東京にいたら気が付かなかった、生きていく上で大切なことを熱海の人と土地が教えてくれた
「熱海に来てよ〜」
「じゃあ行くわ〜」
熱海で本屋をやってる友人と会話をしたのは、もう2週間も前のこと。
彼の名前は村松徳馬。彼を簡単に説明するなら、高校を中退して、日本一周をして、今は本屋をやってる(尊敬の意を込めての)変人だ。
そんな彼はennovaというカフェバーの一角で本屋をやっている。行くと連絡してから、彼の本屋のオープンを知ったので、僕に合いそうな本を3冊選んで貰った。15個の質問に答えただけで、こんなにもドンピシャなものがくるのかと、少し驚いた(笑)
3/16の昼頃ににイベントが終わり、16時に熱海に着いたのだが、その日はイベントが終わってから1日中何もしていなかった。その時に僕が思っていたことが
何もしてない。やばい。何かしないと。
これだけだ。綺麗な海を見ても、美味しい料理を食べても、子どもたちと無邪気にあそんでも、ずっとこの気持ちが抜けなかった。なんでだろう。そう思っていた。
2日目になってこの気持ちが少し抜けてきた。朝から海を見ながらご飯を食べたり、とても長い階段を登った先にある、神社に行ったりして、ようやく気づいた。
社会との繋がりがないからだ。
僕は「仕事」というものを介してしか、社会に価値を与えれていない。言ってみれば当たり前なんですが、、、
自分は生きているだけで価値がある
恐らく、心からこう思えていなかった。もちろん、頭では理解しているし、祖母は電話するだけで喜んでくれるから、そういう体験もできている。だけど、心からこの気持ちがまだない。
それをennovaの皆さんと熱海という土地が昇華してくれた。ennovaはいるだけで、人と繋がれて、オーナーのまよさんもスタッフ(?)のたいがさんも面白くて、素敵な人で、、、
カウンターにいると勝手に繋げてくれて、1日目は夜中まで、色んなことを、お客さんとまよさんとたいがさんと話した。久しぶりに誰かと楽しい夜を過ごした。
それから少しずつ、その気持ちと向き合うことが出来て、神社に行った時に「自分はまだ、仕事以外で社会に価値を見いだせてない。だから、仕事をしてない今は社会的に存在価値がないと思っているんだ」と思えた。
いつもなら、こういう何かの問題を発見したら解決しようとするのだが、今回はそうではなかった。
とりあえず、今を楽しもう
広大な海をずっと見ていただろうか。なんとなく、そう思えた。それから海の綺麗さに気がついたし、料理の美味しさも味わえた。
ennovaで帰り際にのんだ、オリジナルコーヒーはとても美味しかったし、ノンアルカクテルは2日とも頼んだけど、2日とも違う味で、しかも僕好みの味でとっても美味しかった。
「この場所にまた来たいなあ」なんて思うことはそうないのだけど、ennovaは本当にそう思えた場所だった。それはまよさんやたいがさん、とっくんの雰囲気もそうだし、空間も素敵だったからだと思う。
「自分は生きているだけで存在価値がある」なんて簡単に言うけれど、本当にそう思うのはなかなか難しい。だけど、そんな自分を認めてあげることが大切なんじゃないかなと思った熱海旅だった。
熱海は自分が弱った時、東京の早い時間に流されて疲れた時にまた来たいと思える、そんな場所でした。