なことだが、旧約聖書は女性蔑視が激しく、男性中心の物語だ。
だから成長するのも男性だし、女性は常に浅薄なことをする脇役である。それひとつをもってして旧約聖書は聖典にふさわしくない。
まぁ聖書の著者の価値観であり、当時の時代の価値観なのだろうが、これが世界の常識として世界中で読み継がれてきたことが女性にどれだけの弊害や実害、生きにくさを与えたか・与えているかは想像を絶する。
今回は復習なので、アブラハムからヤコブまでの登場人物を、ボクの「キャスティング・イメージ」とともに整理してみようかな。
アブラハム
マジメかつ愚直だ(ちょっと愚鈍ですらある)。
初期は神への信仰もたいしたことなく、壮年期に至ってもまだペテンもしたし、いろいろ迷いまくっている。妻の言いなりで大事な息子を追放までする。
でも、それらを通してじわりじわりと成長して信仰を深め、イサクを生け贄にする試練もこなす。
つまり、若いときはやんちゃもしたし、間違いもたくさんしたけど、その後ゆっくりじんわり成長して聖人になった愚直キャラ。
キャスティングするなら笠智衆かな。
サラ
アブラハムの妻。アブラハムと共謀してファラオを騙す。
子が出来ないことを悩み女奴隷ハガルをアブラハムに抱かせるが、ハガルに子どもができたら嫉妬に狂い、今度は自分に子どもができたらハガル親子の追放をアブラハムに願う。
なんだろう、感情の起伏が激しい強烈キャラのわりに憎めないんだけど、いじめとかは壮絶っぽい。キャスティングするなら、「細腕繁盛記」時の冨士眞奈美だぎゃ〜加代!(古っ)
女奴隷ハガル
サラに言われて主人アブラハムに抱かれ、子どもができる。いまなら普通にパワハラかつセクハラだ。
で、子どもが出来るとみんなにちやほやされて、高慢キャラに変身。
そこをサラにいじめられて荒野へ逃げるも、神に諭され村に戻る。それからの生活はわりときつかったと思う。
で、サラに跡継ぎイサクが出来るといきなり疎まれ、息子イシュマエルとともに追放され、死の淵を彷徨うんだな。
奴隷の苦労、運命の変転、いじめられる毎日、逃げてまた戻る堪忍、最終的に追放される不幸。。。いやぁ、おしんの田中裕子しかいない気がする。
イサク
アブラハムの息子なのになぜか影が薄い。
アブラハムの血を引いて、たぶん彼も愚直キャラ。生け贄にされそうになるときも抵抗しない。あくまでもマジメ。
信仰心が強くなってからのアブラハムに育てられたので、かなり敬虔な信者だったんじゃないかな。
そういう愚直キャラだからこそ、息子が出来てからも、賢くて目端が利くヤコブではなく、単細胞で一本気なエサウを愛したんだと思う。
最後はヤコブに騙されてしまうけど、エサウでは一族の繁栄はないと判断して「騙されたフリをした」という可能性もある気がしている。
キャスティングするなら、物静かだけど心の強さが感じられる米倉斉加年とかかな。
リベカ
イサクの妻。アブラハムの故郷からやってきた。
若いときは純真キャラで美しい人だったのだと思う。
ただ、子どもが出来てからはちょっと偏愛系怖いキャラになる。
双子の弟ヤコブを寵愛し、えこひいきしまくる。最終的に兄エサウが父イサクに祝福されるのを阻止すべく策略を練ってヤコブをそそのかす。
愛が暴走し破滅していくタイプ。役者としては演じ甲斐のある複雑なキャラだなぁ。迷ったけど夏木マリとかどうだろう。若村麻由美もわりといいかなと思うけど。
エサウ
双子の兄。
単細胞で一本気、ちょっとアホなアウトドア派。脳筋系。
弟ヤコブに「腹が減ってるから」という理由で長子権を譲ってしまうし、父イサクの祝福をうけるときもあっさり先を越される。
なんだろう、憎めないんだけど、やっぱりアホなんだろうなぁw
キャスティングするなら、クセが強い野性派で、アホっぽさや直情的な感じ、そして颯爽とした感じなども表現できる蟹江敬三で決まりだと思う。
ヤコブ
若いときは小ずるい草食系。インドア派で賢いんだけど、やることがことごとく小ずるい。狡猾すぎる。
エサウを騙すときも、なんつうか「うわ、超性格わるい」って思うようなやり方だし、母リベカにそそのかされたとはいえ、父イサクの祝福を得るときのやり口は卑怯すぎる。
