愛しの京様
小学生の娘が、映画「翔んで埼玉」をみて、京本政樹を好きになったらしい。ガックンでなく、京様かい!それから、配信で「必殺仕事人」を見、さらなる京様ファン心を深めている。(親として、見せていい番組かは微妙だが)
私の京様といえば、「西村京太郎」京様である。
当初の私の印象は、
「2時間ドラマの原作のパターン化された小説書く人」
「ミステリーの女王:山村美沙の隣に住んできる人」
くらいにしか思ってなかった。
「なんか本屋に行くと、奥の上の方の棚に、ずらりとトラベルミステリーシリーズが並んでいる作家」「こんなに並んでいるけど、誰が買うんかい!」と棚を横目に見ていた。
学生時代、一時、キャバクラパブでの、ウェイトレスのバイトをしていた。
夜のキタ街のネオン街。
夜の蝶になる、お姉様方を見ながら、ひたすら、お酒やら、氷やら、おしぼりやらを運び続けるバイトである。
その厨房で洗い場をしている「ランコさん」というお姉様がいた。
ランコさんは、昔、売れっ子ホステスだったようで、夜の蝶だったそうな。
痩せ型で、すらっとしていて、きちっとしている。ある程度のご年齢だったはずだが、シャキッとして綺麗な人だった。
お店の営業前は、よく、お店のお姉様方が、代わる代わる来ては、ランコさんに人生相談を持ちかけてくるような人生のベテラン_お姉様だったのである。
そんなランコさんは、休憩中いつも、西村京太郎を読んでいた。
「おもしろいよ〜おもしろいよ〜寝れなくなるよ〜」
そう言って、嬉しそうによく読んでいたのを覚えている。
ある時、ふとしたきっかけで、
京様シリーズをランコさんから借りる事になった私。
まぁ、売れている本ってどんなもの?くらいに軽い気持ちで読んでみることにした。
ランコさんは、1、2冊持ってくるんだろうと思っていたが、
10冊くらい、紙袋いっぱいに入れて持ってきた。
「まじか!」ランコさんの細腕で、よく持ってきたものだと思ったが、
帰りは、お店が手配した乗り合いタクシーで帰るのだから、まぁいいかと、
束ごと持って帰る私。
こんなに沢山読めんの私。
超、軽い気持ちで読み始めたのだが、
これ、
2時間ドラマなんかよりも、
ダンゼン おもしろい!
これか!売れる理由は。
十津川警部シリーズなんて、2時間ドラマ通りでしょって思ってましたが、
ゼンゼン おもしろい!
夜読んでたら、寝るタイミングを逃してしまう。
その日から
「京さま〜〜」
と私の京様が脳内に降臨したのである。
バイトをやめてしまってから、
ランコさんに会う事もなくなってしまったのだが、
しばらくは、我が家の本棚の1番上に、京様シリーズがずらりと並んでいた。
ランコさんは、お元気だろうか。
今日、ニュースで西村京太郎先生がお亡くなりになった事が報道された。
ランコさんは、お元気だろうか。
私は断然、山村美沙より、西村京太郎_京様派です!
ランコさんは、お元気だろうか。
京様とランコさんのご縁に感謝して