それって誰の望みなの?
母からのメッセージ
昔、母からやたらと結婚しろと言われた。
もちろんもっと柔らかい上品な言葉で。
三十代のバースデーカードには、
毎年手を替え品を替え
「結婚しろ」の意味をほのめかすメッセージが
書かれてあった。
両親は昔から喧嘩ばかりで、
そんな両親を見ていて
結婚っていいな、と思ったことが
一度もなかったので(きっぱり)
説得力のない文字の羅列だったと思うのだが。
皆がわたしを結婚させたがる
三十代の頃勤めた職場で
わたしはいじられキャラだった。
いじりは笑えるものもあれば
全然笑えない、ただ不快になるものもあった。
わたしの反応を見て喜んでいる人たちがいたので
多分私は割と愛されていたんだと思う。
(いじりに愛が感じられるかどうかが
大事だと思う)
毎日毎日わたしが結婚していないことを
いじられていた。
また、愛ある方々は定期的に
さとこの結婚について考える会
みたいな飲み会も開催してくれた。
(その会には愛があったので
嫌じゃなかった)
そのうち
「結婚してない私は変な人?」
「結婚すると幸せになれる?」
「結婚しなきゃ」
と変な焦りが出てきた。
お見合いしまくった日々
あちこち駆け回り
沢山お見合いをしてみた。
ウケそうな服を買ってみたりした。
(この件は今思い出しても気持ち悪い)
全然しっくり来なかった。
当然だと思う。
当時の自分に自分がしっくりきていなかった。
経験としては面白かった。
お見合い失敗談を笑いに変えて
どれだけの酒を飲んだだろう。
それはネタとなり人生の肥やしとなった。
吐き気がする
数々のお見合いを経て
ある日突然
そんな自分に吐き気がした。
婚活休止宣言を出した。
それって誰の望みなの?
自分らしくないことしてると
吐き気がする。
それは飲み込めません
ということなんでしょうね。
結局何が大事なの?
結婚しているか、していないかが
大事なんじゃなくて
今の自分が好きかとか
自分らしくいられているかが
大事なんでしょうね。
結婚やお見合いを否定したいわけではない。
(結婚の制度には不思議さは感じているが)
自分の心から望みなのであれば
それは最高なことなんだと思う。
これは色んなことに言えると思う。
〇〇であることが大切なんじゃなくて
(↑○○には各種職業等肩書きが入ります)
わたしがわたしらしくいられることが大切なんだ、と。
「〇歳だから〇〇しなければならない」とか
「〇〇だから〇〇しなければならない」とか
色んなものに縛られてきたけれども、それは
わたしが本当に望んでいる世界ではないことに気付いた。
自分らしさがわからない、という時は
思いっきり自分らしくないことに触れると
拒絶反応が出るので分かりやすいと思う。
価値観は親や周りの人の影響を受けるけれど
自分にぴったりくる価値観を探すのは
自分自身でしかできないんだなあと思う。
これからの自分
わたしは今45歳。
これからどんな風に人生を歩んでいくのか楽しみ。
常に変化に柔軟な自分でありたいと思う。
街の片隅でひっそりと蓮を育てるおばあさんになるのか。
巷で有名な偏屈ばあさんになるのか(笑)
(いきなりにおばあさんに話が飛んだのは
中学生の頃から「おばあさん」に
憧れていて、早くおばあさんになりたい
と思っていたから。
おばあさんって味があるし、シブい存在だと思う。)
因みにその後母はついに何も言ってこなくなった。
バースデーカードも普通のメッセージになった。
(デジ近note部season.2 月曜日担当です)
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