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TRICK スティーブ・ジョブスを教えYouTubeのCEOを育てたシリコンバレーのゴットマザーによる世界一の教育法

【今日の読書旅】 Day140
TRICK
スティーブ・ジョブスを教えYouTubeのCEOを育てたシリコンバレーのゴットマザーによる世界一の教育法

エスター・ウォジスキー著 文藝春秋 2021年


“子育てとは、生きてくために一番大切なスキルを与えること“

シリコンバレーのゴッドマザーにしてアメリカ教育界のスーパースター エスター・ウォジスキーの本。

両親がロシア生まれのユダヤ移民、貧しい家に生まれた著者。貧困のせいで、弟を亡くしてる。

奨学金を受けて大学へ進学。30年以上教育に携わり、確立した独自教育法(TRICK)で3人の子供を育て上げる。

スティーブ・ジョブズ親子を教え、グーグルの人材育成も担当している

TRICKで育てた著者の子供たちは、YouTubeのCEO、カリフォルニア大学医学部准教授、バイオベンチャー23and Me創業者として活躍している。

今まさに子育て中で、どうしたら、不確実性の高い時代を、自分で考え、生き抜く子供に育てられるのか?

果たして、自分の子育ては子供にとってプラスになるのだろうか?と心配している親御さんたち。

そして、これから子育てをスタートする新米パパママ、教育業に携わる人たちにとてもおすすめしたい本。

あなたの子育ては、可能性や才能を潰している?

それとも、可能性や才能を十二分に伸ばしてあげることができている?

この本を読めば、どちらのタイプかわかる。今ならまだ間に合うかも!

子供の自立できる人間に育つ教育哲学、Googleもアマゾンも大切にしている価値観「TRICK」とは

*著者の自立の定義
経済的に自由になること。経済的に自由であるということは、お金持ちとは違う。お金の扱いに気をつけ、人生に本当に必要なものやことに備えることが、経済的自立。

❶[3セレクト]

①子供の将来は親の育て方で決まる

子育てと教育は、社会にとっていちばん大切なもの。

どんなふうに子どもを育て、教育するかで、子どもの将来が決まるだけでなく、社会の将来も決まる。

子供が幸福と成功を手に入れ、才能を生かして世界をより良い場所にするために、親は何ができるだろう? 

まずは、0歳から5歳までが勝負!

赤ちゃん言葉で話しかけない。大人のように話しかける。

人間は、自分が育てられたように子供を育ててしまいがち。時代は変化している。古い価値観で子育てしても、子供は生き抜けない。

自分が幼い頃のトラウマや苦労は、子供との関わり方に影響を与える。自信のトラウマを理解せず、何が間違っていたのかをきちんと振り返らずにいると、親と同じ過ちを繰り返す。

自分の無意識の習慣や振る舞いを見直すことができなければ、いくら努力してもTRICK(トリック)に基づく子育てはできない。

②TRICKとは

著者が母親として、また教育者としての数十年にわたる経験から、人が能力を活かして実りある人生を送るには5つの基本的な価値観があればいいことに気づいた。その価値観が「TRICK」だ。


【TRICK5つの価値観】

1 :信頼(TRUST)世界中で信頼が崩壊している。親たちは不安を抱え、それが子供に伝染する。まずは、大人が自分を信頼することからはじめなければならない。

2 :尊重(RESPECT) 親が子供の個性と自主性を大切にすることが、敬意の証になる。どんな子供にも生まれながらの才能がある。(子供や親の分身ではない)

3 :自立(INDEPENDENCE) 自立とは、信頼と敬意というしっかりとした土台の上に成り立つもの。幼いうちに自制心と責任感を身につけた子供は、大人になって困難を乗り越える備えができているし、創意工夫するスキルも身につく。子供ができることは、絶対にやってあげてはいけない。(⇄過保護、過干渉の親「ヘリコプター・ペアレント」)生まれた瞬間から自立させはじめよう。

