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『本屋迷宮からの脱出 2024 ver.』 クリアしました

 書泉グランデさん、今はこんな感じになってるんですね〜。(おのぼりさん状態)

 SCRAPさん製作の、神田神保町の知る人ぞ知るマニアック大型書店・書泉グランデが舞台の謎解き『本屋迷宮からの脱出 2024 ver.』を遊んで参りました。

 9月30日で終了ということで、ギリギリもギリ、ご紹介というよりもほんとにただの個人的な感想の表明なのですが(笑)。楽しかったです!


「体験型推理小説」という絶妙なバランス

「迷宮からの脱出」とありますが、そして一応「脱出」要素がない訳ではないですが、脱出ゲームでは全くなくて、時間制限もありません。
 殺人事件の犯人と証拠を探し出す謎解きものです。書店内でガッツリ流血沙汰になってます(笑)。
(流血演出が苦手な人は回避して先に進めるようになっている安心設計)

 推理ものの謎解きは、ガチで「推理」をさせようとすると難しくなりすぎて全然解けずにつまらなくなる恐れがあり、さりとて「パズル」で解いて進めるようにしましょうとすると「推理の意味ないじゃん」な気分になる……という、なかなか案配の難しいジャンルだったりするのですが、このタイトルはその辺、非常に完成度が高いバランスになっていました。
 パズルを解いて手がかりを集めつつ、謎解きで定番のギミックを色々考えて詰めていくと、自然に推理が頭の中で誘導されるようになっていて、その流れでいかにもミステリっぽい推理をして謎を解く……という展開なので、全然解けなくて嫌になることなく、でも推理気分はしっかり味わえました。

 謎解き慣れしている人なら、「これ絶対伏線だな」と思うところはピンと来る作りになっているので、ノーヒントで解き切れるかと。
 一方でヒントもいい感じでオープンされますので、どうしてもわからなければ少しずつ見ていけます。最後の最後までオープンすれば答えもわかりますので、詰まって途方にくれる心配はありません。

 われわれ、大体2時間強でノーヒントでクリアでした。

でも落ち着いて考えるスペースはないです

 謎解きプログラムの完成度は高いのですが……基本、書泉グランデの決して広くない店内を周遊する内容なので、他のお客さんの迷惑にならないように気を使いました。
 また落ち着いて思考を巡らせられるようなスペースは店内に全くないので、店の外の歩道にたむろする(笑)か、周辺のカフェを探すかしかありません。そして神保町は人気観光地でもありますので、周辺のカフェは大混雑です。
 人気のプログラムということもあり、結構な人数がお店の中をキット片手にうろうろし、さらには書店の別のイベント(サイン会とか)の行列なんかもあるので、かなりカオスでした。店の前の植え込みのところには、座り込んで考えている人がたくさん……(笑)。

 われわれは、ちょっと時間をかけて考えたいなと思った場面では全部店を出てカフェに入りましたが、混雑具合や店内の明るさの兼ね合いで入れるところは多くなく、結構うろうろいたしました。
 店の外で頑張って考えてた人、蚊に刺されたりしなかったかな。他人事ながら勝手に心配。

 あと階によりますが、店内にプロモーション動画や広告音楽がじゃんじゃん流れていまして、意外とうるさいです。騒音が苦手なタイプなので、かなり消耗しました。

書泉グランデの品揃えを久しぶりに堪能

「書泉グランデならではの謎解き」という訳では、正直全くないんですけど(何せ人が死ぬし、これが書泉グランデならではだったらむしろ困る)、書店という舞台を生かした推理謎解きとして面白くまとまってます。

 そして、久しぶりにマニアックなラインナップの本棚を見て、書泉グランデ感を味わうことができました。
 今の私は、昔ほど書店という空間に対する憧れを持ってなくて(10代の頃は大型書店に好きなだけ通える身分になることにどれだけ憧れたか)、神保町にもすっかりご無沙汰していたのですけど、色々なサブカルのジャンルごとの本が並んでいる風景に、「気になる本が次々出てきてキリがない」気分を思い出しました。
(そして、「ああそうだ、こうやってキリがなくなって疲れるから行かなくなったんだよな……」とも思い出したのですが/苦笑)

 書泉グランデさんは、規模としては大型書店の範疇に入る存在だとは思うのですが、店内のスペースの(恐らくわざとやっている)ごちゃっとした感じや濃い選書基準など、こだわりのカオスの空気を残そうというプロテストみたいなものを感じますね。

 という訳で、謎解きとしては大変面白く、また独特の濃い空気を持った空間を堪能した一日でした。
 店内・店の前に人が滞留してしまう問題は何とかクリアしてほしいですが、ぜひまたこういう謎解きを開催してくれることを期待しちゃいますね!

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