(とはいえ、一族のためにあえて兄エサウを追い落とした、という解釈をするなら、一族思いのヒーローキャラになる)
ただ、カナンから逃げたあとは苦労する。
結婚詐欺にも合うし、14年もタダ働きされるし、人間関係もうまく行かない。その過程できっと成長したのだろう。神にも認められ「イスラエル」と改名されるし、エサウを騙したことについても心から後悔して真っ正面から謝りに行く。
その辺、後半生はすごく成長した、ということかな、と思う。
キャスティングするなら、唐沢寿明だなぁ。蟹江敬三との兄弟とか、なんかサイコーw
ヨセフ
で、ヨセフ。
どんな性格なのは、このあと簡単に紹介していくけど、ボクとしては堺雅人がイメージ近いなぁと思う。
父ヤコブの寵愛を一身にうけ、空気がまったく読めない青年に育ったヨセフは、10人の兄たちに憎まれてエジプトに奴隷として売られてしまう。
でも彼は超有能なこともあり、エジプトでなんと奴隷から総理大臣まで上りつめる。
その後、兄たちを許し、カナンでの飢饉に苦しんでいた父ヤコブと兄弟をエジプト呼び寄せる。そんな人。十倍返しはしないけど、なんとなく堺雅人。
ということで、「それぞれの今日の1枚」とともに、ヤコブのストーリーを復習していきますかね。
(1)エサウとヤコブ
アブラハムの息子イサクと妻リベカに、エサウとヤコブという双子が生まれる。
ふたりは全然似ておらず、エサウは毛むくじゃらで狩りが得意なアウトドア派。ヤコブは内気で賢いインドア派。
エサウは父イサクに可愛がられ、ヤコブは母リベカの寵愛を受けた。
ある日、エサウが狩りから帰るとヤコブが美味しそうな煮物を作っていて
エサウ「もう腹ペコペコだ。頼む、この煮物をオレにくれ」
ヤコブ「あげたら長子権を譲ってくれますか?」
エサウ「あー、わかったわかった。とにかく喰わせろ」
と、エサウは「兄の権利」をヤコブに譲ってしまう。
※改めていろんな絵画とともに読みたい方はこちら。
絵は古い聖書の挿絵。
なんかエサウが猿なのがおかしい。おくるみすら着させてもらえない。これを見て「エサウは元々一族の跡継ぎになれないくらいアホだったということかも」と思った。そうであるならヤコブの追い落としはある意味、一族思いだ。
(2)ヤコブを祝福するイサク
イサクも歳をとり、目が見えなくなった。
そこでそろそろ家督を譲るべく、兄エサウを祝福することに決めた。
(祝福は、子孫の繁栄、土地の継承などの神との約束なので、絶対取り消せないし、一回しかできない。←ここ大事!)
で、「エサウよ、今すぐ獲物と獲ってきて美味しい料理を作っておくれ。そしたらオマエを祝福しよう」と言う。
エサウは喜んで外に飛び出すが、それを聴いていたヤコブ派の妻リベカは面白くない。
ヤコブを呼んで「このままだとエサウが祝福されてしまうから、あなたもすぐ獲物を獲ってきなさい。料理は私がしてあげる。どうせイサク父さんは目が見えないから、あなたがエサウだって偽ればわからないわ。そうしてあなたが祝福を受けちゃいなさい」と悪巧みを持ちかける。
でもヤコブはビビる。
「え〜〜、でも僕は毛深くないから、手を触られたらすぐバレちゃうよ」
「大丈夫よ、腕に獣の毛皮をつければ、毛むくじゃらだし、イサク父さんもわからないわ」(マジかw)
そんな雑な仮装とたわいもない芝居に、まんまとイサクは欺されてしまい、ヤコブを祝福してしまう(わかってやっていた気もする)。
帰ってきたエサウは激怒し「ヤコブめ、ぜぇ〜ったい殺す!」と息巻いたので、リベカはヤコブを自分の故郷に逃がす。
※改めていろんな絵画とともに読みたい方はこちら。
絵はホーファールト・フリンク。
ヤコブの小ずるいような必死に拝むような表情。リベカのちょっと哀しげな深い表情、イサクのすべてを飲み込んでいるのかのような表情。どれもとてもよい。いい絵。
(3)ヤコブの夢(ヤコブのハシゴ)
ヤコブは逃げる。リベカの故郷へと逃げる。
その途中、荒野で野宿しているとき、天まで届く階段の夢を見た。
その階段は天使たちが上り下りしていた。そして神の声を聞く。
「ヤコブよ。私は今オマエがいる土地をオマエと子孫に与えるぞよ。子孫は砂粒のように増え、各地に広がるぞよ」
