見出し画像

肺がんの切除手術を受けました

国立がん研究センター中央病院にて、肺がんの切除手術を受けました。
2024年末の12月27日のことです。

みなさんを心配させることが目的ではないので、先にお知らせしますと、手術は成功し、肺がんは根治したと診断されています。

私の体験を知っていただくことによって、読んでくださった皆様の中で1人でも命が助かったり長らえたり、より良い治療環境が得られたり、金銭的に助かったりするひとが出て欲しいと切に願って書いてます。
ぜひ読んでください。明日は我が身です。

※この文章においてがん、癌、ガンなどと表記が揺れますが、前後の文によって読みやすい表記を適宜使ったり、私の気分に従った結果ですので、ご容赦ください。
また、医学的に間違ったこと書いてたらご指摘ください。記憶で書いてるのでそういうこともあるかも知れません、適宜訂正いれます。

【肺がん発覚から手術の経緯】

実は今回の肺がんは最近見つけたものではありません。
人間ドックで肺に影がみつかり、検査を受けたクリニックから病院への紹介状出してもらい、国立がん研究センター中央病院の患者になったのは、手術から遡ること3年も前の2021年秋のことでした。

がんセンターでの初回検査ではCTの撮影をし、やはり影があることが確認されました。
呼吸器内科の先生のお話では、このパターンは昔の肺炎などなんらかの傷痕のようなものである可能性が高く、がんではないように思う。が、それは手術して取らないとわからないので、定期的に様子を見ましょう。
つまり大きくなれば癌、ならなければ違うとのことでした。

最初は半年、それから1年おきに検査してましたが、ずっと大きくならず安心していました。
しかし2024年秋の検査で突然5mm→9mmに影が育っていることが発覚しました。色も濃くなっていました。

まれに誤差で出る範疇の数字ではあるが、癌である可能性が高い。だとしてもこれはとても進行の遅いタイプの癌なので、1年くらい放置してもステージは進まない。このまま観察を続けるという選択肢もありますが、切除もできます。どうしますか?
ただ、癌の疑いの高い状態でずっと検査を受け続けても、いずれ切らないとならなくなる可能性が高いので、スケジュールが合う時に切除するのがいいと思う、と言われました。

娘の小学校卒業&中学入学を翌年3〜4月に控えており、すっきりした気持ちでのぞみたいという私の気持ちと、早く切ってしまって欲しいとの家族からの希望もあり、なるべく早め、できれば年内に切除したいと希望を出し、2024年の年末に手術を受けることができました。
(アイキャッチ画像は実際に入院していた病室のベッドから撮影した夜景です。)

手術を受ける前から以下のように説明されてました。
・良性腫瘍の可能性もなくはない
・癌だとしても転移はしていない
・癌の場合でもステージはゼロか1A
・胸腔鏡で全て切除できる
・その後の投薬や放射線の治療は一切不要
・傷跡は残るが大きくなく、場所的に目立ちにくい
・術後の肺活量はほとんど変わらない
・手術が終われば日常生活に制限はない
・歌への影響もほぼないと予想される

ということで実際に手術を受け、上記の説明の通りに回復して、今はまだ少しだけ手術あとに鈍痛が残っておりますが、日常生活に完全に戻っております。ありがたい限りです。

ちなみに実際に手術したところ、腫瘍は7mm、良性ではなく癌、ステージはゼロでした。

全く同じ病気に青木さやかさんと河村隆一さんがかかってます。ちなみに私も含め、3人とも非喫煙者です。
肺がんでもいくつか種類があり、わたしたちがかかった肺せん癌は、非喫煙者でもかかる癌です。

3人とも切除手術を受けて完治しているわけですが、肺がんのうち、見つかった時点で手術できるのは3割程度だそうです。本当に幸運でした。

青木さやか「肺がん再発」の危機  症状ゼロから闘病した現在の姿とは
https://medicaldoc.jp/special/aokisayaka_lung-cancer/

