地球滅亡の日になに食べる?
これはわたしの自慢なのだが、うちの母の作るご飯はとんでもなく美味しい。
小料理屋が開けると思う。いや、他の人に食べさせたくないから開いちゃダメ。それくらい美味しい。
コロッケ、カレー、餃子、唐揚げといったスタンダードなものから、ありものでつくる即席のメニューまで、なんでも美味しい。
お正月など、おせちは栗きんとんから煮物ひとつひとつに至るまで何日も前から仕込みをして手作りする為、それらが並ぶと壮観であった。
どんな名店のおせちにも劣らない。
私の嫁ぎ先は既製品を詰めるだけで、正直つまらないので、毎年母がラインに載せるその写真を眺めてはため息をついてしまうほどだ。
母は冷凍食品やお惣菜を食卓に並べたことは40年近くなる主婦業の歴史の中で一度もない。すごい。
それらを否定する意味ではない。だって今時の冷食もお惣菜も美味しい、私はよく使っている。
母の、手作りしたものを長きにわたって作り続けているその根性が尊敬に値すると思うのだ。
子供の頃、よく母の手料理で三姉妹で喧嘩になった。誰が何個コロッケを食べたか?と。
我が家ではそれをごまかすことは大罪にあたる。
ちょっと〇〇ちゃん、何個目のコロッケ?!
4個だよ(本当は5個)!
おかーさーん!!〇〇ちゃん嘘ついてる!!もうあげちゃダメ!!
と言った具合で、これが唐揚げになったり焼売になったりする。この喧嘩はそこそこいい歳になってもしていたので、夫からあなた方の歳はいくつですか……?と呆れられたのは割と最近のことである。
母はその都度、いい加減にしろという顔をして、何個でも好きなだけ食べたらいいでしょ!と一喝していた。というか、いまでもしている。
母にいわせれば、うちはお金ないから外食そんな出来ないし作るしかなかったのよ、とのこと。しかし、それはツンデレな言い訳であると娘は分かっていますよ。
だって、私もお母さんになったから。わかってしまったのだ、子供たちが美味しいと言って食べる姿をみると幸せでいっぱいになるのだから。
わーい!僕の好きなものだ!
ママお代わり!!
と言われることのなんとワクワクすることか。
お金がかけられなくても子供達には美味しいものを食べさせたい。その思いで一生懸命作ってくれていたんだと信じている。
だよね、お母さん?
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