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【今日の本】

ビジネスモデル全史
三谷宏治 著 ディスカバー 出版 2014年


ビジネスとは、「誰かに対してある価値を、どこからか何かを調達・創造し、提供して、対価を得るもの」


ビジネスモデルとは、「その要素の組み合わせ」

強い企業は、その独自のビジネスモデルを持っている。
「替刃モデル」から「広告モデル」までビジネスモデルの歴史が知れる
全部でモデル、200社、140人のリーダーたちの世界に吸い込まれる


❶[3セレクト]


①お金にまつわる5つのビジネスモデル革新


1、メディチ家に国際為替・決済システム


迅速で綿密な情報網を全欧に築くことで、「為替手形」による為替・決済手段を、極めて高収益な手数料ビジネスに変えた。
利息を禁じたバチカンに対して、取引の勘定項目に「神への勘定」を加え、その一部を上納捨ことで手を打たせた。


2、トラベラーズ・チェックによる個人国際為替


旅先で使える小切手(トラベラーズ・チェック)の開発。それまでも個人が使える小切手はあったが、旅行先では「アメリカの大手銀行が発行した小切手」が店先では使えないことも。銀行でたらい回しにされた経験から、帰国後商品開発に着手。為替決済の顧客を個人旅行客に広げた。


3、バンカメのVISAカードが作った社会インフラ


どこでもなんでもツケで買える汎用クレジットカードは、50年にダイナースクラブがNYでスタートさせて以来、大きくはならなかった。バンカメが最初の大規模の参入だった。初期のローンチには失敗する。それから学び、展開をやり抜き、「VISA」となる。クレジットカードを一般顧客に無料でひろくばらまき、小売店などビジネス側への課金で収益を上げる点で、フリーミアムの一種で拡大。


4、インターネットと暗号とebay 見知らぬ者同士を結びつけたペイパル


公開鍵暗号方式が、インターネットにセキュリティを与えた。94年、ウェブブラウザ開発のネットスケープコミュニケーションズが、「公開鍵暗号方式」を用いた通信方式SSL2.0を提唱。高セキュリティ通信プロトコルTSLの先駆となる。インターネット上のオンラインショップでもクレジットカードが使えるようになったのは92年だったが、セキュリティーが向上し、消費者向けのネットビジネスは、加速度的に拡大した。それでも埋まらなかった問題を解決するためん、99年、ペイパルがサービスを開始。それに目をつけたのがイーロン・マスク。「クチコミキャンペーン」を成功させてペイパルユーザー数を飛躍的に増大させた。個人間取引の壁「信用」と「少額決済」を取り払った。


5、リアル決済の変革 スクエア革命が売り手を拡大し、買い手の経験を変える


ジャック・ドーシー、2006年にツイッターを開発、09年にはスクエアを創業。モバイル端末に2センチ角のリーダーを差し込み、アプリをダウンロードして銀行口座情報などを入力すれば、その端末に即座にクレジット決済端末に変身する方法を開発し、「いつでもどこでも手軽に決済を」というスマートな決済方法を提供。拮抗するサービスがある中で、「持続的競争優位性」をどのように保ったのか?「事後審査」と「スクエアレジ」。この2つの革新的アイデアで、加盟店を伸ばした。


②ビジネスモデルとは


使う4割弱は拘らずに使っている。著者の定義は、「旧来の戦略的フレームワークを拡張するためのコンセプトセットであり、その目的は多様化・複雑化・ネットワーク化への対応である」。これまでは、ターゲットの同定・絞り込みこそが経営戦略のスタートだった。ビジネスモデルではそれが、ステークホルダー全体の明確化になる。そのビジネスに関わる大事なプレイヤー全部が「顧客」と考える。


③未来への挑戦


IBM(ガースナー)の挑戦


・中核商品のメインフレーム機を大幅値下げし、シェア回復
・単純な垂直統合モデルを捨てて、他社製品も取り入れるオープン化とチーム生による総合的ソリューション提供


IBM社内を調べ、ソリューション・ビジネスに適応し成果を上げていたリーダーたちのやり方を調べ上げた。

スタイル:率先垂範ではなく、「チームの力を引き出す」ことを重視
意思決定:手続き重視の階層型ではなく、「即断即決のフラット型」
モチベーション:業務目標達成だけでなく、「他者をよく変えること」自体に喜びを見出す


世界中から300人のベストリーダーを選抜し、新しいチーム型のリーダーシップを教育することに努めた。その後9年で売り上げを250億ドル伸ばすことに成功。


❷[エピソード] 著者のお話


田舎の八百屋の長男に生まれた著者。
実家は、「八百屋」を営んでいた。八百屋というものが、生鮮食料品で成り立っていて、それがとてもリスキーだと学んだ。どんなに美味しいハマチであろうが、お肉であろうが、賞味期限を過ぎればアウト。自家消費に回り、食べきれなければ捨てるしかない。でも粗利が大きいので、儲けるためには避けるわけにもいかず、母親が調理の免許をとり、家の一部を調理場に改造し、あまりそうな生鮮をフライにして惣菜として売り始めた。結果、粗利率が上がり、聖戦の廃棄率が下がった。単なる販売業から製品・サービス業への部分的転換だった。


❸[今日からのアクション]


先人たちの多くのイノベーションのおかげで、便利な生活ができていることに感謝。循環、全体意識する。成功起業の一部を真似してみる。

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