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日記 2020年12月 結局、「とりかえしのつかないことは ない」。
12月某日
職場で「川を渡る女」という心理テストが話題になった。
面白かったので、まずは引用させてください。
L子とM男は互いに愛し合っていました。
二人は大きな川を隔てて隣同士の村に住んでいました。
川に橋は無く、会う時は渡し舟を利用していました。
大きな台風が来て、川が氾濫し、洪水が二つの村を襲いました。
かなり大きな被害になり、死傷者がたくさん出て、お互いに消息がつかめません。
L子はM男のことが心配でたまらず、嵐の中を船着場まで行き、船頭Pに必死に頼みました。
「命をかけるんだから、500万円くれたらやってみるけど」
L子はそんなお金を持っていなかったので、別の船頭Sに頼みました。
「わかった、でも、死ぬかもしれないので、君を一度だけ抱かせてくれ」
彼女は大いに悩みましたが、船頭Sに体を与えました。
向こう岸に無事渡ったL子はM男を見つけることができました。
船頭Sとの行為を打ち明けたとたん、M男は、
「そんな女性とはつき会えない、別れよう」
「私はあなたが心配でたまらず、死を覚悟して渡ってきたのに」
L子は失意の元、村へ帰り、泣き明かしました。
彼女のことが好きだったH男は、泣いている彼女に
「どうしたの?」と尋ねました。
一部始終を聞いたH男は、彼女をなぐさめ、やがて二人は結ばれて幸せな家庭を築きました。
※さて、この5人の登場人物を好きな順番に並べて下さい。
ふむ。
同期の女の子からの話題で「郷倉くんの答えによっては、見る目変わるからね」と言われて、出鱈目な答えにしようかな? と一瞬、あまのじゃくな気持ちが沸き起こる。
とはいえ、読んだ限りこれしかなくないか? と思って、回答を伝えた。
「①L子 ②H男 ③船頭S ④船頭P ⑤M男」
心理テストと言われておきながら、僕は普通の読み物として考えて、主人公はL子かな、となったので順番は一番目。
二番目のH男は主人公と結ばれる男の子だから。
三番目と四番目で、少し考え込んだ。
僕はL子を主人公と考えているため、払えない金額を要求した船頭Pよりは、その場で差し出せる体を求めた船頭Sの方が良心的かな? と思って、船頭Sを三番目にして、船頭Sを四番目。
五番目のM男は、L子が勝手に来たとは言え、そんなことしか言えないのかよ、ということで最後。
で、心理テストの結果が以下だった。
5人の登場人物、L子、M男、H男、船頭S、船頭Pがなにを表しているのかというと、下記の通り。
L子⇒LOVE(愛)
M男⇒MORALS(道徳)
H男⇒HOME(家庭)
船頭S⇒SEX(性欲)
船頭P⇒PROFIT(お金)
つまり僕の優先度は①愛 ②家庭 ③性欲 ④お金 ⑤道徳になる。
そして、同期の女の子と、もう一人後輩の女の子に「ああ、郷倉くんは良い人なのね(つまんねぇ)」と言われて、微妙な顔をされた。
面白くなくてごめんね。
二人の女の子は、その後「もし、自分がL子だったら、M男に船頭Sとやったことを伝えるか?」という話題で盛り上がりはじめた。
12月某日
東京03と三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEの山下健二郎が主演の舞台「漫画みたいにいかない。」という舞台のDVDを見る。
漫画家の角田晃広が新居に引っ越し、アシスタントの山下健二郎と共に片付けをしている横で、角田の幼馴染の飯塚悟志が釣りに行こうと誘っていると、山崎樹範が各田のファンだと尋ねてくる。
というのが冒頭で、シチュエーションコメディドラマである為、すごく掴みのある冒頭という訳ではないし、「漫画みたいにいかない。」のここがめちゃくちゃ面白いんです、と一部を取り出して紹介するのも難しい。