(神が認めるということは、ヤコブはやっぱり一族のためを思ってエサウを追い落としたのかなぁとか思う)
ヤコブは「ここは天の門だ、神の家だ」と恐れ入り、枕にしていた石を記念碑として立てる。
※改めていろんな絵画とともに読みたい方はこちら。
絵はフィリップ・リチャード・モリス。
ヤコブのはしごのボクのイメージに一番近い絵。はしごそのままとかやっぱりイマイチだもんね。
(4)ヤコブとラケル
無事にリベカの故郷についたヤコブはラバン叔父の娘ラケルに一目惚れする。
ラバンから「うちで働くかわりにどんな報酬が欲しい?」と聞かれたヤコブは「ラケルをください。そのかわり7年間タダ働きします!」と答える。
で、マジで7年間働いたヤコブがいざ婚礼の儀をこなし、朝、妻の顔を見たら、実はラケルの姉、醜女のレアであった(結婚詐欺だ)。
ヤコブ「ま、まじ? 叔父さんひどい! 7年もがんばったのに欺すなんてあんまりじゃないですか!」
ラバン「すまんなヤコブ。妹が姉より先に嫁ぐのは御法度なんじゃ。妹のラケルも欲しいなら、あと7年働きなはれ」
ヤコブは仕方なくあと7年働いてラケルと結婚するが、レアや召使いからは子どもができるけど、ラケルとの間には子どもができず、悩む。ようやくラケルとの間に出来た子どもはヨセフと名付けられる。
※改めていろんな絵画とともに読みたい方はこちら。
絵はウィリアム・ダイス。
電撃的な一目惚れが一番よくわかるいい絵。ちょっときれいすぎる感じもするけど。
(5)天使と格闘するヤコブ
ヤコブは、ラバンや親戚との人間関係に悩み、一族を連れてここを離れ、カナンに帰ることにする。
でも、カナンには激怒したエサウがいる。
待ち受けるエサウの怒りを恐れながら旅を始める。ただ、他の土地に行ってもいいのにカナンを選ぶということは、「エサウにちゃんと向き合って、きちんと謝ろう」としたのかと(ボクは)思う。
旅の途中のある夜、ヤコブに何者かが組み付いてきて、ヤコブは無理矢理闘わされた。その相手は、実は神だった。
神「オマエはもうヤコブではない。神と闘って勝ったのだから、イスラエルと名乗りなさい」
※改めていろんな絵画とともに読みたい方はこちら。
絵はレンブラント。
天使の表情が圧倒的に深い。この表情を見て、「あ、神はヤコブの臆病かつビビリな性格を憂い、もっと自信を持たせてイスラエル民族の立派な祖にするために、あえて無理矢理レスリングして負けたのかも」って思った。
(6)エサウとの和解
ついに400人のお供を連れたエサウが現れる。
ヤコブは「もうダメだ〜」とビビりまくるが、エサウは走り寄ってくる。
「お〜ヤコブ〜、よく帰ったなぁ!元気だったか?」
いや、エサクの見せ場。超格好いい。
ヤコブ「兄さん、ボク、ボク・・・ごめんなさい!」
エサウ「ん? なんのことだ? それより元気だったか!」
いや、やっぱり単なるアホかもしれないw
一本気のあっさりしたキャラなのか、単なるアホなのか、解釈は分かれるところかなぁ、とボクは思う。
そしてエサウは、「じゃあな! ヤコブよ! お互いがんばろうな!」と、颯爽と帰って行くのであった。
※改めていろんな絵画とともに読みたい方はこちら。
絵はルーベンス。
この絵を見て「あ〜、エサウはこういう風な大人になったのか」と、なんか合点がいった。男達の長になっているエサウは優しい。さっぱりしてて過去をうじうじ言わない。そんな感じに描かれている。
というのがヤコブの物語。
なんだか凄まじい人生だな、と思うw
さて。
もういい加減長いので、ヨセフの物語をさらっと追って終わりにしたい。
奴隷として売られるヨセフ
ヤコブは、12人いる息子のうち、最愛の妻ラケルが生んだヨセフ(11番目)を偏愛し、彼をえこひいきする。それがあまりにあからさまだったから、10人の兄たちはヨセフに嫉妬し、憎むようになる。
そんな空気が読めないヨセフは、自分が見た夢の「夢解き」をする。「兄さんたち、みんなボクに従うよ!」みたいなことを平気で言ってしまうわけ。いるよね、そういうこまっしゃくれたガキ。
で、兄たちはヨセフに殺意を持ってしまうわけ。
