UN-R144シリーズ 0/3
UN-R144のわかりやすいWEB資料は下記にあります。
日本電計株式会社 「WEB展 3分でわかるシリーズ」
https://www.keisokuten.jp/static/sp_r144.html
UN-R144の概要をつかむ
UN-R144の内容:
車両に事故自動緊急通報装置をそなえつける場合、協定規則がさだめる要件を満たさなければならない。
※EUでは同じ仕組みがeCall(emergency call)という呼称で全車両に搭載を義務付けされている。ロシアではERA-GLONASSと呼ばれここでも全車両に義務付けである。(⇔日本の場合、新型車両に通報装置を装備し販売する際に、上の要件を満たす必要がある。後付けする緊急通報装置などは対象にしていない。
同規則の趣旨:
事故が生じた際に救急機関等に自動的に通報することによって、早期の救急活 動を可能とすること。(またそれを国際標準とする。)
日本においては事故自動緊急通報の窓口として「ヘルプネット」という組織が設立されている。https://www.helpnet.co.jp/
UN-R144の主な要件
激しい衝突の発生(エアバッグの作動)をトリガーとして自動で発報すること
明瞭に聞き取りができるハンズフリーの音声通話ができること
つぎのような情報が発報されること。事故発生時刻、位置情報、車両特定情報 等
位置情報は一定の精度を有すること
衝突などの衝撃を受けた後も作動すること
バックアップ電源を有するなど、一定の電源性能を有すること
作動時や故障時にその旨を表示すること
太字部分が主にGNSSのかかわる要件である。特に位置精度について、一定の精度を要求しており、これを証明するためのテスト手順がかなり厳格・具体的に定められている。次回はUN-R144の位置精度試験や航法機能試験の概要を記載していく。