知ってもらいたい肺がんのこと
青木さやか×河村隆一対談
https://yab.yomiuri.co.jp/adv/az_haigan/

青木さんも私と同じく3年間観察してから切ったということですが、手術5時間・傷3箇所となってます。
私は手術2時間・傷2箇所です。
何で傷の数とか手術時間が違うんでしょう?
癌のあった位置によるのかしら?
どなたか知識のある方、教えて欲しいです。

でね。
ここまでは前置きです。長くてすみません。

みなさんにまず考えて欲しいのは、「検査」です。
そのためにも私が癌を見つけた経緯を書きますので、ぜひ読んでください。

【N-NOSE(エヌノーズ)】

テレビCMもやっているのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、尿検査でできる癌リスク検査として話題なのがN-NOSE(エヌノーズ)です。

https://lp.n-nose.com

年齢的にガンのリスクが上がってくるんだろうな、というタイミングの時に、エヌノーズ開発のニュースがテレビや雑誌で取り上げられて、ローンチ前から注目しておりました。
ローンチ直後はコロナ渦に入ったばかりということもあり、予約制でとても混んでいて申し込めなかったのですが、それが緩和したタイミングで父といっしょに利用を始めたのが最初のきっかけでした。

父はローリスクだったのですが、私は父よりも少しリスクの高い位置が表示されていました。
半年ごとに3回受けたのですが、だんだんとハイリスクになっていき、3回目に危険水域に入ったため、人間ドックを受けることにしました。

結果として、肺の影が見つかったわけですが、実はそれよりずっとあと、手術からちょうど1年前の2023年末に久々に受けたエヌノーズではローリスクを示しており、そこは正直、えーなんでー、とハテナマークでございます。
オシッコのコンディションによるんじゃねーの疑惑もあり、信頼性は微妙かもしれないと思わなくもないのですが、4回受けて3回がリスク高めと出たので、まあまあ当たってたと言えるかなと思います。

エヌノーズはいま癌になってるかではなく、癌になる可能性が高いかどうかのリスク評価なので、そのつもりで理解して受けるにはとても良いと思います。
偽陽性・偽陰性どちらもあると思うので、信用しすぎは禁物と思いますが、それは医療機関で受ける検査も同様ですし、サービスは継続することで精度が上がっていくものですので、私は今後も応援したいと思ってます。

だけど値上がりしたのよねー
もうちょい安くしてよぅ!

【DWIBS(ドゥイブス)】

さて、エヌノーズで危険水域になった私は、初めての本格的な人間ドックを受けることに決めました。

1番メジャーなのはPET/CTです。
これは体内の代謝異常を探すという方式の検査です。
癌のある場所は代謝が活発で、そこに糖が反応するというのを利用する検査です。(なんか違ったらごめん)
検査前の食事制限・注射・注射後〜検査までの安静時間が必要で、また検査自体に微量の被爆のデメリットがあります。

みんなコレを受けてるからしょうがないのかなーと思っていたのですが、他になんかイイやつないのかといろいろ調べてたところみつけたのが、DWIBS(ドゥイブス)でした。

本来は局部的な検査に使うMRIを、全身を一度に診られるように改良したもの、というのがドゥイブスのざっくりした説明なのですが、技術的にその調整がものすごーくむずかしいらしく、都内でも5箇所程度しか実施していません。
しかし、メリットが多すぎてもう絶対コレで受ける!と即決めちゃいました↓

八王子クリニック公式サイトより

私が行ける範囲では八王子クリニックさんが、ドゥイブス開発者の方が直接監修しているということで、1番信頼性が高いのかなと判断してこちらに受診を決めました。

実際に受けたら、もう本当に楽で!!楽で!
時間も短かかったし、めちゃくちゃ良かったです。

ただ、結果が出るまで1〜2ヶ月くらいあった記憶です。もしガンだったら進行しちゃうじゃん、1週間くらいでなんとかならないの?とはちょっと思いました。
今はどうなんだろう?興味ある人は問い合わせて見てください。(去年紹介した友達が受けた時はもうちょい早かった気がするけど、記憶曖昧)