父ヤコブの目の届かない場所でヨセフを殺し、彼は獣に喰われたって言おう、みたいに策略をねるわけ。
ただ、長男のルベンが「殺すことはない、穴に放り込むくらいにしよう」と弟たちを抑え、ヨセフは井戸のような穴の中に投げ込まれてしまう。
しかも、そこにエジプトの隊商が通りかかると、兄たちはヨセフを売り払ってしまう(ルベン、ちゃんと最後まで止めろよ)。
ポティファルの妻の誘惑
こうしてエジプトで奴隷になってしまったヨセフだけど、その有能さを発揮して奴隷のくせに異例の出世をする。
ところが、有能すぎる上に容姿端麗なヨセフに、ご主人の妻が目をつけて言い寄ってくるんだな。
ヨセフはそれを断って逃げるんだけど、それを怒った妻は「ヨセフが自分を襲おうとした」と嘘をつく。そしてヨセフは牢獄に入れられてしまう。
夢を解くヨセフ
ただ、牢獄でもヨセフは有能で、あっという間に牢獄長に気に入られ、牢獄の管理を任されるまでになる。すげーな。
その牢獄の中には、王の怒りに触れて投獄されていた役人がいて、ヨセフは彼らの「夢解き」をしてあげる。それが当たり、その噂が王にまで届いて、ついに王の夢を解くに至る。
その夢解きに納得した王は、ヨセフをエジプトの宰相(総理大臣)に任命する(なんと!奴隷から総理大臣!)。
兄たちと和解するヨセフ
彼の夢解きのおかげもあって、周辺諸国が大飢饉の中、エジプトにだけは食糧がある状態となる。
その噂を聞きつけて穀物を買いにやってきた人たちの中に、なんとヨセフの兄たちがいた。
ヨセフはすぐに兄たちがわかったけど、兄たちはわからない。まぁまさかエジプト宰相が弟のヨセフだと思わないわな。
で、しばらく黙っていたヨセフだけど、兄たちがヨセフを売った過去を悔いていることを知ると「私は弟のヨセフです」と告白する。
びっくりし恐れ入った兄たちだが、ヨセフの強い勧めによって、父ヤコブとともにエジプトに移住する。
こうして、イスラエル人は「約束の地カナン」を捨て、エジプトに住むようになる。
彼らがカナンに帰るのは、モーセの「出エジプト記」まで待たないといけない。
・・・ざっとこんなストーリーである。
なんか有能すぎて共感しにくいキャラだけど、次回からはヨセフを追っていくことにしよう。
さて、長くなってスイマセン。
今日の1枚は、巨匠ミケランジェロの版画だ。
真ん中には、上から順に、アブラハム、イサク、ヤコブ、ユダ、と書いてある。
ヨセフは描かれていないけど、一応「血族」としてこの絵を置いておこうと思う。
ユダはヤコブの12人の子どものうちのひとり(つまりヨセフの兄弟)で、後にイスラエル12部族のひとつであるユダ族の祖になった人だ。
ユダ王国は、ユダ族とベニヤミン族とレビ族の3部隊から成っていた(ベニヤミンは母ラケルの息子。レビはレアの息子でユダの兄)。
絵の中では、たぶんアブラハムは右の座っている人。その陰にあくまでも存在感の薄いイサク。で、左側にヤコブとユダ、そしてユダの母であるレアが描いてある、と思う。
ユダ王国のために描かれた版画だろうな。
ということで、今回の復習と予習はオシマイ。
次回は「奴隷として売られるヨセフ」。
賢い子なんだけど、かなりのマセガキでKY。そして兄たちから憎まれて奴隷として売られてしまう。。。
※
このシリーズのログはこちらにまとめてあります。
※※
間違いなどのご指摘は歓迎ですが、聖書についての解釈の議論をするつもりはありません。あくまでも「アートを楽しむために聖書の表層を知っていく」のが目的なので、すいません。
※※※
この記事で参考・参照しているのは、『ビジュアル図解 聖書と名画』『イラストで読む旧約聖書の物語と絵画』『キリスト教と聖書でたどる世界の名画』『聖書―Color Bible』『巨匠が描いた聖書』『旧約聖書を美術で読む』『新約聖書を美術で読む』『名画でたどる聖人たち』『アート・バイブル』『アート・バイブル2』『聖書物語 旧約篇』『聖書物語 新約篇』『絵画で読む聖書』『中野京子と読み解く名画の謎 旧約・新約聖書篇』 『西洋・日本美術史の基本』『続 西洋・日本美術史の基本』、そしてネット上のいろいろな記事です。