見出し画像

ここから始めよう!中小企業の営業活動②【専属の営業職がいない場合】

中小企業の経営者の皆さん、『ウチは積極的に営業活動しても意味がないんだ』『営業するような業界じゃないんだ』そう諦めていませんか?
でも売上は下がっていて、ジリ貧であれば何らかの営業活動は必要ではないでしょうか?

前回の【ここから始めよう!中小企業の営業活動①】では、営業とは無駄と無意味によって構成されていると理解する事。
次に他のスタッフに意見や情報を求めること、を提案しました。


【ご理解いただきたいこと】

本題に入る前に、申し上げます。
前回同様、今回の内容も全ての中小企業の皆様にピッタリと当てはまる訳ではないと正直にお伝えしておきます。
売上を増やすベストな方法は100社あれば、少なくとも100通りあります。
全く同じ悩みを持っているように見える企業が10社あっても、その解決方法は少なくとも10通りあります。
何故なら、悩みが同じであってもその企業が持つ人員、意欲、経営者の性格や好みがそれぞれ異なり、実現可能な事、やりたい事、やりたくない事もそれぞれ異なるからです。
結果として、誰かが一見合理的な提案をしても、その経営者やスタッフが自らの意志で「これをやろう」と思えなければ、机上の空論でしかありません。
ですので、私が企業に対してアドバイス(どんな営業活動をすべきか)をする時は、【この企業ができること、やりたいと思えることで、売上を増やすことが出来るのはどんな方法か?】という視点で考え、経営者と意見交換を重ねます。
私の提案を「それはやれない」「やりたくない」と拒否しても全く気にしませんし、その場合は別の手段を提案します。

しかし、ブログは不特定多数の方に向けて発信する媒体ですので、これから読んで頂く方がそれぞれどのような状況にあるのかが分からない以上、こうした事は叶いません。
ですので、これから提案する内容はあくまで【まずはこのように考えてみてはいかがでしょうか?】というシンプルな内容をまとめたモノだと思ってお読みください。

【次にやるべきこと、現状把握】

本題に入ります。
さて、今回は次のステップに行きたいと思います。
全ての中小企業がそうではありませんが、恐らく既存客の売上構成比が高いのではないでしょうか?
そうであるならば、主な既存客別の月次売上の推移を過去10年分調べてください。
その上で、ここ半年間の数字と見比べてください。

恐らくご自身の印象と違う事や新たな発見があるはずです。
こうしたデータを冷静に見るだけでも、既存客への印象はかなり変わってきます。
実際に私が体験した話をします。
ある経営者が既存客A社について「A社の売上がここ一年減っていまして・・・」と悩んでいました。私が「もっと遡って数字を確認してみてください」と伝えたところ、「川端さん、調べてみたら3年前から少しずつ減り始めていました」と驚いていました。
このようなことはよくあります。
3年前から減り続けているのと、ここ1年減っているのでは全く異なる話であり、異なる局面です。
こうした何となくの印象で既存客やその売上を見るのでなく、事実・データを見ることで、はじめて既存客との関係を正確に把握することが出来ます。


【更にやるべき事、既存客にメール】

その上で、以前に比べ注文や契約が極端に減少した既存客にメールを送ってください。
予め言っておきますが、メールで状況を聞くのではありません。
あくまで目的は『直接会って現状を確認すること』です。
(メールは確かに便利なツールですが、双方にとって便利で都合のいいツールであることを忘れてはなりません。
メールで状況を聞こうとすれば、その既存客も簡単に当たり障りのない内容で返事をしてくる可能性が高いと思います。
しかし、それでは何も分かりません。
コロナ禍に入り、会う事のハードルが上がり、逆にオンラインで情報交換する事のハードルが下がった現在でも、お互いの意見を交換する場として、コミュニケーションの手段として【直接会って話す】ことに勝るモノはありません。
既存客の状況を変え、その売上を増やすという目的であることを考えれば、尚更会う事にこだわるべきだと思います。)

ですから、シンプルに『改めて会ってお話をしたいです。』とメールを送ってください。
細かく要件を伝える必要はありません。
既存客の担当者自身も皆さんの会社への注文が減っている事は分かっているはずです。
ですから、メールが来ればどんな話をしたいのかは予測できるはずです。

【何故、そうするのか?】

何故、以前に比べ注文や契約が極端に減少した既存客に真っ先に連絡するのかと言うと、売上を増やすのに、新規開拓よりは比較的簡単でかつうまくいけば即効性があるからです。

『苦しい時ほど新規開拓!』という意見をお持ちの方はいますが、多くの場合新規開拓は一朝一夕に実現するのでなく、多くのお客様に長期間にわたってアプローチし続けることで少しずつ結果が出るモノです。
『苦しくなったから新規開拓!』と意気込んですぐに結果が出る訳ではありません。
新規開拓は継続しつつ、或いは始めつつ、同時並行で比較的簡単なことから手を付けるべきだと私は考えます。


出来れば、売上が減り始めてからまだ日が浅いお客様からメールを送ってください。すぐに対策が打てる可能性が比較的高いからです。
或いはこれから注文が更に減るかもしれない最悪の状態を未然に防げる可能性もあります。
お客様も自社への注文の減少に敏感な会社を信頼します。
「ウチのことに関心を持っているな」と思われなくてはなりません。
そして、何故注文が減った、無くなったのかを丁寧に聞きましょう。

次に注文がなくなってから(減ってから)、かなり時間が経過してしまっているお客様にも同様にメールを送ってください。
「今更なんだ?」と思われることを恐れてはいけません。
ポジティブに考えましょう。
注文がなくなった段階ではクリアできなかったことが今ならクリア出来るかもしれません。
そうすれば多少は売上が戻ってくる可能性があります。
また以前自社に注文していてその売上が減っているのなら、同業他社に注文している可能性が高いです。その状態が長く続けば、その同業他社にも不満を持っている可能性も十分にあります。

【理想の形】

(本来は、このような状況にならないよう常日頃から既存客とコミュニケーションを取り、その売上を継続的にフォロー・チェックするべきですが、出来ている企業は少ないです。
また以前注文や契約があったお客様への再アプローチもきちんと行っている企業は更に稀です。
お客様からの注文は水物であり、全てを把握など出来ませんし、ましてコントロールなど不可能です。
だからこそ、せめて既存客と常日頃コミュニケーションを取り、注文の増減を正確に把握し、その理由も正確に把握している状態を維持してください。
いきなりはここまでは難しいでしょうから、この状態を目指して、一つ一つ進めてください。)

【予想できることとして】

売上が減ってしまった既存客にメールを送っても、会ってくれない方も多いと思います。
ですが、気にする必要はありません。
2か月ほど時間を空けて、再度メールを送ってください。
何のコミュニケーションも取らずに時間が経過するよりも、アプローチをし続けて断られ続ける方がはるかに売上を増やすチャンスを広がります。

お客様もビジネスでやっている以上、優先順位をつけて仕事をしています。
発注が減った会社からの依頼が後回しになるのは当然のことです。
返事が無かったり、返事が遅れていても気にする必要はありません。


まずは主な既存客の過去10年間の月次の売上推移を出し、正確に状況を把握する。
次に売上が激減している既存客にメールし、お会いしましょう。
そして、その要因を丁寧に聞き取りましょう!

次回はそこから先の話をします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?