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盗人が盗人に盗まれる

泥棒が別の泥棒に自分の物を取られること。そこから、間の抜けていることや、上には上があるという意味にもなる。(日本)

盗みを本業とする泥棒が、
自分の物を逆に盗まれてしまうことから、
間の抜けたことを意味することば。

また、だましたつもりでいたら、
自分が騙されていたなどというのも、
この意味するところです。

写真素材:現金一万円札(お金)に忍び寄る手と影

欲望にとらわれた人間には、
見落としが生じることがあります。
その盲点ににつけこまれて、
逆手に取られてしまう。
上にはさらに上が
存在することも意味しています。

同時に、こうした考えの底には、
悪事が堂々とまかり通る
はずがないという
期待もうかがわれ、
暗に人の道に外れた行為を批判し、
正義を行えと戒めているのだという
意味も込められていると言います。

類語
「狸が人に化かされる」
「化かす化かすで化かされる」
「盗人の上前を取る」(日本)
「巾着切りから上前」

このことわざにピッタリな映画といえばこれ。

ひとことで皮肉るなら、
以下のことばが妥当でしょう。

「心ある政治への愉快なまなざし」

主演のエディ・マーフィーは
その独特なしゃべりを充分に生かして
早口の詐欺師を演じています。

個人的な利益のために
政治制度を利用する愉快な
映画として始まったものの、
実際に政治の世界に入ったら、
自分のやっていたこととは
桁違いのサギだらけの光景に出合います。

この映画は政治風刺に優れた傑作です。

ワシントンD.C.の不条理を
駆け抜けるマーフィーの
コメディー的なタイミングは完璧で、
裏取引から、険しい目をした
議長のような突飛な登場人物まで
登場します。

ストーリーは予想できるかもしれませんが、
エディー演じるプロの詐欺師からの
政治の世界への目線は徹底的に楽しめる。

そんななか、まじめで誠実な女性との
意外なロマンスが甘さを増し、
利己的な皮肉屋から
真の政治家へと変貌する
マーフィーの姿は驚くほど
心温まる作品となっています。

エディ・マーフィーのコメディーの才能。
爆笑の瞬間がある鋭い政治風刺。
甘くて意外なロマンス。
良心を見出そうという心温まるメッセージ。

筋書きはやや定型的だが、
ユーモアは幅広く、ドタバタしている。
全体的に政治的な風景を
気楽に串刺しにして
笑いを誘う愉快なコメディの名画です。


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