瞑想が苦手な私がハマった食べる瞑想
苦手、でもなんだか気になる瞑想
私は瞑想が苦手だ。
集中が続かずに飽きてしまうから。
瞑想が心身の健康に良いと聞いたのは多分数年前。
手軽に取り組めそうだし、やってどんな感覚になるのか興味を持った。
Youtubeで適当な長さの瞑想用動画を使って試した。
いざ実践してみるといろんな思考が次々と浮かんできて、心を空にするのは難しい。
別にそれ自体は構わないようだけれど、それでも「……で、これをして一体何になるんだろう」という懐疑のような期待が浮かんでくる。
終わってからも「で、この時間はなんだったんだろう……」とモヤッとする。
こんな具合で特に効果を感じられず、モチベーションがなくなり数日でやめてしまった。
数カ月後にふと思い出しては取り組んでまた数日で断念。
私と瞑想の関係はそんなことの繰り返しだった。
まぁ何度も断念したということは、ずっと気になり続けていたということなんだと思う。
読んでいた本で「食べる瞑想」が紹介されて初めて存在を知った。
食べる瞑想をざっくり説明すると目の前の食事に全集中することである。(ざっくり……)
詳しい説明はこちらの記事をどうぞ…
元祖はレーズンを用いるようです。
食べながらやるなら集中が続きそう。
食べることに集中するってやったことないな?
それにやっぱり、瞑想をするとどんな感覚になるのか知りたい。
こうしてお試し感覚な軽い気持ちで食べる瞑想に取り組んでみたのでした。
どのように実践している?
日中は家で一人のため、昼ごはんをひとり静かに食べることができる。
この時間が瞑想ぽいなと思い活用しています。
コツは、まるで研究者になったかのように、これでもかと舐めるように料理を観察すること。
まずは視覚。
料理の見た目、お皿に盛られている様子。
素材一つ一つの色、形、大きさ、表面の質感。
じゃがいもの形が崩れて角が丸くなっているとか。玉ねぎによく色が染みて深い飴色になっているとか。ベーコンの焦げ目にむらがあるとか。魚の繊維の方向が見えるとか。
続いて嗅覚。
箸でひと口を運んだときや、お皿を近づけたときの匂いや湿度を味わいます。どんな味なのかな、どれくらい熱いかな、など期待が膨らみます。
ついでに、箸でつまんだ感覚やフォークで刺した感覚にアンテナを張ってみるのもアリ。
そしていよいよ触覚。口に入れます。
料理の味、匂い、舌触り、噛み心地、冷たさ暖かさ、味付け、音。口の中で食材が洗濯機の中のように踊らされながらどんどん細かくなっていく感覚や、喉を通り抜けその先へ消えていく感覚まで見送ります。
こんな具合です。
ちなみに、これだけ注意を払って食べるので必然的に食事にかかる時間が長くなります。
やってみてどうだった?
率直に、得も言えぬ満足感があった……!
理由は分からないし、この感覚を言葉にするのが難しいんだけれど!
全神経を使いじっくり時間をかけて食事を食べ終わったとき、なんだかすごく良い時間を過ごさせてもらったなー!って、心が穏やかで満たされた感じがあった。
普通の瞑想も、上手くできればこんな感覚になるのかな?
私は瞑想そのものというより、この食べ終わったあと胸にじんわり広がる幸せにハマりました。
同時に、自分はこれまで食べてきた食事に対してどれほど注意を払っていなかったんだろうと反省。
食べる瞑想での味わい具合を100%としたら、普段は30%も味わっていただろうか……。
Twitterやインスタを見ながら料理をなんとなく口に運んだり、今日やることを頭の中でリストアップしていたり、心配事をどうしたものかと考えていたり、家を出る時間やこのあとの支度の順序が気になったり……。
そう、「今ここ」に心がなかったと気が付いたのです。
食事をしていている現実の自分の身体と、頭の中が一致していなかった!
瞑想でよく語られる「今ここ」。
動画のガイダンスで今ここに集中すると言われたときはいまいち捉えどころがなく、よく理解できませんでした。
ただじっと座っているだけだし……と。
食べる瞑想で「食事」という集中する対象ができたことで、以前よりは「今ここ」の感覚が分かったように思います。
また、食べる瞑想に取り組み始めてから、普段の食事も味わうことを意識するようになりました。
もちろん瞑想のときのように100%はやりません。
やるのはせめて口に入れたあと、機械的に咀嚼・嚥下せず上述のように味わい観察します。
それだけでも、食後にこれまでとは違う満足感がぽっと灯り、今まで一日の習慣のひとつとして流れていっていた食事が少し特別なものになる感覚がありました。
もちろん時と場合によります。
家族や友達と食事を摂るときは、コミュニケーションも楽しみのひとつ。だから自分の中で「今は会話を楽しむ」「今は食事を堪能する」とスイッチを切り替えられるようになりました。
これまでも自分は料理を美味しい〜!と楽しんで食べていたほうだったけれど、この大好きな食事の時間に更に伸びしろがあったとは知らなかった!
食べる瞑想、おすすめです♪
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