精度としてはPET/CTとドゥイブスに大きな差はないようなので、どちらでもいいと思いますが、お子さん・注射嫌いマン・食事制限イヤン民・豊胸やっちゃってるガールなどドゥイブスに向いてる人はたくさんいると思います。
選択肢のひとつとして考えてもらえればなと思います。
(まわしものじゃないよ!ほんとに良かったから紹介してるだけ)

ちなみに八王子クリニックは、海外在住の友達が一時帰国中に受け、結果をEメールで送ってくれるサービスも無料でしてくれたそうです。

【検査に対する考え方】

わたしの肺の影は小さすぎて、区で受けたレントゲン検査では見つからなかったものでした。
ドゥイブスに発見してもらえて本当に助かった!
という気持ちが強いので、みなさんにも受けて欲しいと単純に思ってしまいます。

が、PET/CTもドゥイブスも全身診てもらうと10万円超えの検査です。(探せばもっと安いのもあるけど、一般的にはこの価格帯)
この価格で年1回受け続けられる方がこのご時世でのくらいいるでしょうか。

わたしのガンは進行のとても遅いガンだったので、ステージゼロの段階で逮捕できましたが、ガンによってはステージ1→4への進行が数ヶ月のものもあります。
数年に1回はおろか、年1回でも初期で見つけられるとは限らないわけです。
(もちろん無自覚段階のステージ2とかで見つければ、自覚症状が出てから見つけるよりは意味があるわけですが・・・)

そう考えると、高額な検査を簡単に全員におすすめするかどうかは迷うところではあります。
ガンの発見はかなり運に左右されるものでもあるのです。

が、買わなければ宝くじは当たらないのと同じで、検査を受けなければガンは初期では見つかりません。
ある程度年齢の年齢の方(40歳以降とか?)や、経済的に余裕のある方は、それぞれの価値観や使えるお金によって受けてもらいたいなと思います。

ただし!
今回自分が罹患したことで、いろいろ情報を調べたところ、やはり区がやっている検診を受けるのが1番大事だと知りました。
たまたま私のガンは区の検診では見つからなかったですが、それでももう少し進行したら写ってたと思います。おそらくステージ2くらいで見つけられてたのかな?と予想します。(素人予想です)

区のがん検診は、日本人が最もかかりやすいがんをメインに調べてもらえます。つまり、国にとって医療費を抑えるメリットの大きいがんです。
たくさんのガンがあるので、そこに当てはまらない方ももちろん多くいるわけですが、かかる可能性の高いガンを安く見つけてもらえるわけですから、受けない手はありません。
ぜひこちらの動画をご覧ください↓

PIVOT 受けるべきがん検診への解
https://pivotmedia.co.jp/movie/11920

【検査優先順位 簡単なまとめ】

まずは区の検診は絶対受けること。
これ↑が、マジで1番大事。
若くても受けろ、絶対だ!
あと乳がんなんかはセルフ触診をしょっちゅうしましょうね。

それをやった上で、余裕があれば人間ドックもぜひ。
中でもドゥイブスおすすめ。(ラクだから)
節約するならエヌノーズと人間ドックを交互にしたりもあり。

みたいな感じでおすすめしたいです。

【保険について】

今回もっとも大きな後悔はここにありました。
なんとなく、自分の人生で癌になることはあったとしても、もっと高齢になってからかな、という思い込みがありました。

がん保険は入っていたのです。
ですが、若い頃に入ったやつで、内容的にいまの時代に合ってないものでした。
長期入院になったときに手厚いというタイプのものでしたが、今どき、ガンで長期入院ってほとんどしないのよね・・・

今回、手術含めてたった5日。
その保険では何も出ませんでした。
唯一、学資保険のおまけみたいについてるやつが7万円くらいお見舞い程度に出るだけ。

やっちまったなー、って感じです。

いまはがん保険もかなり安く入れますので、がんと診断されたらいくら、通院一日いくら、手術でいくら、高度医療でいくら、みたいに現実の治療に即した保険に今すぐに入ることをお勧めします。

