【日常】溜まっていくお菓子と友人代表のスピーチと。
夜、家に帰るとと21時をすぎる。
そこからお風呂に入って、ご飯を食べて皿を洗う。この時点で22時半前くらい。
妻に「じゃあ、23時半くらいにお菓子タイムにしよう」と約束をして、パソコンに向かう。
最近は自動車の免許を取るための勉強をすることも多い。
23時半に妻の様子を見に行くと、寝ている。疲れているのだ。起きている方が少ない。
リビングでお酒を飲みながら本を読んでから、残った家事を片付ける。
眠る前に妻が少し起きる。
毎回「ごめんっ!」と言って、また眠る。
「全然気にせんでいいよ〜」と言う僕の声は届いているのかな? とたまに考える。
結果、食べようねと約束したお菓子が残っていく。幾つかは賞味期限ギリギリになって、お互いに仕事用の鞄に入れて出勤する。
僕はオフィスで上等な栗まんじゅうや姫路で有名なせんべいを食べる。
美味しい。
◯
同じビルで働いている先輩と仕事終わりに落ち合って飲みに行く。
大阪のオフィス街なので、飲み屋の種類は潤沢だ。
「前回、いつ飲みに行ったっけ?」と友人が言う。
「6月の終わり、っぽいっすね」
僕は先輩とのLINEを遡って答える。
「え、そんな前だったっけ? それは悪かったな」
「全然ですよ。僕も引っ越しとかで忙しかったですし」
「あぁ。結局、どこに引っ越したの? まだ姫路?」
「姫路の中での引っ越しですよ。駅は近くなりました」
なんて喋りながらビルを出て、目的もなく歩きだす。
「あ、店どこいく?」
と先輩が言うので、「じゃあ、僕が決めて良いですか?」と言った。
前回、先輩に任せたら鳥貴族になった。
鳥貴族が嫌なわけじゃないけれど、学生の頃から行き過ぎてメニューは飽きていた。
「良いよ」
僕は職場から近いカウンターだけの居酒屋に入った。
いつも人が一杯の印象だが、今日は木曜日ということもあって空いていた。
ビールを頼んで乾杯した。
おでんが有名な居酒屋で、少し寒くなってきたこともあって丁度いい。
先輩は「職場近くにこんなとこあるのは知らなかったな」と言って気に入っていた。
その日、先輩に「もし仮になんですけど、結婚式の友人代表のスピーチをお願いしたら、してもらえます?」と打診した。
「良いよ。大したこと言えないだろうけど」
とすぐに承諾してくれた上で「俺はなんか、こういうお願いを即答できる人間でいたいんだよね」と笑った。
格好いい大人だった。
もし仮になんですけど。
なんて、保険をかけた言い方をした僕が情けない。
とはいえ、結婚式に友人代表のスピーチを組み込むかもまだ決まっていないので、歯に物が挟まったような言い方しかできない。
「本当にお願いする時は、全力でお願いしにいきます」
高い酒かなにか買って出向こう。
◯
母様からLINEが届いた。
「今までの他の誰とも違う
あなたは太陽
僕が月だとするなら
その光無しじゃ輝けやしない
代わりに
安らぎと癒しの静寂を
ねぇなんで」
通知で確認していたけれど、ここで止まった。
続きはない。
「なに? どういうこと?」
と返信すべきか悩む。
漫画のワンシーンか。母様自作の詩か。
説明がないので、反応のしようがなく電話をした。
繋がった母様の第一声は「失敗したぁ」だった。
まじ、どういうこと?
と頭にハテナを浮かべる僕に対し「歌詞ドッキリ!!!」と母様が言った。
LINEに歌詞を一行ずつ送り、相手もそれに乗っかって続きの歌詞を送る、という遊びらしい。
知らない。
母様の方がトレンドを知っているらしい。
この話を妻にすると、爆笑していた。