レベッカ「REBECCA lV〜Maybe Tomorrow」
人生に欠かせないオールタイムベストな音楽アルバムをいろいろと紹介していきたいと思います。ジャズ、クラシック、ロック、ポップス、歌謡曲、フォーク、J-Popなど、脈絡なくいろいろと。
3曲目の「Cotton Time」。
この曲はボクにとって大切な曲。思い入れが激しい曲です。
夏の、むせかえるような土手の草いきれが昨日のことのように蘇ります。
あの頃のことをこうまで鮮明に蘇らせてくれる曲は他にはありません。
作詞の天才というと誰でもすぐ何人か指折れると思います。
あの頃の女性に限れば、松任谷由実、阿木燿子、吉田美和……
でも忘れないでね、一人の強烈な天才を。
そう、NOKKO。
彼女は本当に天才だと思います。
強烈なビートとメロディ、ライブの凄さ、そしてNOKKOのボーカルの魅力、そういうものの陰に隠れてそんなに目立っていないけど、レベッカは実は彼女の詞でもっていたとボクは思います。
鮮烈な言葉のビート。
切羽詰まった欲望の表現。
はねっかえりの生活感。
そして女の子の心の柔らかい部分を切り取るナイフの切れ。
NOKKOの詞を読む度、表現という世界の奥深さを考えます。この詞をあの声でうたわれちゃったらもう平伏するしかない。
ユーミンや阿木燿子に比べると、NOKKOに一番近いタイプはドリカムの吉田美和かもしれません。テクニックではなく、まっすぐに「感情」を書いている。
でも「育ちが違う」んですね。
吉田美和のほうが育ちがいい。
NOKKOは育ちが悪い(あくまで作詞の印象のはなし)。
裏道でお腹をすかせている汚れた子猫な感じ。
決して可愛く媚びて来ない。何かあったら爪を出して急に飛びかかってくるような不穏な空気。
そんな薄暗い裏道な感じがNOKKOの詞にミステリアスな色を添えています。
いわば、吉田美和が白いナイフなら、NOKKOは黒いナイフ。
これは他のどの作詞家にもない。
※ もちろんNOKKOの詞は男のボクなんかより、女性のほうがわかるし刺さると思います。あのころの女子高生とかにはドンピシャでしょう。でも一応男のボクから見ても、それはもうパンチラインの連続だなぁと思うのです。
レベッカの作詞以外の魅力というと、まずその伝説とも言えるライブでしょうか。
150センチ位しかないNOKKOがすごく大きく見えてくるその堂々たるステージング。
というか、とにかくセクシーなんですね。
フェロモンむんむんのダンス。目は釘づけ。他のメンバーが可愛そうになるくらい観客はNOKKOしか見ていない。
「レベッカザウルス」の頃のライブなんて特にすごかったなぁ(懐かしい)。
セクシーな上に、とにかく踊らせる。
観客まで汗みどろ。
そんなに自分を失ってノリまくるというタイプではないボクですら発狂寸前でしたから。当時の日本人のライブのなかでは一番だと自信をもって主張したいレベル。
ライブが良い上にアルバムもいい、というともうベタボメですね。
でもしょうがないな。実際にいいんだから。
なかでもこの「REBECCA lV」がボクは一番好きです。
ファンのなかにはもっと初期のがいい、という人もいるけど(初期のほうが確かに「レベッカぽい」んです)、ボクは理屈でなく、これ。
だって冒頭で書いた「Cotton Time」を始めとして「プライベイトヒロイン」「76th Star」「フレンズ」「ボトムライン」「ガールズブラボー!」「Maybe Tomorrow」などなど、ボクの人生のある時期を彩った名曲ぞろいなのですから。
このアルバムを抜きにして、ボクの人生は語れません。
ちなみにレベッカの極私的ベスト10を上げると
1. Cotton Time
2. プライベイト・ヒロイン
3. 76th Star
4. When A Woman Loves A Man
5. フレンズ
6. ボトムライン
7. ラブ・イズ CASH
8. Freeway Symphony
9. TENSION LIVING WITH MUSCLE
10.NERVOUS BUT GLAMOROUS
あたりかな。
いいなぁ。名曲揃いだなぁ。
※
2015年にレベッカ復活ライブに二回行ったのだけど(8月13日の本番と11月29日の追加公演)、その追加公演のほうを中継したNHK「SONGSスペシャル REBECCA」に映り込みましたw
「フレンズ」のとこ。
番組的にはクライマックス。
わりと長めに映ってた。3〜4秒くらい? 一緒に歌ってるw
埼玉アリーナの前から17列目、しかも前が通路だったこともあり、なんか客席カメラマンが真っ正面からめっちゃ撮ってくるなぁとは思ってたんですよね。
ちなみに、追加公演(NHKに抜かれたやつ)は、NOKKOがよりスリム化しており、ダンスも歌も絶好調。全盛期を思わせたなぁ。涙腺爆発。
もうね、NOKKOがバックとシンクロしたダンスをするだけでなんか泣けた。青春時代のすべてが蘇ってくるような感覚だった。