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『山手線謎めぐり 2024』 クリアしました

 移り行く未来を見据えて。

 ここ数年の恒例になっている、JR東日本の東京の魅力発信プロジェクトFUN! TOKYO!」による、周遊謎解きプログラム『山手線謎巡り』シリーズ。2024年度も無事に開催され、私も2024年の締めくくり謎として楽しくプレイいたしました。
↓公式ページ
https://www.jreast.co.jp/tokyo/nazo_meguri/

 もうすぐ終了のタイトルなので、万一これを読んで「プレイしなきゃ!」と思った方、お急ぎください。もうJRE MALLでの販売は終了して、山手線内のNewDays店舗でしか買えない模様。
 今年もよだかのレコードさんによる、ガチンコ謎解きタイトルとなっております。昨年と同じく、本編と続編の二本体制。
 ストーリーとしては、やはり続編まで全部遊んでこそ納得の〆!なのですが……謎解き体験の満足度としては、正直本編で終わった方がスッキリかもなぁ……という、悩ましい感想となりました(笑)。


山手線の時の流れを実感できます

 ある日突然、「3年後の未来の自分」からのLINEメッセージが届いたことから始まる、冒険物語です。未来の自分の頼みごとを解決してあげるために、山手線の色々な駅周辺を駆け回ることになります。
 テーマが「時間の流れ」であるためか、色々な駅の歴史や変化、そして逆に変化しないもの、が取り入れられてます。
 行く駅は(山手線内ということもあって)意外性はゼロです。まあ以前のタイトルでは、「山手線」と銘打っていたのになぜか最後に横浜に行くことになるなど、「山手線とは……?」みたいな展開になったこともあったので、駅に意外性を求めるのも善し悪しかも知れない(笑)。個人的にはそういうの好きですけど。
 一方、駅に着いた後に、指示されて行く駅周辺の様々なポイントは、知らないところも結構あって、散歩を楽しめました。寒かったけど、行って良かった……!
 キットの中にあるオススメスポットやお店も面白くて、今回行けなかったところのいくつかは、食べログにメモりました。

 ストーリーは、本編は特に、心温まる内容です。最後に行くところで見る景色と合わせて、毎日をがんばる人々への応援歌みたいな雰囲気があります。

キットの持ち歩きはかさばります

 謎の難易度はそこそこという感じで、ヒントもあって答えまで見ることもできるので、詰まるということはない、のですが……。
 実際の謎解きでは、「観光ガイド」という行き先が記載されたちょっとページ数の多い冊子と、謎解きの問題が掲載されたシート、最低2つのパーツを常時交互に参照する必要があります。
 問題シートは、行く駅ごとに分離しているので枚数も多くて混乱しますし、2つの紙モノをバインダーに挟んでめくったり書き込んだりスマホでLINEを確認したり写真を撮ったり……と、かなり忙しかったです。
 一応、座る場所が確保されているところが選ばれていた印象でしたが、なかなか面倒でした。バインダー必須、と言いたいところですが、バインダーがあってもページめくりなどがあるのでちょっと大変。

「観光ガイド」と実際の問題記載シートが分離しているのは、まあ色々な理由があってのことだとは思うのですが、とにかく持ち歩きが面倒だったので、「問題と地図で分離するのではなく、行く場所ごとに別々の問題用紙に分けてくれた方がスッキリしてやりやすかったなぁ……」というのが正直な感想です。

 あと、最初にプレイヤーの自分の属性を選んで(年代と性別)別々のLINEアカウントを選択して遊ぶことになるのですが、内容はストーリーはおろか、向こうからくる会話の表現や演出もほとんど違いがなかったので、一体何で分けたのかが謎。プレイヤー属性の統計を取りたかったのだろうか……。

混雑が敵になる

 遊んでいる人の人数は、過去イチ多かったと思います! 行く先々で、同じキットを持った人が滞留していました。今までも山手線シリーズで遊ぶ時は同目的の方々を見かけましたが、その数がこれまでの比ではなかった。着実にプレイ人口が増えているな!と思います。
 そして、遊んでいる人が多い=座れるところの取り合いという競争要素が生まれるという訳で(笑)。
 今回、某駅でかなりややこしい(工作はないんだけど考えないといけないことが多い)謎を解く場面があったのですが、その駅が、駅ナカ・駅周辺にカフェが少ないところでして……。休日に遊んだこともあり、ものっっすごい混雑となっていました。当然、謎解き関係ないお客さんも多いしね。
 駅からどれくらい離れていいのかも明言されていないため、結局寒風吹きすさぶ駅構内の片隅で立ったまま解き切ったのが、本編のハイライトだったかも知れない(笑)。

続編でややこしさは加速する

 前回のタイトルもそうだったのですが、続編になると、ほのぼのだったストーリーがにわかに緊迫したサスペンスとなり、合わせて謎解きとしてのややこしさ(というより面倒くささ)がさらに増します。
 本編キットの一部を併用しながら、工作したり、色々なシールを貼ったり剥がしたりしたり、小さなパーツを切り取って組み合わせて……みたいな容赦のない「謎解きっぽい謎」が乱れ撃ちです。
 ただ、前回のタイトルでは「ストーリーの振り返りが果てしなく面倒なシステムなのに、ストーリーの細かい描写が謎の重要パーツになってて振り返らないと解けない」みたいな口からエクトプラズマが出ちゃいそうな苦痛があったのですが、今回はそこまでではなく、LINEのトーク履歴などで振り返りはしやすいので、改善されていた安堵感が。
 とはいえ、本編と同じく「複数のシートを常時参照しつつさらにスマホで操作をしつつ」みたいな、千手観音になりたい状況は変わらなかったです。
 次回は……次回は何とかその辺、もうちょっと改善していただきたく……!

あと一歩の改善で、頂点になれると思うのです

 前述しましたが、以前よりもさらに遊ぶ人の数が増えてきまして、着実にファンを作っているシリーズです。2024年冬は、『地下謎からの招待状』シリーズが開催されていないこともあって、万一地下謎がこのままフェードアウトしてしまうような事態があれば、ポスト地下謎の第一候補はこのタイトルかなぁと思います。
 ただ、グダグダと書いた通り、「遊びやすさ」という点ではかなりの難を感じるのが正直なところ。
 周遊型謎解きというのは、パズル単体の難易度とはまた別の難しさがあって、土地勘のない場所で立ったまま・歩きながらで遊んでいることや、遊んでいくうちに物理キットが(折り曲げなどで)損傷していくことや、公共空間に人が滞留する問題などへの配慮が、どうしても必要になります。その辺の考慮があと一歩及んでいません。
 謎単体の面白さに依存しきっていて周遊の意味がない『謎解き地下遊技場』とは、また別の課題を抱えているシリーズなのかな、と……。

 率直に言うと、『地下謎からの招待状』シリーズも、最初期の1-2作はかなり遊びやすさに難のあるタイトルでした。
(今でもよく覚えてますが、あまり大きくない某駅で、何十人というプレイヤーが駅改札周辺の床に何十分も座り込んで最後の謎に悩み続ける、という地獄絵図が展開されたこともあったのですよ……)
 それらの問題点が、1作ごとに確実にブラッシュアップ・改善されて、今の地下謎の完成度の高さがあり、本当に誰が遊んでも楽しめる周遊型謎解きの頂点と呼ぶにふさわしいタイトルになった訳です。
『山手線謎巡り』シリーズも、頂点にいけるポテンシャルは十二分にあると思うので、遊びにくさの部分をどんどん改善していって欲しいと思います! 2025年度も期待しておりますので! と妙な上から目線で感想を締めくくるのでありました。

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