『本と歩く謎解きの夜〜推理作家からの挑戦状〜』 クリアしました
答えはいつも真実の中にある!(頭脳は大人、身体は子供の名探偵の口調で)
名古屋市にある名古屋観光ホテルさんで開催されているホテル周遊型謎解き『本と歩く謎解きの夜〜推理作家からの挑戦状〜』を遊んできました。
名古屋観光ホテルには別の用事で一度泊まったことがありまして、オーセンティックな雰囲気のクラシックホテルなのですが、よい意味での「丁寧な日常」感があるといいますか、高級ホテルなのに落ち着く空気があり、好みだったのです。6Fのライブラリーラウンジがまたくつろげる感じでしてね。
という訳で、今回このプランを見つけて小躍りしながら予約ですよ。
「本と歩く謎解きの夜」は、株式会社謎組さんが、各地のホテルで開催している謎解きシリーズ。一冊の文庫本 + α を手に、謎を解いていく物語です。
私は2019年に、箱根仙石原ホテルでこのシリーズの「消えたエピローグの行方」を解いたことがあります。
今回は「推理作家からの挑戦状」という謳い文句通り、美術品を狙う怪盗団と対決するミステリものとなっておりました。
ボリューム満点で堪能いたしましたよ〜!
ミステリ小説のエッセンスたっぷり
ミステリものですが、最終的に報告しなければならない犯人などについては、パズルとして出される謎を解けば確実にわかるようになっております。ので、「いつもミステリ小説で犯人わからないんですけど;;」という人でも安心して楽しめます。
しかしそのパズルが解けるかどうかは、また別の話です(笑)。「消えたエピローグの行方」に比べて、かなり難しい謎だったと感じます。あと、単純にボリュームが多い。
「えーパズルで答えがわかるんじゃ、ミステリとしてはちょっと……」という方も、ご安心ください。パズル部分とは別のところでしっかりミステリ要素が入っています。「おおっ……やられた……」と感心しました。ミステリでは割と定番のアレではあるんですが、自分が物語の中にいる立場で味わってみると、意外とわからないものですね。
小説部分は読みやすいですが品があって、純粋に読んでいて楽しかったです。次が気になってワクワクします。そして全部終わってから読み直すと、パズルと合わさって「ああーこれこういうことだったのかー!」と色々反転していく楽しみが味わえるので、ほんとにミステリ小説っぽさがありました。
「どうせ謎解きだしこいつが犯人だろ〜」みたいなメタ解きができないようにちゃんとなっているので、本はしっかり読もうね(笑)。
とはいえ謎としてはかなり難しい
よくできた謎、そしてプログラムですが、ボリュームが多いです。問題数も多いですし、回るポイントも多いので移動時間が取られます。行った先での探索に必要な時間も意外と侮れない感じです。うっかり見落とすと大変なことになるし。
かなりめげる感じの「細かい膨大な作業をひたすらくりかえす」タイプの謎もあるので、ペグシルと与えられた用紙だけだと大変かも知れません。私はiPad miniも駆使しました……。マステが必要になるような工作はなかったのが救い。
われわれ、3時から始めて、解答期限の9時ギリギリに提出でした(何とか正解)。夕飯食べるタイミングを逃しました(笑)。
頭の回転についてはさておき、謎解き慣れだけはしているわれわれでもこのていたらくでしたので、謎解き慣れしてない方や、お子様連れなどでは解けなかったのではないかなぁ……と思いました。結構お見かけしました。でもまあ、「解けなくても報告に来てください」という形式で、報告すると解説用紙がもらえるので、何がなんだかわからなくて終了ということだけはなくて済みます。
ヒントはしっかりヒントで、いざとなれば(最終解答以外は)答えも見られるので、こだわらないのならガンガン見て進んでいった方がいいかな……。
そんな感じで、謎解きで一日終わってしまうので、ホテルの施設を堪能する時間はあんまりありません(笑)。まあ、快適で素敵な自分の宿泊部屋と、6Fのくつろぎの宿泊者ラウンジ(特別フロア「エスパシオ」に宿泊すれば、そちらの専用ラウンジも)でずっと謎解きする感じになりますので、それでたっぷり味わえるのでは、という考え方もある。
パネルの隠し場所、謎で使う部屋の贅沢さよ
謎部分の手応えもかなりのものですが、それを支えるホテルの空間の贅沢な使い方も見逃せません。この謎のためだけに使っている部屋が結構ありますし、定番の「ヒントのパネルを探す」というアレも、こんなところに……!みたいな驚きがあります。
謎解きに使うスペースが決まっているのと、謎解きキットが文庫本の形をしているので持ち歩いていても違和感がなく、ホテルの雰囲気を壊さないのは非常にいいですね。持っていったバインダーを使わなかった……(笑)。
報告すると、解けても解けなくても、ご褒美に1Fのカフェラウンジで特別ドリンクがいただけます! アルコールとノンアルコールとがありますので安心。あと食べ損ねた夕飯はここで取り返しました。美味しかった。
全体として、ちょっとボリューム多かったかな……途中の謎をもうちょっとカットして、回る場所を少なめにした方が余裕を持って楽しめたかな……という気持ちは正直ありますが(笑)。
しかしミステリらしい仕掛けが盛りだくさん、ホテルを贅沢に縦横無尽に駆け回る楽しさは、あのボリュームあってこそという感じもあるので、悩ましいですね。
美術品がらみの物語が、名古屋観光ホテルの高級感とマッチして、楽しい体験になっていたと思います。
名古屋観光ホテル、いいところなのでぜひ! そしてこの謎解きもぜひ! おすすめですよ。