4 :協力(COLLABORATION)協力とは、家庭や教室や職場で力を合わせるということ。親が子供にできる「協力」とは、子供を励まして、議論や判断や躾に子供自ら貢献できるようにしてあげること。21世紀は、親は子供に命令してはいけない。何をすべきか子供に指図するより、子供の考えを聞いて一緒に解決策を探した方がいい。

5 :優しさ(KINDNESS)わたしたちは他人には優しさと気遣いを示すことができるのに、いちばん身近な人たちにはそれほど優しくできないもの。お互い慣れすぎて、基本的な優しさを当たり前だと思っている。本物の優しさの土台になるのは、感謝と許し、他者への奉仕、そして外の世界への気づきである。

③完璧ではないありのままの自分を受け入れる

親も人間。どれだけ考え抜いて計画しても、必ず間違いをやらかしてしまう。理由もないのに怒ってしまったり、シャンプーだと思って違う液体で子供たちの頭を洗ってしまったり。

親の務めは、子供のためにストレスも困難もない環境を作ることではない。辛く苦しい経験が成長につながることは多い。親の務めは、困難とその結果得られる成長を子供から奪わないこと。

子供のためになんでもやってあげることは、子供のためにならない。親は完璧でなくてい。赤ちゃん、子供は親が思っている以上賢いから、放っておいてもしっかり育つ。

「素早く、頻繁に、そして前向きに失敗しよう」と子供に言えるか?

最初から完璧にできたら、何も学べない。子供の時に失敗するからこそ大人になって失敗が減る。

+1:著者の3人の娘は両親の子育てをどう思ってる?


両親は、私たち3人に、自分自身を信じなさい、自分の判断力を信じなさいと教えてくれた。

父と母は、幼いころから私たちを信頼し、責任を与えてくれた。

子供だけで学校まで歩いて行くことも、友達と自由に遊ぶことも、全て許してくれた。子供だからといって、思いつきや考えを否定されたりしなかった。母は、わたしたちに合った解決策を提案し、わたしたち自身が問題を解決できるよう助けてくれた。そして、人生は楽しむものだと教えてくれた。

【著者と読書】
貧しい家に生まれた著者の隠れ家が「図書館」だった。小さなサンランド・タジャンガ図書館の分館まで飛んでいき、本の山に埋もれた。読書は自分の頭で考える助けになr、自分の世界とは全く違う世界への扉を開いてくれた。

❷[マイエピソード] 

わたしの両親の子育ては、著者とは真逆のものだったと思う。ルールにも厳しかったし、両親の枠の中で生きるように強いられていたような気がする。

今でも枠に大きく抵抗するのは、反動だと思う。だからこそ、自分は甥っ子との関わり方、クライアントと関わり方には、とくに慎重になる。両親の子育て哲学が反映されてしまっていないかと。わたしがまだ結婚の予定も出産の予定もなかった頃からベビーマッサージやチャイルドケアに関してかなり熱心に学んでいたのは、無意識下に、同じことを繰り返さないようにという戒めがあったからなのでは??と感じる。

わたしの身近で、子供が人生の大成功をおさめている親御さんたちに「どうやって育てたんですか?」「子育ての方針は?」と聞くと、面白いことに、全員が100%TRICKに沿った子育て法をしていて、子育てについて、とてもリラックスしていている感じを受けた。


❸[今日からのアクション]

本の中で、「寝かしつけと信頼の深い関係」という、とても興味をそそる内容が書かれていた。

「睡眠は信頼の問題」

ん?どういうこと???と思いながら、読み進めると、子供には「一人で眠る力がある」という。そもそも子供が眠るのを怖がってしまうのは、親が恐れているからだという。親は自分の恐れを子供に投影してしまう。不安や疑いも同じく。

子供には眠る力がある。実際そうなると親が信じ、ひとりで眠る方法を親が教えてあげれば、子供は一人で眠れるようになる。

寝かしつけが必要な頃から、もうすでに子供を「信頼」「尊重」することが大事なんですね。自分の子供は絶対「信頼」「尊重」しよう。

よくある「この子にはわたしがいなくちゃダメなのよ。。。」というのは、親のエゴですね。

著者は、本の中で「大人は子供をみくびってる」と言っています。過保護は子供のためにならないですね。

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