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【今日の本】


『記憶力が最強のビジネススキルである』
宇都出 雅巳 著 かんき出版 2017年


人生を変えるために本当に必要なものは、すでに自分の「記憶」という形で存在している。記憶力をフル活用すれば、望む世界への扉は開かれる!

記憶にコントロールされて、不平不満だらけの人生を送るのか?
それとも、記憶をマネジメントして自ら人生を切り開いていくのか?

ネットに依存する「記憶の外部化」は、あなたの考える力を奪う。

意識的に未知の世界、異なる世界に視野を広げていくことを放棄してしまえば、あなたの記憶はスカスカになっていく。


❶[3セレクト]


①なぜ、記憶が重要なのか?


記憶=暗記ではない。記憶は機能のほんの一面にすぎない。あなたは考えるために何を使っているでしょう?それは「記憶」である。普段意識していなくても、あなたは常に「記憶」を活用している。記憶がなければ、考えることもアイデアを出すこともできない。

記憶はあなたの知らないところで、思考、感情、行動も司っている。記憶の働きを理解することができれば、日々の行動を変えることができる。使い方を少し変えるだけで、「仕事力」は驚くほど上がっていく。


今も、私たちは本を読んでいるように見えて、じつはその本の内容と「自分の記憶」との間に起こる反応・共鳴を読んでいる。人が悩みや問題を解決したり、目標を達成したりするために働きかけているのも、その人の「記憶」である。


②人は記憶を使って世界を見ている


自分のなりの判断、意思決定をした場合、それを指示してくれる意見や情報には注意が向いたり、記憶にとどまりやすくなったりする。


逆に、自分の判断、意思決定に反するものは、意識するしないにかかわらず、無視しようとしたり、記憶に残りにくくなったりする。いわば、私たちの記憶も、アマゾンなどがおすすめする商品を表示するかのように、自分の都合のいい「おすすめ情報」を選んで自分自身に見せている。


さらにいうと、たとえ、同じものを見ていたとしても、人によって見えているものは違う。その違いを作り出しているのが私たちの持っている「記憶」である。記憶の違いによって体験できる世界は違ってくる。記憶の違いが大きな違いを生み出している。つまり、「記憶」を主体的にマネジメントしていかないと、逆にあなたが「記憶」にマネジメントされ、コントロールされかねない。


③理解とは


理解とは「すでに持っている記憶との新たなつながり」である。人間は誰もが同じように見たり、聞いたり、感じたりしていない。認知科学において「潜在記憶」と呼ばれるものがある。


それは、思い出そうとしなくても勝手に思い出され、しかも思い出したことを意識できない記憶のこと。だからこそ普段記憶の働きを意識できない。たちは、すべて脳で見て、聞いて、感じている。


では、「考える力」はどうやって育てれば良いのでしょう?
考えるというのは、すでに持っている記憶をひっくり返しながら、つながりを作ったり、断ち切ったりして組み合わせをあれこれ変えるということ。

「わかった!」というのは、記憶の中で新たなつながりが生まれたことにすぎない。考える力を育てるには、記憶の量を増やし、それらをつなげる、切り離すといったマネジメントを加えながら、新たな組み合わせやつながりが生まれる可能性を高めていくことが必要。


+1
親がよく使っていた言葉、親によくいわれた言葉は記憶として蓄積され、大人になってからも自らのものの見方、考え方、そして行動に大きな影響を与える。「信念」「観念」も記憶。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。


〝言葉の力「言霊」とは記憶の力〟


言葉が現実を引き寄せるわけではなく、言葉が私たちの記憶に影響を与え、その記憶が私たちの認識に影響を与えることで、自分の都合に「引き寄せて」現実をみられるようになる。


人生を変えるカギは、「自分を動かす記憶と向き合うこと」。さまざまなスキル、ノウハウを学んだとしても、それを日々に活用し、結果を生み出していくのは、結局のところ「記憶」だからだ。記憶のマネジメントはあなたの人生を根本から変革することにつながる。自分を動かしている記憶の働きを自覚し、それとうまく付き合いながら、徐々に行動に影響を与えていく。


記憶が今日のあなた、明日のあなたをつくり、ほんの少し、自分を望む方向に軌道修正してくれる。


❷[エピソード]

著者は、高校生のころ、ひどい「どもり」に悩まされていた。対面であれば、コミュニケーションをとることができても、目の前に人がいない状態で話そうとしても、まったく言葉が出てこない。「このままでは、将来仕事もできないのではないか・・・・」という不安から、人生を悲観していた。
そんなとき、立ち寄った書店で一冊の本が目にとまった。それは、「どもり」克服のためのノウハウ本だった。


私は「どうせ治らないだろう」と思いながらも、なけなしの小遣いをはたいてその本を買い、恐る恐る試してみた。


すると、驚いたことに、ほんとうに「どもり」がなくなっていった。今では大勢の前で講演やセミナーを行っているほど。


著者はこの体験をきっかけに、新しい知識やノウハウ、スキルを身につけることの素晴らしさ、知らないことの恐ろしさを痛感し、本をたくさん読むようになった。


❸[今日からのアクション]


“記憶力の差は、行動力の差” メタ記憶力の差!
”読書とは、自分を読むこと”
記憶を修正し、本を大量に読む!


(感想)


私たちは、長い間、学校教育の中で、受動的な学びや脳を使って記憶する学びを強いられてきたせいか、つい身体の持つ学ぶ力、要するに、「実践して学ぶこと」「自分自身がとった行動が「うまくいったのかどうか」成果をあげるために役立ったのかどうかを振り返り、それとしっかり向き合うという「記憶」にとって大事なことを行っていない人が多いのかもしれない。


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