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身の丈にあった家が、一番居心地がいい

長男が幼稚園に入園した年、わが家は一戸建てのマイホームを購入した。

住まいは都心まで電車で30分。郊外の街ということもあって、周囲には延床50坪を超える広い住宅が建ち並んでいるが、

わが家は、土地の広さ30坪、延床面積23坪の小さな注文住宅を建てた。

今回は、わが家の家探しの道のりと、住まいに対する夫婦の考え方をまとめていきたい。

郊外での家探し、4年間の道のり

家探しを始めたのは、長男を妊娠中の頃だった。

駅近の分譲マンションに憧れて、夫婦で週末にモデルルームを巡る日々を送っていた。

当時の「家探しの条件」は、

①駅徒歩7分以内
②築年数10年以内
③間取り3LDK、広さ80平米

だった。

他には、「日当たりの良さ、子どもの小・中学校へのアクセスの良さ、大通りに面していない、静かな環境」なども、優先度高めに挙げていた。

駅近を条件に入れた時点で、予算との兼ね合いで戸建ての選択肢はなくなり、新築または中古のマンションをメインに物件を探した。

予算内ですべての条件を満たす物件とは、なかなか巡り会えず、家探しは4年近く続いた。

そんなある日、スーモで物件を検索していると、たまたま現在の家が建っている土地を見つけた。

土地の条件面は、

・駅徒歩6分
・広さ30坪
・小学校、中学校まで徒歩5分
・大きな公園まで徒歩2分
・私の実家まで徒歩10分

静かな住宅街で、学校や公園が近く、駅までのアクセスも良い。

これだけ好条件にも関わらず、土地が狭いという理由で、売値は破格だった。

すぐに不動産屋に電話。同じ日に近所のハウスメーカーに問い合わせして、その日の夕方には間取りの相談に乗ってもらった。(今振り返っても、スピード感が半端ない)

・個室の広さを妥協すれば、リビングの広さは18畳確保できる
・駐車スペースは1台であれば作れる

など、ほどほどに妥協して、工夫を凝らせば、家族4人で住めそうだなという実感を持てた。

小さな家を選んだ理由

土地が狭いと、建物も小さくなる。

土地代+建築費用をあわせても、当初の予算より500万以上、住居購入費を抑えられるとわかり、思い切って購入を決めた。

身の丈にあった予算で、ゆとりをもった暮らしをしていきたい。

それが小さな家を選んだ1番の理由だ。

わが家にはクローゼットがひとつもないし、子ども部屋は1部屋8畳のみ。庭も狭い。

妥協点はいくつもあるけれど、住まいの優先度(駅近、築浅)は満たしているし、ローン返済が生活を圧迫することもなく、気持ちにゆとりを持った暮らしができている。

4年間の家探しの経験を振り返ると、

経済的に十分余裕がある家庭は別として、無理な資金設計をしてまで「高い買い物」をする必要はあるのか、と疑問に思う。

モデルルームの見学に行くと、「ご主人の収入なら、これだけの家が買えますよ」とお決まりの営業トークをされた。

「はぁ、またこれか」と聞き流していたけれど、

マイホームは人生でたった一度の買い物だからこそ、右も左もわからない状態で、プロの営業トークに乗せられて、気づいたら「身の丈以上の高い買い物をしてしまった」なんて人も正直多いのではないかと感じた。

小さな家に住んでみた感想

小さな家での暮らしは、想像以上に快適で満足している。

①家事労力を減らせる

まず掃除が楽。わが家はリビングにソファを置いていないため、床のおもちゃをさっと片付けたら、コロコロやモップをかけるだけ。

個室は2つだけ。使っていない部屋の掃除やガラクタ置き場の管理をする手間もない。庭の草むしりに追われることもない。

②冷暖房の効きがいい

戸建ては夏は暑く、冬は寒いというイメージがあるかもしれない。小さな家は冷暖房の効きが抜群にいい。

例えば、夏のわが家は2階のリビングのエアコン1台(*ダイキンのうるさら、広さ27畳用)で、1階の子ども部屋まで冷やすことができる。

4畳ほどの書斎は、冬の寒い時期でも暖房要らず。ドアを閉めて、足元にパネルヒーターを置けば、部屋が温まる。

光熱費を抑えるために、寒すぎる部屋や暑すぎる部屋で冷暖房を我慢することもないし、1年を通して快適に過ごすことができている。

「家は広いほうがいい」は幻想だと思う

今よりももっと「大きな家」に住みたい。
家は広いほうが快適で、スッキリ片付く。

家探しを始めた頃の私は、「広い家はステータス」という思い込みを持っていた。

しかし小さな家に住んでみると、「不用品」や「ガラクタ」を溜め込むこともなく、少しずつシンプルな生き方を選ぶようになってきた。

小さな家は、身の丈にあっていて、ちょうどいい。気楽で自由で、柔軟な暮らしをもたらすと実感している。


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