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働くシニアの年金50万円の壁は51万円に。2025年4月から

1月24日、厚労省の報道発表資料で働くシニアの年金停止基準額の変更が発表されました。
年金の壁は50万円から51万円に。
2025年4月から変わります(基準額は物価や賃金の変動に合わせて毎年度見直されることになっています)。
働きながら年金を受ける人の年金停止が少しだけ緩やかになります。
具体的にどのように変わるのでしょうか。


年金停止の基準は50万円から51万円に

厚生年金を受けられる人が厚生年金に加入して働いている場合、老齢厚生年金の月額と給与の合計額が基準額を超えると超えた額の1/2の額が停止されます。この基準額が4月から1万円アップし、50万円から51万円に変わります。

基準額の変更で働くシニアが受け取る年金額はどう変わる?

停止額の計算に用いる「給与」には賞与も含まれます。具体的には、その月の給与(標準報酬月額)とその月以前の1年間の賞与(標準賞与額)を12で割った額の合計額を用います。

この給与と老齢厚生年金(月額)の組み合わせによって、年金が停止されるかどうかが決まります。

支給停止基準額が50万円の場合、在職中の年金額を計算すると下表のようになります(2025年3月まで)。
例えば年金月額が12万円の人の場合、給与が37万円であれば年金停止はなしですが、給与が40万円になると年金が1万円停止されて11万円になります。
表の肌色部分は年金が働いていても年金が停止されないパターン、白色部分は年金が一部停止されるパターンです。

基準額が51万円になると、在職中の年金額は次の表のようになります(2025年4月から)。
上の表と比べて白色の部分、支給停止されるパターンが少しだけ少なくなります。
支給停止されるケースでも、停止額が少なくなって受け取る年金額が増えることになります。

次期年金改正で2026年度に基準額62万円を検討

1月17日の朝日新聞で「働く高齢者の年金減額基準引き上げ来春で検討」と報じられました。
現在、年金制度改革関連法案の準備が進められ、与党への改革案説明が自民党政務調査会で始まったところです。与党審査の後、国会に提出された法案が審議を経て成立しなければ実施は決まりません。
記事には「基準額を62万円に引き上げる方向で」「2026年4月の実施で」検討中とありましたが、まだ決まったわけではありません。
法案には基準額や実施時期が明記されますので、そこで改革案の内容がかなりはっきりとわかります。
わたしは、働くシニアの年金を停止する制度は、基準額を変えるのではなく、在職による年金停止の仕組み自体を廃止したほうがいいと考えています。

今後の国会審議、年金制度改革の行方に注目していきたいですね!


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