行き場のない

11月10日、義父が救急車で運ばれたとの連絡があった。ちょうどYOASOBIの5周年記念ライブに参戦すべく、夫と東京に行っていたときだった。

診断は、大腸の腫瘍による腸閉塞。

翌日、医者から「症状について詳しい話を電話する」と言われたが、1日待ってもかかってこなかった。

この件について、私のなかで消化しきれていない感情があるのでここに吐き出す。

2日目の朝こちらから連絡を入れ、お見舞いのため病院に向かった夫。看護師さんに取り合ってもらったが医師には会えず、その日も電話はかかって来なかった。

電話がかかってきたのは3日目。内容は「明日午前中に来てください」とのこと。夫が仕事を休んで伺い、詳しい話が聞けたのは4日目のことだった。

結果、「腫瘍はガンであること」「肺と肝臓に転移している可能性が高いこと」「腸閉塞の手術が終わったら抗がん剤治療を始めること」の3点を伝えられた。

そして「いますぐ命がどうこうという話ではない」とも言われたそう。

5日目には義父の体調も少し良くなったようで、おかゆを食べていた。来週頭には一時退院できると聞き、ひとまず安心している。

事実はここまで。ここからは私の個人的な感情を書く。

医者が忙しいのは分かる、一刻を争う命と日々向き合っている。私たち家族のことが後回しになってしまうのも、理解はできる。

ただ、連絡が来ない4日間もしものことを考えてかなり心配していたし、こちらにだって仕事や日々やるべきこと、その先に関わっている人達がたくさんいる。

急いで連絡しないということは、もしかしたらそこまで重たい病気ではないのだろうかと思いもした。しかし、結果的に命に関わるような大きな病気が見つかったのだ。

医者は「いますぐ命がどうこうという話ではない」というが、「いつかは」やってくる。家族にとって一大事であることは変わりない。

そちらが連絡すると言ったのだ。だから有事なのだと思い、緊迫しながら待っていたのに「今日は忙しくて」「ちょうど急患が入って」と先延ばしにされ、正直軽んじられている気分だった。

ちなみに、夫が看護師に取り合ってもらった際、ことの次第を伝えたところ「それって今日がいいですか?」と返されたそう。「いや、話をすると言われたのでこちらはもう2日も待っているのですが」とさすがに言ってしまった、と夫は申し訳なさそうにしていた。

たかが数日、仕方ないとも思う。自分たち家族だけではない、たくさんの人がいる世の中での、些細な出来事なのは分かっている。

けれどその数日をただ待つだけではなく、ほかにできたことがあったかもしれない。大っぴらに吐き出すほどでもない、けれど自分のなかで消化しきれないチクチクとした気持ちが渦巻いている。

ここに記すことで整理して、もう考えないようにしよう。

いつもの日常とは違う1週間の疲れがぐっと溜まってしまった。明日からまた月曜日。生活は待っちゃくれないが、この疲労感をなんとかしてくれ・・・。


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