見出し画像

心の病は医し難し

心の病は治療が困難である。
『心の病をして最も医し難からしむる莫れ』
(景徳伝灯録:けいとくでんとうろく  二十八より)

この言葉は、
人間の心の複雑さや
深さを表現しています。

「病は気から」というように、
現代ではストレスが
体に様々な障害を
与えることが
明らかになっています。

東洋医学では、
体全体のバランスの乱れが
病気を引き起こすと
考えられていますが、
特に精神的なものは、
症状から判断することが
困難なため、
治療しにくいもので
あるとされています。

写真素材:心電図と聴診器より

ひとつに「未病」
いうものがあります。
これは、
まだ発病はしてはいないが、
健康な状態から遠のきつつある状態

を指します。

自覚症状はなくても
検査で異常がみられる場合と、
自覚症状があっても
検査では異常がない場合に
大別され、
現代医学では
対応するすべが
見いだせず、
人に相談しても
なかなか親身になって
信じてもらえないものです。

症状が現れる前に
体や心の不調を感じ、
早期に対処する
ことが強調され、
健康を維持するためには、
未病の段階での
注意が重要であると
されています。

出典の「景徳伝灯録(けいとくでんとうろく)」とは
宋の景徳元年(1004)に
道原(どうげん)が、
仏祖以来の名僧の
禅語を集めた書。

禅の思想や
生き方に対する
深い理解を示しており、
現代でも
精神的な問題や
人生の難しさに
対峙する際の
洞察として
引用される
ことがあります。

Wikimedia Commons

最後に、
作家「開高健」さんの
インタビューで、
こんな回答を
されていました。

問「なにか今、見えざる危機というのは何か、
お感じなことはありませんか?」

見えざる危機は自分の心ですね。
外から来る危機っていうのはあります。
大地震が来るとか、
あるいはなんかすごいインフレが来るとか、
いろいろありますけれども、
外側から来る危機に対しては
人間は割合に抵抗の術を知ってるんです。

しかし、自分の心に生じてくる危機に対しては、
手のつけよがないですね。なかなか……。
これが最大の問題。

よろしければ、応援のほど、よろしくお願いします! それにお答えできるよう、がんばります!