上海生活1年経過した今の雑感
やっほー
7月から8月にかけて、しばらく日本に一時帰国しておりました。
そういうわけなので、この毎日上海日記はしばらくお休みしておりました(勝手に)。
そして、上海に帰ってきたのが奇しくも、昨年上海入りした日と全く同じ。
つまり、今回の中国入国で、上海生活も丸1年を迎えたということになります。
今日は、1年経った感想を書いてみようかと思います。
※基本情報※
家族構成:夫、わたし、娘(7)、息子(今年5)
2023年5月に夫、8月にわたしたち母子が上海入り。
一時帰国は3-4月と、7-8月の計2回。
上海から東京は3時間ほどなので、気軽に行き来できます。
○1年経つと、子どもも自分の在住地が1番好きになる
春に日本に帰った時には、日本がすき、と言っていた子どもたちでしたが、
今回驚いたのは、2人とも日本一時帰国2週間くらい経過した時点で「上海に帰りたい〜」と言いはじめたことです。
日本はすきだけど、うちは日本に持ち家がないため、自分の家が恋しくなったようです。
それから学校の友だちやマンションの友だちに会いたがったり、
「上海は便利だよね〜」と懐かしんだりもしていました。
誤解のないように書いておくと、これは決して中国の方が上とかそういうことではなく、
彼女たちの中に、住んでいる場所への愛着が芽生えているんだな、と、わたしは解釈しました。
○国の違いを経験すると、寛容になれる
2拠点を行き来するような生活があれば、それらを比べるのは当たり前のこと。
中国の方がいいところもあれば、「上海には湘南新宿ラインがない」とか、「中国では(私たちの場合は)自家用車がない」とか、
そういう不便なことも日常にたくさんあるので、「国によって違うものなんだ」「しょうがないんだ」
というベースが、大人子ども関わらず、できてきたように感じます。
日本にいたり、日々SNSを眺めたりしていると、
「急な変更は困るよね」とか、
「友だちと合わない」とか、
「ママ友との付き合いでモヤモヤする」とか、
そういった「違い」に対する議論を目にすることが多い印象を受けるけど、
中国ではモヤモヤとかイライラとか、
やれ家電が壊れただの予定が急に変更だの、
そういう日本では「ありえない」ようなことが多発。
ある意味「しょうがない」と割り切って、では、どうすればいいのか?を考えるという機会に恵まれるので、物事に対して悲観的にならなくてすむのです。
○言葉は、環境に沿って伸びていく
わたし自身、子どもたちの言語環境に関してはかなり悩みましたし、
「バイリンガルかっこいいからそうさせたい」「バイリンガルの方が絶対に有利」
と安直なことも思っていましたが、
結果的に、幼稚園は英語環境、小学校からは日本語環境という選択をしました。
何度も過去にも書いているけど、
いまだにこれでよかったのかと迷うことはあるし、自分の選択が正しかったのかわからないです。
自分のためにも記録しておくと、
1年経って、彼らの言語能力は、
7歳娘(6歳で中国入国)
日本語→母語レベル(小学校に入ってからの日本語の伸びが大きい)
英語→幼稚園8ヶ月間で簡単な会話ならやり取りできるようになり、
学校に入ってからも習い事としてオンライン英語レッスンや英語劇に参加しているが、
スムーズに吸収中。文法の間違いは多々あるが、自分が言いたいことを自分なりに英語で喋ることができる。
発音はすでに日本語訛り。リスニングの方が強い印象。
中国語→ほぼ初心者だが、挨拶程度ならできる。
今年5歳息子(4歳手前で中国入国)
日本語→母語レベルだが、喋りたい種類の単語がすぐに出てこないことがある(おそらく脳内で英語と混ざるような感覚があるかと推測)。
家での日本語会話を特に意識しているので、たどたどしさまではないが、全体的に語彙は少なめ。
英語→かなり長い文章でも聴き取れていて、先生に言われたことを理解し、帰宅後それを日本語に変換して親に伝えられる。アルファベットが読めるがまだ単語を文字で読むことはできない。
発音が姉と比べてとても良い。
今幼稚園で仲がいいのは中国の子らしい
(英語で会話していると本人は言う)。
※ただし、子ども特に男の子は言葉なしでも友人と遊ぶことができるという特技を持っているため、英語を使っているのかについては怪しい(笑)。
中国語→ほとんど聴き取れていない。
中国人に中国語で話しかけられても「??」と困った反応を示す。
挨拶程度なら、口にする。バスや電車のアナウンスを繰り返し発声する。
中国語についても発音だけは良い。
*****
私の心が揺れるタイミングは何度かあって、
・友人家族が巧みに数カ国語を使って会話している時。
・中国人から喋りかけられた時に、子どもたちが聴き取れない時。
・「1年経っても中国語がこんなに聴き取れないの?」と言われる時。
などは、我が家の中国語の弱さに対して、
弱気になることがあります。
こんな時、現地校に入れておいた方がよかったのか、、と考えてクヨクヨする😇
(ただし入れるには事前調査が必要なので当時を思い返してもそんな余裕はなかった)
英語に関しては、1年やってきたなりにしっかり伸びている2人ですが、
中国語に関してはその環境に没入していないため、ほぼほぼ伸びていない。
