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子育ては「余白」を作るとうまくいく
先行き不透明な時代、子どもの将来に不安を感じて、「小さいうちからたくさんの教育をわが子に与えたい」という風潮がある。
二人の幼児を育てる親として、「わが子の可能性を引き出したい」「将来、困らないように」という気持ちはわかる。
私も子育てや幼児教育に関する本に影響され、「そろそろひらがなを教えないと…」とか、「自宅学習で小学校の先取りをさせた方がいいのかな」とか、焦りを感じることがあった。
ところが最近は、小さな子どもには習い事などの予定をたくさん詰め込むより、「何も予定がないこと日常」を作ってあげたい、と感じるようになっている。
予定を詰め込む生活をやめた理由
子育てにおいて「時間的な余白を作ること」を大切にしている私だが、かつては、予定を詰め込みすぎてしまうタイプだった。
例えば、旅行に行くなら、分刻みでガッチリとプランを立てる。いざ旅行が始まると、道に迷ったり、電車を乗り間違えたりして、自分の立てたプラン通りに物事は進まない。
それでも、目いっぱい頑張りすぎて、リフレッシュを目的に出かけた旅先で心も体も疲れ果ててしまう、というのがお決まりのパターンだった。
子育てが始まってからも、自分の決めた「タイムスケジュール」にがんじがらめになって、慌ただしく過ごしていた時期があった。
平日は朝から夕方まで仕事。子どもたちと向き合う時間が満足に取れない罪悪感から、休日になるとお出かけ三昧。
当時は、子どもの好きな電車に乗るために、幼児2人をベビーカーに乗せて、まるっと1日でたくさんの鉄道スポットを巡っていた。
でも、子どもとのお出かけは予想外の連続だ。
「なんで今?」というタイミングで突然「ママ、おしっこ!」といったり、公園で遊ばせると「まだ帰りたくない」と駄々をこねたり。
タイムスケジュールの通りにお出かけできるはずがない。
怒涛の1日を過ごし、心身ともに疲れ果てて、最終的には、「もういい加減にして!もうお出かけしないからね!!」と子どもに怒ってしまう始末……。
「せっかくお出かけしても、親が頑張りすぎて、親子の時間が台無しになるのは本末転倒だ」
そのことに気がついてからは、無理して予定を詰め込む生活をやめた。
幼稚園児2人との休日の過ごし方
お出かけ三昧の週末から一転、おうちで過ごす時間が増えた今、子どもたちとどんなふうに生活しているのかというと、
8時:親子ともに起床。最近は寒くて布団から出られない。暖房をつけて部屋が暖まるまで、布団のなかで子どもと遊ぶ。
9時前:家族みんなで遅めの朝食。身支度など済ませたあと、お天気がよければ、子どもたちと夫は外遊び。自転車に乗ったり、近所の公園に行ったりして過ごす。その間に、私は部屋の掃除や洗濯、お昼ごはんの準備
12時半:お家で昼食。週末はお好み焼き、たこ焼き、うどんなど、粉物・麺類が多い。
13時過ぎ:テレビをみたり、絵を描いたり、室内で過ごす。子どもたちのエネルギーが有り余っていたら、図書館で絵本を読んだり、近所に借りている畑で草むしりをしたり、虫を捕まえたりする。
17時半:夕飯、歯磨き、お風呂を済ませる。
20時:絵本を読んで、就寝。
こんな感じ。
先日の年末年始も、遠方の義実家には帰省せず、徒歩10分のところにある私の実家でおせちを食べたり、祖父母からもらったお年玉で好きなおもちゃを買ったり。
唯一のお出かけといえば、子どもたちが大ハマりしているウルトラマンのショーをみるために、電車で1時間かけて都内へ出かけたぐらい。
他の日は、これといった予定もなく、自由気ままに過ごした。
子どもたちと私の変化
長男は内向的な性格で、1人の世界を大切にするタイプ。幼稚園から帰ってくると、お気に入りのヨギボーに座って図鑑を眺めたり、黙々と塗り絵をしたり。1人で好きなことに没頭する時間がないと、ストレスが溜まるようだ。
今の生活に切り替えてからは、「好きな遊び」に没頭する時間が確保されたことで、情緒が安定し、癇癪を起こすことが減ったように感じている。結果として、親子仲も良好になった。
天真爛漫で構ってちゃんな次男は、1人遊びが苦手なタイプ。お出かけ三昧の生活をやめてからしばらくは、朝起きるとすぐに「今日はおやすみ?どこに行こうか!」と口癖のようにいっていたが、
現在は、長男に「遊ぼう!」と誘うか、夫か私にイタズラをして、なんとか構ってもらおうと日々奮闘している。
私自身も、時間的な余裕が生まれたことで、心のゆとりが持てるようになった。
「今こんな遊びが好きなんだな」「前よりこんなことができるようになった」など、子どもを観察しながら、彼らの興味関心に合わせて、部屋の環境を整える余裕も生まれた。
子どもは「ぼーっとする時間」に成長する
子どもたちを見ていると、つくづく「遊びの天才だな」と感心することがある。
例えば、長男は先日、幼稚園から帰宅すると、ミニカーやバスを全部、リビングに広げ、街のようなものを作っていた。
その中でミニカー5台ほどを走らせ、「救急車が1位、パトカーが2位!」「なんでキミが1位なんだよ、ずるい」「僕だって次はもっと頑張るぞ」と、空想の世界に浸り、かれこれ1時間ほどミニカーを走らせていた。
習い事などさまざまな経験を積ませることも大切かもしれないが、その時間は、子どもは「受け身」で過ごすことになる。
親や先生のいうとおりに課題や与えられたことをこなすだけでは、自分の頭で物事を考え、行動する力は育まれない。
その意味では、幼児期の「時間的な余白」は、子どもの成長にとても大事だなと思う。
みなさんは日々の生活で、お子さんが自分のペースで自由に遊ぶ「余白の時間」をどのぐらい確保しているだろうか。