恋は一種の戦争である
愛する者は、互いに相手を征服しようとする。
この点で愛は戦争に似ている。(オウディウス)
愛は矛盾に満ちています。
人が誰かに夢中に
なっているとき、
しばしば愛するその人を
征服したいという
欲求にとらわれます。
その気持ちは、
自分ばかりでなく、
愛し合う相手とて
同じ気持ちにとらわれます。
そのとき、
愛はチェスの試合や
ポーカーのラウンドのような
戦略や駆け引きによる
恋愛ゲームが生じます。
しかし、
その恋愛ゲームに勝って
相手を征服すれば
満足が得られるとも
限りません。
また、勝つことが
すべてではなく、
負けて征服されることが
甘美な経験となる
ことだってあります。
それはすべて、
私たちが
“愛”と呼んでいる、
甘くて絡み合った
混乱の一部。
そして、人生には
単純な論理では
説明できないことが
たくさんあることを
身をもって学び、
人としての成長や
豊かな経験をさせて
くれるのが “恋愛“ です。
見出しの言葉は、
オウィディウスの言葉。
プーブリウス・オウィディウス・ナーソー
(紀元前43年 - 紀元後17年または18年)
は、古代ローマで有名な詩人です。
オウィディウスは、
アウグストゥス帝治下の支配下で
ローマが平和で
繁栄していた時代に
美しい愛の詩を書きました。
・恋愛詩集
『愛の歌(英語版)』
『恋の技法(英語版)』
・叙事詩
『変身物語』
神や英雄が姿を変えるという奇想天外な物語。
15巻12000行あまりの大作。
オウィディウスは
とても人気があった
人物なのに、
彼に奇妙なことが
起こりました。
西暦8年、
皇帝アウグストゥスは
彼をローマから遠く離れた
黒海沿岸のトミスという地に追放し、
そこでローマに戻ることなく、
悲嘆と辛苦のうちに
この世を去ります。
天皇がなぜ
このようなことをしたのか、
誰も正確には
わかっておらず、
文学の世界では
大きな謎となっています。
一説には、彼の書いた
『恋の技法』が一因となって
追放されたという
説もあります。
『恋の技法』は、
3部構成の恋愛教本の
ようなものです。
愛と、誰かを惚れさせる方法が
すべて盛り込まれています。
好きな人に好印象を与え、
優しくする方法のガイドとして
想像してみてください。
最初の部分では、
女の子の注意を引いて
彼女に好きになって
もらう方法について、
男の子のための
秘密のガイドの
ようなものです。
男子は、
女の子を魅了する
コツを学び、
興味を持たせ続ける
方法を学びます。
そして第2部では、
男の子は
自分を好きな
女の子を幸せにし、
一緒にいたいと
思わせる方法を
学びます。
いい彼氏になるための
マニュアルみたいなものです。
最後に、第3部では、
女の子が学ぶ順番が
記されています。
どうすれば男の子に
好かれるかを知り、
一緒に過ごしたいと
思うようになれるかの
思考法です。
この本には、
劇場や大きなスタジアムなど、
特別な人に会うためのヒントが
たくさん載っています。
パーティーで
素敵なことをしてあげるなど、
好きな人に好印象を与える方法についての
アドバイスもあります。
早すぎず、遅すぎず、
適切なタイミングで
物事を行うことが
重要なテクニックとしています。