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【今日の読書】

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Tao 老子の教え
安冨 歩 著 ディスカバー 2015年
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二千数百年前に書かれた「老子」
「論語」とともに、東アジアにおける思考を導く車の両輪であり続け、今日に至る。「道(タオ)」という言葉は広く流通している。

❶[3セレクト]


①「老子」の思想の根幹

「老子」の思想の根幹は、その動的な世界観にある。つまり、世界のいかなるものも、動かないものとしてではなく、生まれ、変化し、滅ぶものとして理解する。

そしてそれを、固定した動かし得ないものとして思い込んでしまうことの危険性を、繰り返し、指摘する。この固定化は、主として言葉によって生じる。人間は、言葉をくみかえることで、現にそこにある世界ではなく、ありうる世界を認識する。

例えば、お金という「概念」に縛られて、お金なしには生きられないと思い込む。歪んだ知性は、私たちの不幸の根幹である。老子は、この固定化の危険性を指摘している。

②言葉に縛りつけられるな。言葉を縛りつけるな

言葉の意味は、常に、ここに生まれ、あそこで消えるもの。あなたが何かに怯えているとしたら、それはただ、ものごとの名に怯えているだけでは?

確かなものに縋ろうとするから不安になる。ものごとの根源に立ち返り、自らを、そのあやうさに委ねれば良い。

③「道」とは、物事を成り立たせる不可思議な力

「道」とは、物事を成り立たせる不可思議な力。それは、深く静かである。「道」の作用は、尖った心をやわらかくし、もつれた関係をときほぐし、光を調和させ、汚れを清める。

+1:人がよく生きるには

人がよく生きるのは、簡単なこと。それには、感性を豊かにすればいい。身体を通じて物事を感じれば、自分がどうすれば良いか、自分がどのようになれば良いか、直ちにわかる。感性が豊かに機能して、生き生きと生きる状態を、「仁」という。内なる声に従い、「忠」を守って生きるに勝るものはない。忠とは、自分自身の真ん中にいる。

❷[エピソード]


道は一を生じる。
一とは、世界に生じる現象そのものである。
一は二を生じる。
二とは、現象の背後にある陰陽の絡みあいである。
二は三を生じる。
三とは、陰陽の対立を超えた、調和、つまり、「中気」の作動である。
三は万物を生じる。
つまり、陰を負い、陽を抱え、それを超えた中気から、万物は生成する。

減らすと増えて、増やすと減る。

❸[今日からのアクション]


感性を研ぎ澄ませて、あるがままに生きる


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