犬の保険であんなに助けられたのに(総額200万円以上の治療費をいただきました)、なんでがん保険入ってなかったんだろ、わたしの大馬鹿野郎。

ガンにならなかったら損、じゃないよ!
支払った保険料で他の患者を助けられるんだよ!
最高だよ、保険め!
(結局入ってないから詳しい銘柄とかはわかんない。自分で調べてね)

【まとめ】

わたしの周りでは同世代以下でガンで亡くなった方がすでに3人います。1人は血の近い親戚です。
現在闘病中の方もいます。

手術を受けたときの病室には、私より若い方でかなり重病の方もいらっしゃいました。
本当に大変そうで、つらかったです。

胸腔鏡手術で術後2日滞在で退院できた私は、もっとも軽い症状でもっとも簡単な手術でしたが、それでも手術への恐怖、失敗への恐怖、実際の痛みや体調の変化、小さいけど体についた傷痕などで、大きなストレスを受けました。
これより重病だったら治療に耐えられるのだろうかと考えること自体が怖くてしかたありませんでした。

とにかくなるべく初期で見つけることが、がん治療で最も大切なことです。
そして万が一罹患した時になるべく金銭的な負担を少なくしておき、ストレスを減らして治療に専念できる環境を作っておくのです。

わかっちゃいるけどさー、、、のやつですよね。
でもやるのです。やるのです!!

死ぬことはそんなに怖くないって人でも、辛い治療やいつ終わるかわからない闘病、金銭的なことで家族に迷惑かけるのは怖くないですか?
わたしは入院手術して、がんになる前よりその気持ちを強く持ちました。めちゃくちゃ怖い!
今回のがんはこれでたぶん終わりましたが、人生の中で次のがんにかかる可能性は十分あります。

iPhoneの機種変更を1回飛ばしてでも検査は受けて、保険の見直しをすぐにします。
みんなも本気で考えてね!!

私も知り合いが投稿してくれたがん闘病のFacebook記事を読み、あわてて検査を受け始めた結果に自分のがんを見つけました。
(Oさん、ありがとうございました。命の恩人です)

今度は私が誰かの命を救えると信じて書きました。
検査、受けてくださいね。
生活を守るために保険の見直しもしましょうね。
ほんとに、お願いね!

で、今回、本当にいろんなこと考えたり知ったりしたので、体験記的なものを今後書いていこうかなと思っております。

項目だけ書き出すとこんな感じ↓

1 病院の選び方
2 国立がん研究センターの患者になって思ったこと
3 年内営業最終日の手術になったわけ
4 診療科について(内科→外科への転科)
5 入院した病室について
6 入院準備 良かったこと・後悔したこと
7 入院5日間の流れ
8 お見舞いについて
9 病室で考えたこと
10 手術はこんな感じでした
11 病院のスタッフさんたちのこと
12 聞いてた話と違ってたこと
13 娘への私のがんの告知
14 手術前、誰に病気のこと話してたか、なぜ話したかったか
15 今後のこと

というか本当はかなり書き進めてて、一気に投稿する予定だったのですが。
実はリアルタイムで手術の傷が開いて化膿して大変なことになってまして(涙)、新しい話題がまだまだ追加でありそうなので、ちょっとずつ丁寧に書いて投稿していきたいと思ってます。

【最後に】

わたしは超初期でがんを見つけることができて、命に別状のない状態で治療を短期決戦で(ほぼ)終えることができました。
それでもかなり大変でしんどいことも多く、それを支えてくれた家族に感謝してます。ありがとう。

国立がん研究センター中央病院の先生方、看護師の方々、丁寧に治療してくださってありがとうございます。

そして、がんに限らず病気と戦っている患者さんとそのご家族たち、またお医者様や研究者の方々を心から尊敬いたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!