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「筆が進まない」のには理由がある|表現者の4つのシーズン
「書きたいことは、ある、はず。なのに、全く筆が進まない」
そんなことって、ありませんか?
私はよくあります。というか、そんな日のほうが多いです。
だけど、それでも何とか筆を進めたいと思っているからこそ、このnoteを開いてくれたのでしょう。
そこで今日は「筆が進まない理由」と、その対処法を考えていきます。
「筆が進まない」のには理由がある
最初に言っておきます。
「いつでも書けると思うなよ!!」
というのも「書く」って簡単じゃないんです。
じゃあ、何がハードルになるのか。どうして筆が進めないのか。
その理由は次の2つです。
筆が進まない理由① 「言葉」との関係性が熟していない
「書く」って、広く言えば「表現」することの一つです。
歌うこと、踊ること、描くこと、語ること……他にもいろんな「表現」の方法がありますよね。
じゃあそもそも「表現」って、どういうものなのでしょうか?
「表現」は英語で「express」。
その語源は「ジュースを搾り出すこと」でした。
「中」にあるものを「外」に押し出す。
「ex(外)」+「press(押し出す)」で「express」というわけです。
「ジュースを搾り出す」と言えば、この動画がすごいです。衝撃的です。
ミキサーがなくてもできるのか……と驚きました。
ここまでの工夫をしなくても、ミキサーがあれば「ジュースを搾り出す」のは、簡単です。でも、どれだけ高性能のミキサーがあっても「果実」が熟していなければ美味しいジュースは搾れません。
同じように、人の内側に「表現するもの」が熟していなければ、どれだけすごい編集者がついたり、文豪たちが執筆したと言われる「森の上ホテル」に宿をとったりと、書くための環境を整えたとしても書けるわけがないんです。
内側で「表現するものが」熟すには、それなりの時間がかかります。
少し経験したり、本を読んだり、誰かの話を聞いたりするだけでも「それっぽいこと」は書けるかもしれません。だけど、それって結局は「借り物」で、自分の言葉ではない。果実で言えば、まだまだ熟しきっていない状態です。
熟していない果実は固くて搾れないように、「借り物」の言葉を使おうとしても、どこかチグハグな感覚がしてうまくいかないものです。
レンタカーに身体が馴染むまでに時間がかかるように、借り物の言葉を使いこなせるようになるには、それなりの時間がかかるのです。
筆が進まない(進みづらい)理由の一つとしてよくあるのは、これです。
つまり、「言葉」との関係性が熟していない状態で、無理やり書こうとしてもスムーズにいかないのです。
筆が進まない理由② 「書く」ことは、そもそも難易度が高い
あともう一つ。
私には姪っ子がいます。2歳になった姪っ子は、会うたびにたくさんの言葉を喋るようになっています。
彼女と接していて気づいたのですが、赤ちゃんが言葉を覚える時は、こんな順番で進みますよね。
「聞く」→「話す」→「読む」→「書く」
この順番でいけば「書く」はさいごです。
だから、そもそも「書く」って、人という「生き物」にとって、難しい行為なのではないでしょうか。
この4つを少し掘り下げていくと、こんな感じです。
これは新たに学んだ「言葉」(借り物の言葉)を、自分のものにしていく順番としても当てはまりそうです。
聞く:インプットする
↓
話す:ノンバーバルな要素を含めて、アウトプットする
↓
読む:書籍などで体系的に学ぶ
↓
書く:「文字」「言葉」だけでアウトプットする(ノンバーバルな要素は使わず、テキストだけで伝える=自分なりに定義する)
というわけで、「書く」って、そもそも簡単じゃないんです。
だから、筆が進まないのも、ライターズブロックがあるのも、学んだことをなかなか文章としてアウトプットできないのも、ある意味では当然なのです。
それでも書こうとするあなたは尊い
「うまく書けない……」と思い悩んで、自分を責めるくらいであれば、いっそのこと、こう割り切ってみませんか?
まず、うまく書けないのが、人としてデフォルトです。
(だから「書くプロ」がいるんです)
ふつうに書けたら、それだけですごいです。
そして、いい感じに書けたときは、もっとすごい!!
そして、こんなにも大変なことに挑み、「書こう」「書き続けよう」としているあなたは尊い。
私は、本心からそう思います。
そして、それでも挑もうとする皆さんの旅路が、よりスムーズなものになって欲しい。そんな祈りを込めて、1つの「地図」をご紹介します。
表現者の4つのシーズン
ここで1つの図版を紹介します。
これは、私が100名以上の著者・書き手と接するなかで見えてきたものを体系化したものです。
表現者(書き手)は、この4つのシーズンを移ろいながら表現を続けていきます。
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これら4つのうち、いわゆる「伝わる文章」(世の中に発信して、それなりのリアクションが戻ってくる文章)が書けるのは、下の③④の時期。
それに対して、上の2つの時期(①②)は、いわゆる準備期間です。
ここは、ライターズブロックやスランプを感じやすい時期でもあります。そして、ここを無視して「③:何らかの目的をもって、他者のための文章」を書こうとしても、何かが噛み合っていない感覚が生まれます。
だから、何かが噛み合っていないのだとしたら、まずは①②のシーズンを満喫するのが肝要です。
充電したり、探究したりしながら、「言葉」との関係性を深めていくと、自ずと表現できる時はやってくる——そう信じて、今、自分がいる季節を満喫しきってみてはいかがでしょうか。
それでも、いち早く筆を進めたいときは?
ただ、そうはいっても人生には締切があります。
本来は季節が通り過ぎるのを待つのが大切だとは理解しつつも、いち早く筆を進めたいと思うのは、当然のことです。
そんなときは、どうするのか?
成長・発達の基本戦略は、一人でできないことは誰かの力を借りること。
春を飛ばして、冬から夏に季節が進まないように、この表現者のシーズンも、どこかを一足飛びに済ませることはできません。
でも、それぞれの時期に最適なテクノロジー(技術、方法論)の力を借りることで、その時期の経過をスムーズにすることはできます。
だから、自分がいるシーズンを認識したうえで、必要なサポートを受けていけばいいわけです。
「それぞれのシーズンに必要なサポート」を、下記にまとめました。
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こちらを参考に……と言っても、おそらく多くの方は、まだ「?」が頭に浮かんでいる状態ではないかと思います。
そこで明日からは、この図をもとにそれぞれのシーズンについて、もう少し深掘りしていきますね。
いずれにしても・・・
ここまで読み進めたのは「書いて表現したい」という想いがある証です。
大変な旅を選んだ自分を、大いに誇ってあげてくださいね。
それでも書こうとするあなたは、とても尊いです。
あなたの言葉が、必要な方に届いていきますように!
さいごまでお読みくださりありがとうございました。
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