ただ、面白いことは間違いはなくて、冒頭で散りばめられたコントのようなやりとりが伏線になっていて、後半にそれが繋がっていき、あらゆるピンチを解決していく。
DVDには「ほとんどの大人は、自らピンチの種を蒔いている」とあり、実際その通りなのだけれど、自ら蒔いたピンチを大人はちゃんと解決していく話でもあった。
12月某日
最近、気づいたこと。
土曜日の僕は本当に死んでいる。平気で12時間くらい寝て、起きてご飯を食べて、お酒を飲んで、また寝る。
まるで野生動物みたいな休日。
最近、気づいたこと。
2000年代のはじめにテロ(9.11)があり、2010年代はじめに震災(3.11)と原発があって、2020年にはコロナウィルスが世界を覆った。
テロに震災、原発にウィルスと十年単位で何かが起こっていて、2030年は何が起こるんだろう、と少し怖くなる。
最近、気づいたこと。
とりあえず、朝は寒い。
起きた瞬間に少し絶望する。シャワーを浴びて出る時がとくに寒い。体を拭いて、服を着てコタツの中でスマホを開いて時間を確認して、もう仕事に行かなくて良いかな? と考える。
けれど、仕事を休むにしても理由を考えたりするのが面倒で、仕事の準備をする。
部屋を出る時、イヤホンで耳を塞ぎ、ラジオを流し始めると少しだけ大丈夫だと思う。この世界にラジオがあって良かった。
最近、気づいたこと。
いくえみ綾の「カズン」を読む。
初版が2005年となっていた。気になって調べてみると「潔く柔く」の連載期間が2004年11月から2010年9月となっている。
「潔く柔く」の連載中に「カズン」みたいな漫画も書いちゃうのか、と思って、しみじみ凄いなぁと思う。
「カズン」は高校を卒業した白河つぼみがフリーターデビューした頃、いとこの白河野仁が芸能界デビューするところから始まる。
全体的なテーマはダイエットだけれど、フリーターも芸能人も結局は女の子で悩むことは一緒だし、容姿はその人を形成する一要素でしかない、と描かれていて、その通りなんだろうなと思う。
12月某日
芥川賞、直木賞の候補が発表される。
ツイッターの反応を見ていたら、 鴻池留衣の「わがままロマンサー」が入ってないことに対する不満が複数確認できた。
どんな作品だろう? と思って、ネットで調べたら試し読みができて、冒頭で最高っ!っと言ってしまった。
妻の機嫌を治すために、男と寝ることになった。
文學界に掲載された際の紹介文は「「私」の浮気がバレた時、BL漫画家の妻はある提案をする。新鋭が放つ怪作!」だった。
少し興味が湧いて調べると、主人公は小説家で芥川賞の候補になったことはある覆面作家で、執筆名から「王子」と呼ばれている。
覆面作家で、芥川賞の候補になったことがあって、「王子」……。
思いっきり、舞城王太郎のことじゃん。
って、なったのは置いておいて、そんな「王子」はかつての不倫相手の中学生の娘、憧子と浮気をしていて、直接的な表現で言えば、セックスをしている。
流石に芥川賞の候補に成人男性と中学生がセックスをしている小説は入れないんじゃないかな? いや、「わがままロマンサー」をまだ読んでいないので、分からないけど。
そんな「王子」の浮気がBL漫画家の妻、春霧オトメにバレて、罰として自分の前で男性とセックスするよう命じる。
相手はアマチュア漫画家の志村で、彼はゲイと言っているけれど、実はノンケであることを告白して。
というような感じで話は進んでいくみたいで、詳しいあらすじを読む限り、前田司郎の「愛が挟み撃ち」っぽい。
もしくは、河内遙の「ケーキを買いに」の「キワキワケイコさん」っぽい。
多分、僕は「わがままロマンサー」を読むと気分が絶対に沈むけれど、心の奥底に残る一作だと思うんだろう。
どこかのタイミングで読もう。
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