市場を動かす THIS IS MARKETING
【今日の読書旅】Day139
THIS IS MARKETING 市場を動かす
セス・ゴーディン 著 あさ出版 2020年
「すいません、これはあなたの役に立ちません。あなたにぴったりなのは他社(ライバル)のものです。連絡先はこちらです」と言えるだろうか?
言える共感力を身につけられれば、重要な仕事をする自由も見つかる。
パーミッションマーケティング、トライブ、運命の谷、ストーリー
世界中のマーケターが使っている顧客インサイトをつかむ不変のメソッドはどんなものか?
マーケティングとは、世の中に思い通りの変化を起こし、社会をよりよくするために、ビジネスを大きくするために、そして何より大切な人たちを守るために行うもの。
この本には、消費者の夢や望み、コミュニティに、ビジネスを根付かせる方法が紹介されている。マーケターは、変化を起こすことで物事を改善し、変化を起こす崇高な仕事。
❶[3セレクト]
①アイデアは勝手に市場に広がらない
優れたアイデアが、すぐに市場に受け入れられるとは限らない。普及するまで何年もかかるものもある。
優れたアイデアには、大きな変化が必要だからだ。アイデアだけでは、広まろうとしても現実の壁にぶちあたり、習慣の強い力に押し流されてしまう。ただでさえ、人間は変化を嫌う生き物だ。誰もが他の誰かに先に試して欲しいと考えている。
マーケターに変化を起こすという意志がなければ、アイデアを世の中に広め、成功することはできない。マーケティングしているのに、仕事が増えていないなら、それはマーケティングに問題がある。どんな変化を起こすのかを考えなければいけない。
②これからのマーケティングのカギは「信用」
マーケティングは常に変わり続けているが、私たちマーケターはその変化に追いついていないのが実情。
次に何をするべきかわかっていないから、不安な時は感情的になったり、追い詰められて視野が狭くなったり、市場を広げるよりもライバルの市場を奪おうとする。
マーケティングは、問題解決の手伝いをする寛大な行為。それも、自分の問題ではなく、他の誰かの問題を。脅したり、しつこく営業したり、無理強いしたりするような行為ではなく、人を応援し、社会をよりよくするチャンスを創り出す行為。
【マーケターが引っかかりやすい3つの罠】
1:人が「ほしいもの」と「必要なもの」を混同している
2:人は自分がほしいものはよくわかっているが、それを手に入れる方法を考えるのはとても下手なことだ
3:誰もが同じものを望んでいると思い込む(アーリーアダプターは新しいものを欲しがるが、流行に疎い人(ラガード)は決して変わらないものを望む。)
③ビジネスを成長させるターゲットの選び方
一般大衆を追い続ければ、あなたはやがてつまらない人間になる。ユニオン・スクエア・カフェがニューヨークに初出店した時、創始者のダニー・メイヤーは1日で600人しか対応できないとわかっていた。それが、限界だった。限られた600人しか喜ばせられないのであれば、どんな600人にするのかをまず決めるのが一番良い方法だ。
こちらが提供するものを望んでいる人。こちらのメッセージを一番聞きがっている人。プロダクトやサービスを好んでくれそうな知人に伝えてくれる人。
ユニオン・スクエアの魔法は、場所でもなく、有名なシェフでもなく、慎重に客層を選んだことにある。起業家であり、シリコンバレーの先駆者であるスティーブン・ブランクが、スタートアップ企業の唯一のプロジェクトとしてあげているのが、「顧客に集中すること」
+1:信じてくれる人に「変化」を与える
ターゲットではない消費者に対して「あなたのものではありません」というのは、消費者に対して十分敬意を持っている現れだ。
消費者の時間を無駄にしたり、関心につけこんだり、信念をかえさせたりするつもりがないことを知らせているからだ。他人がどう思おうと関係ない。大切なのは、自分を信じてくれる人や自分とつながっている人、つまり消費者を変えたかどうか。
【マーケティングの3つの約束テンプレート】
私のプロダクトを使う人は「 」を信じている
私の顧客は「 」を望んでいる
私のプロダクトによって、顧客は「 」できるようになる
【他社ができないことが価値になる】
アマゾンがどれほど安く大きくなっても、トライデントは順調だった。なぜなら、アマゾンができないことをやっていたからだ。それは、コーヒーの提供である。
オンラインストアと競合する小売店を経営するなら、「さらに、私たちのお店ではコーヒーが飲めます」というのは、悪いキャッチフレーズではない。トライデントの本業はコーヒーショップだけれど、本を売っている。
トライデントで買った本は、トライデントへ行った人がその日つくった個人的なつながりのお土産だ。
Q 10倍の価格をつけても選ばれるには?
Q 30ドルのマッサージと、300ドルのマッサージの違いは?
Q 200ドルの価値があるのはどんな本だろうか?
Q 1500ドルの価値があるホテルの部屋は?
❷[マイエピソードと今日からのアクション]
マーケティングの成否は、どこまで顧客の痛みや願望に寄り添えるかどうか、どれだけ深く顧客の生活に入り込めるかだと熟思う。マーケティングの本は、もう何十冊も読んでいるけれど、この本は、間違いなく好きなマーケティング本トップ5に入る。
世の中に蔓延している”集客塾”や流行りのマーケティング本は、いかに表面的なことしか教えていないことがわかる。
明日からまた、消費者がものごとを改善する機会をつくっていくことに集中する。まずは来月新しいフロントイベントをスタートする。
ブログ記事執筆者について
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