改めて思うのは、やはり言葉は使わないと伸びないのです。
中国に住んでいるからって、
中国語ができるようになるとは限らない。
でもこれって、日本にいても語彙量が多い子と、少ない子の違い(=家庭での会話量と質)にも同じことが言えると思うので、
国とか関係ないよね〜とも、思います。
うちは夫のルーツが中国であるにもかかわらず、娘たちは中国語が一切できないので(夫も祖父母も子どもたちには日本語を使うため)、
これから先どうすれば良いんだろう、、と日本語話者の私は1人で考える日々。
夕方アーイー(お手伝いさん)でも雇う?😂
日本に一時帰国していた時に、広告、看板、案内放送など、全ての言語が日本語なので、
子どもたちの関心が日本語に強く向いていて、
「これはどういう意味?」「これは何て読むの?」と言われたり「モノレールってなに?」と音声から疑問を抱き知識を得たりという場面が多々ありました。
実際に使う言葉と住んでいる国が一致していると、やっぱりどんどん言葉も養われていく。
そんな当たり前のことに、ハッとしたのが今回の一時帰国でもありました。
※ちなみに私の場合は、それなりの意識を持って中国語を使っているので、1年間でかなり喋れるようになりました。
今日の出来事を夫に話したりとか、お店の人やタクシーの運転手さんとフリートークできるくらいには、成長したかなとは思います。
簡単な恋愛映画とか、バラエティ、ドキュメンタリーを日本語字幕なしで観るとか、その程度の力とやる気は身につけることができました。
しかしそれでも‼︎
10年前にHSK5級を8割以上で合格しているけれど、先日5級過去問をやったら6割くらいしか取れず、撃沈している、というのが最新進捗状況です。笑
○上海は住みやすい
総じて、我が家にとって上海生活は今のところプラスにしか働いておらず、特に不満も、不安もないです。
上海って、日本の東京みたいに便利で、特に食べ物はなんでもあります。日本食レストランも美味しいし、なんでもネットで買えるし、シェアサイクルはあるし、タクシーは安いし、日本人も多いし、便利なところもあるけど古い町並みも残ってるしで、本当にだいたいのことは日本とほぼ変わりません。
夫のおかげでいいところに安く住まわせてもらっているし、子どもたちは最初の半年間体調を崩しまくりましたが、その後ほとんど病気もせず、元気に楽しくそれぞれ登園・登校しているし、
私はお金を稼ぐ仕事はできていないことで時々ふと虚無感を抱くことはあるにせよ、読書や映画鑑賞などの趣味もしっかり楽しみつつ、いい友人に巡り会えて、なかなか忙しく、有意義な毎日を過ごしています。
(親子向けのコミュニティを運営したり、子育て講座をしたり、教育系の会社をお手伝いしたり、密かに日本語を教えたりしていますがここでは割愛。)
○異文化に触れることで俯瞰できることの価値
異国で暮らすことって全てが勉強で、違う文化に出会った時って、ふと抱いた自分の感情を、
「あれ?私は今どうしてこんなにイライラしているんだろう」と俯瞰できるいい機会です。
例えば、スタバで、1人のお客さんが30杯のコーヒーを頼んだことにより(笑)、
レジがすんごく混んでいるのにただ待つしかできない時。
「日本のスタバじゃこんなことありえない!」という思考って生まれますよね。
だけど、こっちでは怒る人ってそんなにいないんです。
「まだ時間かかるならキャンセルして」と言って去っていくお客さんもいますが、
「まあ、そんなモンだよね」という温度感で、ケータイいじりながら待ち続けるお客さん、
おしゃべりしながら楽しそうに待つお客さんがとても多いんです。
(中国人は怒っているイメージが強い人も多いと思うけど、温厚で、優しくて、情深い人がほとんどです。)
こういう時、日本は便利だけど、日本が絶対だという思考を改めないといけないな、って思うんです。
その便利さがあるゆえ、日本人はちょっと電車が遅れるとイライラして、
快適さを大事にするが故に、電車で電話している人を疎ましく思い、
ベビーカーでバスに乗ることを躊躇するんですよね。
ルールとかモラルがあると、暮らしやすく安全で快適に過ごせる国ができることは肯定しますが、それによって生きづらくなる人も、少なからずいるんじゃないか?ということは、結構考えます。
国によって違い、それぞれに長所と短所があり、それらをどう捉えるかで、生きやすさは変わる。
生き方は自分で決めていい。と私は思います。
それを肌で感じられる中国には、感謝したい。
中国に足を踏み入れて、住んでみないとわからないことはたくさんあるのです。
私は、これからも、日々遭遇する中国での出来事を、
面白いことが起こるものだ、それじゃあどうしよっか、と思えるような人でありたいです。
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では、また次回からは通常の日記に戻ります。
上海2年目は、文章での記録発信も続けつつ、イラストの方も定期的に更新したい〜!
という思いを込めて、
『ヤッホーな私@上海』の再スタートは9月1日にしています。
その間に、ちょっと、絵を描くね…
(自分に言い聞かせています)。
それでは。